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朝日軍道・山の失われた古道を求めて朝日連邦編 part.1

日程: 2008年5月3日(土) – 5月6日(火) 前夜発
山域: 葉山-大朝日岳-日暮沢小屋(朝日連峰)
参加者: 清水(L)・飯田・塩足・志村
行程:
第1日目: 山形駅(8:00/8:12) – 赤湯駅(8:43/8:59) – 長井駅(9:30/10:00)(山形-長井@¥1170) – <タクシー(¥2560)> – 大石大明神(10:15/10:30) – オケサ堀(12:20/12:50) – 勧進代への分岐1050m(14:30/14:50) – 葉山山荘1237m(15:40)
第2日目: 葉山山荘(5:40) – 八形峰(6:40/6:50) – 焼野平1250m(7:50) – 中沢峰直下1150m(8:40/9:00) – 中沢峰(9:50) – 1181mのコル(10:10/10:35) – 御影森山(13:40/14:00) – 幕営地1475m(15:15)
第3日目: 幕営地1475m(5:00) – 平岩山(6:20/6:35) – 大朝日岳(8:15/8:30) – 大朝日小屋(8:35/8:50) – 西朝日岳(10:40/11:00) – 竜門山(11:55/12:20) – ユーフン山(13:00/13:15) – 清太岩山(13:45/14:05) –  948m(15:35/15:45) – 日暮沢小屋(16:20)(@¥1500)
第4日目: 日暮沢小屋5:30 – アメリカ橋上駐車場6:30/6:50 – <タクシー(¥10210)> – テルメ柏陵健康温泉館舟唄温泉(7:30)(@¥300) – <タクシー(¥850)> – 左沢(あてらざわ)駅(10:25) – 帰京

山の失われた古道を求めて、昨年までは河井継之助の「八十里越」を3年掛けて行ったが、今年は「朝日軍道」である。「朝日軍道」とは、山形の朝日連峰の主脈に沿って通る60数kmに及ぶ約400年前の戦国時代の軍用道路であるが、この山岳道路を造った「直江兼続」という安土桃山時代の武将が、清水さんと同じ六日町の出身であったことが、この山行を計画した経緯である。
2009年のNHKの大河ドラマが「直江兼続」が主人公である「天地人」に決まったということは、後で知ることになる。ブームとなる前に行っておきたい。軍道の南の登山口は、山形と米沢の真ん中あたりの西にある長井市の葉山からとなる。

5月2日(金)

東京駅23:45 – 夜行バス(@¥7500) –
横浜発の飯田さんを乗せたバスに、残りの3人が東京駅発23:45で合流する。

5月3日(土) 晴れ

山形駅前着予定7:00が50分程遅れ、予定の乗り継ぎ電車に乗れなくなったが8:12発で赤湯に向かう。赤湯で乗り換えた電車に驚いた。小学校の学芸会に招かれたかと思われるような手作りの花の飾り付けがなされていたからだ。なるほど「山形鉄道フラワー長井線」!
既に長井駅には予約のタクシーが待機している。直ぐに出発かと思いきや、清水さんがいない。トイレにしては長すぎる。間もなくニッコニッコ顔で駅の改札を抜けてきた。両手に余る程のタラの芽を持って。駅のホームの向こう側に群生していたとのこと、こんなこともありかとオカカは用意してきてある。葉山への最寄りは隣の羽前成田駅で、当初、羽前成田駅から歩くことを計画していた。しかし今日の夏を思わせるような陽気の中、長井からのタクシーで正解!である。
建物は何も無いが背丈の倍はある大きな石が鎮座する大石大明神までタクシーで入り、10:30橋を渡って先ずはオケサ堀を目指して歩き出す。オケサ堀まで道幅は広く、九十九折の道を行く軍馬の連なりを想像しながら、山麓の瑞々しい木々に眼を向けながら、足元に群生するカタクリの花を踏まないように、ひたすら荷物の重いのは忘れる努力をして歩いた。オケサ堀の流水で汗を流しホッと一息もつかの間、ブヨに纏わり付かれる。雪融けと共に現れる雪国のこの手の虫の強烈な攻撃には、キンカンは持ってきているがホトホト参る。オケサ堀からは平坦な地形の雪で覆われたブナ林を歩く。葉山は雪の下に朝日に於いては最大規模の頂上湿原を有しているという。顕著なピークの無い山である。ホワイトアウトしたら行く方向を間違えそうであるが、赤布を確認しながら歩く。
葉山山荘着は15:40であった。コースタイムで3時間のところ5時間である。途中、道を間違え30分程のロスがあったりもしたが、この先の行程を考えると、今回4ルートのエスケープを考えてきたが一番短いルートになってしまうのかな、との思いにならざるを得ない状況である。
予定ではもっと先で幕営のつもりであったが、葉山山荘にお世話になることにした。小屋の隣にある神社に山行の無事をお祈りする。一息ついて先ずは水作りである。焚き火を起こしMSRと共にガンガン水作りを行う。夕・朝飯用の水の他に、明日の行動水に一人2リットルを作る。今日のあんまりの暑さに私でさえ、ずいぶん水を飲んだ。そして山菜を湯掻く水。タラの芽の他にアケビの芽も湯掻く為、タップリの水が要った。来る途中の道の脇にアケビの芽が沢山あったのを清水さんが採ってきてくれたのだ。重い荷物が無かったら大袋一杯は楽に採れるだろう。湯掻いた後の晒しは雪で行う。採れたての山菜と焚き火!我々の他には誰もいない山。私のゴールデンウイークが始まった。山菜山行は始めての志村さん、いかがでしたか。

5月4日(日) 晴れ

今日は頑張って距離を稼ぎたい、という思いで3時起きのはずであったが寝坊してしまった。小豆と山菜の雑炊で朝を済ませ、葉山山荘発5:40。
実は出発間際になってショックなことがあった。昨夕の水作りに頑張った結果、少々作り過ぎていたようだ。引き取られない水のパックが目の前にあった。せっかく作った水を捨てるなんて!私のザックに4リットルの水が加えられた。ショックではあったが、増えた4kgの重さに反って気合が入ったのであろうか。今日の歩きは自分でもびっくりするものがあった。そして皆も昨日の遅れを取り戻すことを意識したのであろう。葉山からはあまり人の行かないルートで、特に前御影森山から御影森山までは熊笹の藪コギであったにも関わらず、また昨日以上に暑い炎天下であったにも関わらず、ほぼ予定の幕営地に辿り着いた。絞れる程の汗を掻いた清水さんは、テント設営後、軽い熱中症が見受けられお休みされた。
しんどかった今日の道を振り返ると、焼野平1250mの雪面が切れたところで左のブッシュに入ると道は山腹を巻いており、その後も道は雪が消えると現れた。前御影森山から御影森山までは熊笹で覆われている(深いところは胸まであった)が、潅木に道を塞がれていることはなく道としては繋がっている。飯田さんがボランティアで道の整備をしたいと仰っていた。来年の大河ドラマの影響でそういった有志が集まるのではなかろうか。
御影森山から南に飯豊連峰、北に月山の美しい山容を堪能する。ここからの道に雪は無く夏山のような爽やかな稜線を辿って距離を稼ぐが、1時間程歩いたところで雪のあるテントを張るのに適したところに行き当たり1475mを幕営地とした。稜線上のここには焚き木が無く、陽が落ちると急に寒くなり、そうそうにテントに潜り込む。暫く休んだ清水さんも回復し、昨日の山菜でいつもの通り飲み会が始まる。

5月5日(月)曇りのち雨

本日はメインの大朝日岳を越える。この「朝日軍道・山の失われた古道を求めて朝日連邦編」の最終地は、ずっと北の朝日村鱒淵であるが、以東岳を越えた辺りから登山道が無くなる。「今日、下山を開始した地点」から次回part.2が始まることを考えると、竜門山まで行っておきたいのであるが‥‥。
平岩山まではそんなに起伏も無い夏道を行くが、大朝日岳へのガレた急登に喘ぎながら8:15やっとのこと登り着いた。葉山から見えた大朝日岳はあまりにも遠く、今回はその前に聳えていた御影森山がせいぜいかと思われたが、ここに辿り着くことができた。葉山からの行程を目で追い感慨に耽るも、今日は朝から雲が多く長く休んでいると寒くなってきた。山頂を後にして分岐の大朝日小屋で、古寺鉱泉へ下山をするか、竜門山まで行くかを検討することにする。何分行き先は、飯田さんに掛かっているところが大きい。コースタイムでは竜門山を経由し日暮沢小屋まで5時間半。コンディションは良いとのこと。日暮沢小屋を目指す、とリーダーの判断が下った。
大朝日岳から見た西朝日岳までのルートは雪の状態が心配されたが、トレースもありひたすら雪面を歩く。GWは古寺鉱泉か日暮沢小屋からの入山者が多いと聞いていたが、大朝日小屋の記録には昨日は1パーティーの利用があったのみである。12時前に分岐である竜門山に着いた。次回の「朝日軍道」は、ここから始まることになる。予定していた地点まで来ることができたことにホッとするも、日暮沢小屋へ下山するにあったって日暮沢小屋からの足の心配があった。入山前に調べたところ、タクシーを呼んでも今の季節は日暮沢小屋までは入ってくれないようであったが、問題は何処でタクシー会社に携帯Telが繋がるか、である。タクシーを利用できないとなれば延々と何処まで歩かなくてはならないのか‥‥。繋がれ携帯!見晴らしのいいユーフン山でdocomoでトライする。向きによって圏外表示も出る状態であったが、何とか左沢駅前のタクシー会社に繋がった!切れ切れ会話ではあったが「明日の朝7:00に日暮沢小屋から徒歩約1時間のアメリカ橋の上にある駐車場に」と言うことが伝わった。「アメリカ橋」とは地元の方しか通用しない名前(戦後進駐軍が作った橋であるからとのこと)であるようだが、この橋のことは先程すれ違った竜門山往復の単独者(今回の山行で出会った2人目)に説明を受けていたので要領よく話が進んだ。
遠くで雷が鳴っていたが清太岩山で休んでいると、とうとうポツポツと降り出した。コースタイムでは後2時間の行程である。思ったよりも大幅な遅れも無くここまで来た。明日のタクシーの予約も取れ、何より当初予定通りの日暮沢小屋に〝日暮れ前〟に着く見通しが付いたことが、雨の中ではあったが気分的には明るいものがあった。オオイワカガミのピンク、マンサクの黄色、コブシの白い花もブナの瑞々しい芽吹きと共に楽しめた。

5月6日(火)晴れ

昨夕、あまりにも綺麗な日暮沢小屋に思わず上がりこみお世話になった。やはりここも我々しかおらず、のびのびと過ごすことができた。小屋括りつけの現金箱に支払いを済まし、立つ鳥跡を濁さず、で小屋を後にする。予約時間前に無事タクシーにも乗ることができた。歩きは終わった。
今回、竜門山まで行けたこと、日暮沢小屋への到着時間が予測よりも早く着いたこと、が何よりであった。行けて古寺鉱泉への下山か、日暮沢小屋へ足を向けても途中で幕営かと思っていたからだ。葉山神社の神様に感謝する。
後は温泉と食事だ。タクシーの運転手さんが連れて行ってくれた温泉は「おしん」の筏下りのロケ地の近くにあった。朝風呂を満喫した後、先程のタクシーの運転手さんを再度呼ぶ。左沢で美味しいもので〆ればもう大満足の山行であったが食堂はまだ開いておらず、山形では臨時の山形始発の新幹線に急ぎ乗った為、駅弁になってしまった。またもや、である。東北の山を満喫はするが、下山後の美味いものにはいつもありつけないでいる。いい温泉にありつけたことでマァイイか!全てに感謝。

(記: 塩足)

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