谷川連峰白毛門ウツボギ沢

日程: 2020年8月30日(日) 前夜発
参加者: 国府谷(L)・雨宮・塩田
行程: (前夜仮眠)土合駅(5:30) – ハナゲの滝(7:00) – ウツボギ沢分岐(10:00) – 白毛門山頂(14:30) – 土合駅(17:30) 累計:12時間

●土合駅~ハナゲの滝

空は曇り模様。土合駅から白毛門登山口まで徒歩でいく。登山口から橋を渡ってすぐに白毛門へ上る分岐が現れる。そこを上がらず、沢沿いをいく。その後数分で堰堤を超えて東黒沢入渓となる。入渓点付近はゴーロ歩きとなるが、すぐにナメ床となり歩きやすい。この日、他のパーティと出会うことはなく独占状態。静かな沢の脇には小さな蛇も顔を出し、我々が近づくゆっくりと岩の隙間へ避難していく。そうこうしているうちにハナゲの滝に到着。なだらかな巨大なナメ岩。増水もしておらず、フリクションもきき、歩きやすいため一気にこの滝を上がっていく。

●ハナゲの滝~ウツボギ沢分岐

ここから先はなだらかだがナメ床だがヌメっており、慎重に進む。30分程度で白毛門沢分岐に至る。白毛門沢は比較的急峻になっているのでわかりやすい。我々は白毛門沢へは行かずそのまま東黒沢を遡行する。そのうち短いゴルジュに至る。水量がそこまで多くなかったため、多少泳いで渡れなくもないと思ったが、大事をとって右を大きく高巻く。高巻のルートファインディングは悩まされる時がある。踏跡がはっきりとしていればそれを使うとよいが、見当たらない場合、どこまで大きく巻くかは経験やセンスが物を言うだろう。沢から近い所を巻けば労力は少なくて済むがひとたび脚を滑らせて周りに支えになる木等が無い場合、大きく滑落しゴルジュに落ちるリスクがあった。そのため今回は、比較的急峻でなおかつ一部支流でえぐられて木が生えていない所を跨ぐ箇所があったためか、大きく巻くことになったと想像した。この高巻は国府谷さんがルートファインディングしたためあくまで推測でしかない。その後もヌメるナメ床が続くので慎重に進む。徐々に川幅も狭くなり小さい支流がいくつも合流するため地図読みをこまめに行う。地図読みの手順としては、GPSで現在地と標高を確認。そしてGPS情報と照らし合せて地図上での位置を確認し目的地の方角、支流が流れ込む方角を確認。沢は入り組んでいるので歩きながらも磁石で常に歩いている方角を確認する。そのうち沢が枯れてきて、藪漕ぎをしながら丸山越を目指す。藪漕ぎとなると正確なルートを常に行くことは難しい。今回は方角と比較的低くなっている鞍部を目指して進む。鞍部に着くと、獣道のような跡を発見し目的地の方角を確認しながら進むと小さな支流に出た。そのまま支流沿いを30分程度下るとウツボギ沢分岐に至る。

●ウツボギ沢分岐~白毛門山頂

ウツボギ沢分岐から上流へと遡行するルートだが、10分程下流のナルミズ沢分岐周辺に広い川原があり、そこで休憩することにした。ナルミズ沢は朝日岳に登りつめるため日帰りは相当厳しいが、いつか時間がある時にでも行ってみたい。藪漕ぎと沢下りで奪われた体力を回復させてウツボギ沢遡行を開始する。大きな滝は遡行開始から20分程度で現れる。ここは踏跡がついた右を高巻く。その後は比較的緩やかなナメ床と小滝が数時間と続く。途中国府谷さんは「もう飽きた」とぼやく。単調な遡行でも途中、蛙の繁殖地を通ったのか、次々とヒキ蛙が現れる。それなりの大きさがあり岩と同じ色をしているので岩を持つ手のすぐ横に現れ驚かされることもあり、楽しむことができた。そうこうしているうちに川幅は狭くなり、視線の先には笠ヶ岳が姿を現す。ここから笠ヶ岳から白毛門に至る稜線を目指して急斜面を行いく。この辺りは小さい支流が多いが、我々は稜線を目指して進む。川も枯れ、多少沢の跡が残る藪漕ぎに入る。途中このままいくと笠ヶ岳に登りつめることになるので、方角を変え懸命に藪をかき分けながら稜線にたどり着いた。そこから30分で白毛門山頂に至る。晴れ間も見えて谷川岳の岩肌もくっきり見える。雄大であった。

●白毛門山頂~土合駅

ここからの下りは疲労した脚には大打撃の下りが待っている。距離3kmで高低差1000mを下ることになる。麓の建物は見えるが先が遠い。常に集中が必要なフットワークが要求される中、睡魔が急に襲ってくる。途中の休憩で思わず寝落ちして雨宮さんに起こされる。雨宮さん、国府谷さんは膝の痛みに襲われ、かばいながらでペースが落ちる。途中休憩を2回挟み2.5時間かけて登山口到着。

(記: 塩田)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!