北横岳から雨池峠周遊

日程: 2011年5月5日(水)
山域: 北横岳(八ヶ岳)
参加者: 掛川義孝(L)・浩世
行程: ロープウェー山麓駅(10:50) – 山頂駅(11:00) – 稜線分岐(11:40) – 北横岳ヒュッテ(11:50) – 北横岳山頂(12:05) – 三ツ岳(13:30) – 雨池峠(15:00) – 縞枯れ山荘(15:10) – 山頂駅(15:20) – 山麓駅(16:30)

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ピラタスロープウェーを使い、北横岳からぐるりと坪庭の周りの稜線をたどる。
坪庭は、今から1万年前の北横岳の火山活動により押し出された溶岩で出来た溶岩台地である。エッヘン、エッヘン。
積雪は1mぐらいだろうか。除雪されて遊歩道が整備されている。
周りのシラビソの枝のしなり具合から判断すると、おそらく2・3メートルぐらい雪は積もりそうな印象を受けた。
これから、坪庭を囲む稜線を歩こうという僕らは山の格好をしているためかえって周りの観光客の中では浮いてみえる。
夏は高山植物で賑わうだろうが、今はまだ花もなく、コイワカガミの葉が霜焼けしたかのように赤茶けているだけだ。
それでも、久々に出会うシラビソやハクサンシャクナゲは、高山を感じさせる。
坪庭の周遊道から離れ、竹ざおの標識の間の雪の上を歩く。
およそ1年半ぶりの雪の感触を楽しみながら稜線を目指す。
連れは、せかせか先を急いで時々まだ来ないのかという顔で待っている。
待ってくれよ、ゆっくり楽しませてくれ。ちいさくつぶやく。
稜線に出て、三ツ岳への道は右、僕らは左の北横岳を目指す。
北横岳ヒュッテは煙突から白い煙を静かにあげていた。
ヒュッテの先は急な登りでここでアイゼンをつける。
つま先はまだ完全には治っていないので、登りのキックステップはいささか心もとない。
下りのかかと歩きなら自信あるのだが。
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10分足らずで北横岳の山頂に着いた。風が強い。
南八ヶ岳から、乗鞍、北アルプスの稜線が見える。
双眼鏡でみたら、槍ヶ岳が黒く尖っているのがよくわかる。
寒いので早々に山頂を降り、ヒュッテの前で休む。
2390メートルのヒュッテの前の山桜はまだつぼみですらない。
下界のサクラはとっくに終わったと言うのに。
三ツ岳を目指す。坪庭へ降りる道を過ぎると
とたんに静かな、踏み跡も少しおぼつかなくなる。
途中で、これが夏道だろうと思う道を進んでいたら

道をはずれて、ところどころ雪にもぐるはえらい目にあった。
道を見失って元の道まで戻ったら、別の登山者がいて戻れた。
やれやれ。やはり冬は道がわかりにくい。
三ツ岳は巨石の積み重なった岩山で、ちょっと岩登りがある。
なだらかな雨池山を越え、雨池峠まで2ヶ所ほど急な下りがあり、ところどころ氷化していたので
再びアイゼンをつけた。
雨池峠は広々とした笹原の中にあった。
泥道を辿ると、縞枯れ山荘が見えてきた。
風力発電のプロペラが勢い良く廻っている。
木道を歩いて、再び坪庭の周遊道に合流する。
下りは、ロープウェーの下の登山道を歩いて降りた。

全体の印象としては火山ということで富士山の5合目あたりと地質、植生が似ていると思った。
風下に枝を伸ばした低い樹形から、坪庭や稜線の風は相当強く吹きそうだ。
5月でこれだけ人気があることから考えるとこれから晩夏にかけて坪庭は人でごったかえすだろう。
節電の影響で、今夏は涼しい高原に人が集まりそうだし、高山植物たちに静かな夏は訪れそうもない。
坪庭は手軽に高山植物が観察できそうなので夏に行ってみようかと思っていたが、もう少し静かなところを探したほうがよさそうだ。

ピラタスロープウェー片道900円(大人)

(記: 掛川義孝)

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