八ヶ岳広河原沢

日時: 2005年12月17日(土)~2005年12月18日(日)

参加者: 鵬翔山岳会: 坂田・静岡山岳会: 伊東・古川・鈴木

山域: 八ヶ岳広河原沢

形態: アイスクライミング

行程: 第1日目: 舟山十字路~二俣~左俣~10m大滝~中央稜~二俣・第2日目:二俣~ポストクリスマスルンゼ~クリスマスルンゼ~二俣~舟山十字路

12月16日(金)

ようやく古川さんと調整が付いて一緒に行くことが出来た。1ヶ月前くらいから誘われていたのだが、会の行事や個人的都合から延び延びになってしまったのだ。昨シーズンのこの時期、広河原沢はぼろぼろでろくでもなかったようだが、今シーズンのこの冷え込み!氷が呼んでるぜ!

22時頃、韮崎駅まで迎えに来ていただく。昨シーズンに芦安アイスでご一緒した古川さんが現れたとき、誰だか分からず失礼してしまった。伊東さん・鈴木さんとは初顔合わせ。車は伊東さんのフォレスター。

実は電車の中で、スパッツを忘れたことに気付いて愕然とする。今シーズンは12月から大雪のニュースが流れているというのに。でも、八つだからな。でも沢やし…。しかも革靴。広河原沢は初めてなだけに不安が増す。

道路はほとんど積もっていない。美術館近くから舟山十字路方面へ入るが、さすがに雪が10cmほど積もっている。昨シーズン2月に南稜を登った時並。混んでるかと思ったが、時間がまだ早いのか車がほとんどない。

前夜祭をして寝る。

12月17日(土)

06:30 出発

この時期としては雪はあるが、トレースがあってラッセルというほどでもない。120リットルザックが重い。何が入ってるのやら。日数当たりではアイスの時の荷物が一番重い気がする。のんびり歩く。伊東さんの体調がイマイチのようだ。

二俣

テントを設営。何張りかは既に設営されていた。

11:00 F1

ここが氷結具合のバロメーターになるかと思うが、例年になく状態が良いとのこと。釜は薄く氷が張っているだけなのでうまくへつらなければドボン。大滝まではロープを1-2度出したくらいだったと思う。リードは全て古川さん。手頃な滝が続いて気持ちが良い。氷結も問題なし。昼頃からは雲が出てきて冬らしいどんよりとした空模様。

13:00 10m大滝

良く発達していて、見た目には簡単に登れそう。けど先行のおばちゃんがひーひー言ってる。古川さんリード。真ん中から右へラインを取る。意外にてこずっていたが、登ってみて理由が分かる。取り付いてみると傾斜が強いし氷がもろい。回収の度に腕がパンプへとまっしぐら。最後はロープをテンションさせながらもう必死。登りきった時には腕の感覚もなく、カラビナさえ外せない。手に血が戻ってきた時に激痛が襲う。暖めようが噛もうが無駄。うずくまりながらひたすら耐える。フィフィをを使って楽に登れるようにならなければダメだ。フリーにこだわるのはその後。後続の鈴木さんも苦労していた。

15:00 中央稜へ

もういい時間だ。上部にもう1つ大滝があるが、ここから中央稜へトラバースして戻ることにする。出来れば阿弥陀まで抜けたかったが、次回の課題だ。さっきのおばちゃんを含む先行パーティは懸垂しながらそのまま右俣を下った。中央稜の方がダッシュで下れるから早いだろう。樹林帯のトラバースは時にはももまでのラッセル。この時期にしてはやっぱり多い。スパッツを忘れてきたのがここで響く。軽い雪だったのは良かった。

17:30 二俣

予定していたよりも上流で尾根から外れてしまい、方向が怪しくなったが問題なかった。到着した頃には薄暗くなり、雪が降り始め、風も出てきた。予報では天候が悪くなるとのことだが…。夕食は各自で用意したものを食べるが、たくさんつまみ食いさせてもらった。なんせ用意した食事が慌ててコンビニで買ったパンだけだっただけにありがたかった。アルコールも各自で持参。この辺は鵬翔とはちょっと違った雰囲気だ。面白い話をいろいろ聞け、他のメンバーにも会いたくなった。

12月18日(日)

起床

朝はカップラーメン。天気はまぁまぁ。気温は-19度だが、それほどには寒さを感じない。風がないせいだろう。古川さんが早めに帰る必要があるため、左俣を詰めずにクリスマスルンゼを登ることにした。まだクリスマス前だが、今シーズンの低温で期待大だ。伊東さんは膝の痛みがあるためテント番をすることになった。一緒に登れないのは残念。

出発

9:00 ポストクリスマスルンゼ

クリスマスルンゼはすごいボリュームに発達している。毎年通っているパーティが過去最大と言っていた。既にトップロープで取り付いていたので、まずはポストクリスマスルンゼを登ることにした。ルンゼは雪が詰まってラッセル。ところどころ氷壁となっていて慎重に登る。いざ上部に行ってみるとそこそこ立派な岩壁が目の前に現れたが、肝心の氷が付いてない。水が枯れてしまった?やむなく下降する。バックステップで慎重に。

9:30 クリスマスルンゼ

本命のクリスマスルンゼにトップロープを張ることにする。古川さんがトップで登る。上部で水を浴びてあちこちが凍り付いて寒そう…。ビレーも寒い。気温は-17度。時折風が吹き抜け、体が震える。いつの間にか増えたパーティも余りの寒さに耐え切れないといった風。ようやく出番。トップロープなんで思い切って登ろうと張り切ったのは良かったが、数メートル登ったところでロープが凍り付いて動かなくなってしまった。古川さんがプルージックでなんとか上まで行ってくれ、無事に登りきることが出来た。氷の目の前でぶら下がっていたのですっかり冷え切ってしまった。えらく時間を食ってしまったので、鈴木さんは取り付くことが出来なかった。申し訳ない。寒さから逃れるべく急ぎ足で降りる。ちょっと下るだけで寒さはすっかりましになった。

13:00 二俣

伊東さん、お待たせ。早速撤収して下山。こんな時に限って晴れ上がってくる。暑い。最後はほとんど駆け足で下ったのであっという間に舟山十字路へ着いてしまった。

3度目のアイスクライミングは楽しかった。大滝は散々だったからまた修行するぞ!

(記: 坂田)

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