信濃俣河内遡行記   2004年9月18~20日

13_2 メンバー: CL 掛川(義)、清水、掛川(浩)
 17日、清水さんは、夜新幹線で静岡にやってきた。その夜は、うちに泊まり、翌朝4時に起きて、5時ごろ出発した。8時、畑薙ダムに、着いた。まず帰りに車を拾いにいくための、自転車を沼平ゲートの近くの藪にデポする。3人だったので、小さい自転車を積んでくることが出来た。それから対岸の林道を行けるところまで、車で入る。今日は行動時間が長いので、少しでも時間を短縮したい。道はかなり悪く、いたるところ落石だらけだった。帰り、車が通れなくなったらどうしようと少し不安になる。15分ほど走ると4台ほど車が停めてあるところに着いた。どうやらここが終点らしい。先行パーティがいるのでは、釣果は期待できんなあと少しがっくりした。
8時半に出発する。入渓点の戸立沢までの道はなかば崩壊していた。昔は取水堰建設工事の為、ダンプも通れるぐらいの道だったのだろうが、今はワイヤーやロープを頼ってしか通れない道になっている所も多かった。1時間程の歩きで戸立沢に着く。いい天気だったので、けっこう汗をかいた。沢靴に履き替えて、10時ごろ出発する。最初、時間を短縮しようと、沢に入らず、左岸の杣道を利用して、幕営予定地のオリタチ沢まで濡れずに行こうかとも思ったが、天気も良く、林道歩きで汗をかいたので、涼しい沢を行く事にする。果たしてこれは吉とでるか凶とでることか?
最初は川原歩きである。川幅は広い。白神の追良瀬川を遡行した時と川のスケールは似ている。徒渉を何回かする。水量は膝までである。しばらく雨が降っていないので、おそらく平水よりも少なかったのだろう。しかし、時々流れの強いところもあった。清水さんはバランスを崩して、
首にかけていたデジカメを水没させてしまった。私も脛を打って、こぶを作った。徒渉に関しては、あまり経験がないため、一人ずつ通過した。当然体の軽い人は不利になる。3人でスクラムを組んで渡ったほうがよかったと思う。11時半アシ沢着。12時西河内沢出合。大ヨギ沢出合12時35分。三俣に13時20分着。珍しくほぼ3時間半のコースタイム通りだ。それだけ悪場がないと言うことか。ここまでに二組の釣り人に出会う。釣れてはいないようだ。三俣にツェルトを張っていたひともいた。ここから今日のハイライトである第一ゴルジュ帯である。この高巻きは悪かった。左岸の樹林帯を行くのだが、高さがある。木を頼りに行くのだが、足を滑らせたらちょっとやばい。ロープを張った。30メートルのロープで2ピッチ。ここの通過に時間がかかり、オリタチ沢についたのは17時だった。コースタイムは2時間だったが、倍の4時間かかった。これが普通だよな、やっぱり。清水さんに焚き火の準備をしてもらい、私は釣りをする。すぐに暗くなってもう目印もみえなくなる。ヘッドランプで照らしてやったりもした。なんとか2匹釣る。焚き火をし、岩魚を焼いて食った。
 19日は、4時起床。6時出発。天候は曇り、時々小雨がぱらつく程度。今日は、第2、第3ゴルジュ帯の通過がある。順調に行けば、4時間半で西沢出合だが、昨日のように倍かかる可能性も高い。とりあえずゴルジュ帯さえ抜ければなんとかなると考えていたので、仮に倍かかったとしても、3時には抜けられるだろう。すぐに、第2のゴルジュが始まる。第2のゴルジュは、両岸を高い岸壁に囲まれている中を、渕がいくつも連続している。まだ、日も差さず、薄暗いゴルジュは、神秘的な感じがした。ガイドブックにあった、渓魚育む谷という言葉がぴったりする所だ。ここで胸までの徒渉とあるところで浮き輪を膨らます。私がトップで行ったところでロープを張り、後続はロープでひっぱられながら浮き輪につかまって泳ぐ。いざ、入ってみたら、なんとか片足が着くところで泳ぐ必要もなかった。しかし大のおとなが浮き輪につかまって泳ぐ様はなんともおかしかった。沢ならではの遊びであろう。最後の出口の小滝がトラロープと、残置のシュリンゲにつかんではいあがったがここが一番いやらしかった。シュリンゲのハーケンがきいていなかったのであやうくぬけそうになった。ここはショルダーで越えたほうが簡単だったかも知れない。7時10分にぬける。出口のすぐ近くにヨモギ沢が流れ込んできていた。心配していたゴルジュの通過が順調だったので、うれしかった。昨日の方がしょっぱかったなどと話した。ここらで雨がしとしと降りつづくようになった。しばらく行くと、いい渕があったので小休止して竿を出す。一匹かかって、なお釣っていたら、雨が強くなってきた。まだ、第三ゴルジュも控えているので、自戒の意味も込めて、テントを張るまで竿を出さないと宣言して、先に行く。
第三ゴルジュは最後の左岸の高巻きで、下降の時、練習と思いロープを出し、5メートル程懸垂で降りる。10時半に抜ける。12時頃、西沢出合に着く。これから、今日は4時まで行動して適当な幕営地を見つける予定だ。ゆっくり行っても、かなり上流に行けるだろうから、明日は少しでも早く稜線に抜けられる。ここで大休止とし、釣りをする。本流は反応が無かったので、西沢を行ってみる事にした。ここは、魚影も濃かった。ここぞと思うポイントには魚がいた。すこし木の枝がかぶっている所もあり、釣りにくい所もあったが、10分程行った所に2段の滝があり、そこで4匹釣る。もういないだろうと思いながらも、仕掛けを入れると釣れてしまう所だった。6匹釣って、尺近いものも一匹あるので、これは刺身に出来るし、一人二匹は食えるからもう充分だと思い、戻る。腹をさばくと、卵が出てきたので、しょうゆ漬けにする。酒のさかなにいいそうな。特に悪いところもなく、左に大ガレ場が出てきた所で、少し高くなった山の斜面にテントを張る。また、清水さんが前夜の3倍ぐらいの木を集めてきて、盛大な焚き火をする。岩魚の卵のしょうゆ漬けと、刺身、塩焼きを食べ、ウィスキーをなめながら焚き火の炎を眺めて、沢の静かな夜を過ごす。3人用のテントで人の体温と焚き火のせいで温かく、ぐっすり眠れた。
 翌20日、雨は降っていないが、天気はぱっとしない。本流を詰めれば、最後の滝を高巻きがある。地図を見たら、右から入っている沢を詰め、仁田岳に出た方が距離も

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