2018 春山 明神岳東稜

 

日時:2018年5月5日(土)-6日(日)
山域:北アルプス南部
参加者:久世(L)・松林・西本
行程:
1日目:沢渡(6:30)-明神(8:00)-宮川のコル(9:40)-(11:00)ひょうたん池(12:00)-第一階段(13:00)-幕営地(17:00)
2日目:幕営地(6:00)-バットレス下(6:40)-バットレス取付(7:00)-頂上(8:40)-奥明神沢のコル(10:00)-(11:30)岳沢小屋(12:00)-上高地(14:00)

 

 

私事ですが、昨年の11月に足の肉離れをおこし、その後のザイル祭の時のハイキングで再び悪化させてしまい、1月はお休み。

2月に何とか頑張って東京マラソンには出場出来たのも束の間で、3月はゴルフで腰痛を再発してしまい、3-4月はまたもお休み。これも日頃の悪行の報いであると観念するしかありません。さすがにGWは何とか山に行きたいと思い、松林さんと若い西本君と明神東稜に行くことが出来ました。
ただ諸々あって2日間での山行だったので、穂高の頂を踏むことはできませんでした。

 

 

 

前夜、調布で松林さんにピックアップしてもらい、一路西本君のいる沢渡を目指す。
東京は長袖Tシャツ一枚にサンダルでも、ちょうど良いくらいだったが、沢渡に着いたらとても寒い。それもそのはず、前夜は上高地でも雪が降ったらしく、しかも涸沢では結構積もったとの事であり、道理で寒いはずである。西本君は暖房のある公衆トイレの中で、ずっと待っていたとの事で、悪いことをしてしまった。

 

朝、ちょっと雨が降ったので、少々出発が遅れ、6時半沢渡を出発。タクシーで上高地まで入り、7時には上高地を出発する。明神で横尾方面の林道から外れ、明神池傍の養魚場跡から、ひょうたん池までの踏み跡をたどることになる。判りやすい踏み跡を辿り、上宮川沢を登ることしばらくで、9時40分宮川のコルに這い上がる。

 

雪化粧された宮川のコルの少し先に、4~5人の先行者がいた。かなり軽装なので日帰りアタックかなと思い、聞いてみると長野県警との事、何だろう?
ただ軽装の上、日頃から鍛えておられる県警の方の馬力は凄くて、宮川のコルからひょうたん池までラッセルして頂くことになった。11時にひょうたん池に着くと、東稜にて事故があった事を教えてくれ、ヘリコプターがこれから飛来して、救助活動を行うので、しばらくひょうたん池にて留まる様、依頼される。

 

指示通り、ひょうたん池で大休止、前夜の天幕跡も2か所ある。そのうちヘリがやって来たが、思ったより風が強いのか苦戦している。結局、数回収容を試みたが引き揚げてしまった。一時間以上留まったが、我々も出発することにする。しばらく登ると第一階段と呼ばれるところに突き当たる。一昨日の雪が不安定にのっていて少々悪いので、ここからロープを出して登ることにする。出だしの部分が少し悪いが、その他はそうでもない、しかしながら落ちれば致命的な場所なので、そのあと3ピッチほど、ロープを延ばす。

 

 

途中で負傷した人を下すのとすれ違う。見た目ではちょっと負傷云々が判り辛い感じだった・・・。ロープを外すが、そこから先はラッセルとなる。吹き溜まりでは胸までの雪があり、思ったより時間がかかってしまった。ラクダのコル手前で幕営として、本日の行動を終了する。
実は昨年GWの小窓尾根も入山初日にヘリコプターが飛来して、負傷者をピックアップする現場を間近に見ており、さすがに2年連続で、そのような場面に遭遇するとは、さすがに嫌な感じである。少し風が強いが、問題なく夜を過ごす。

 

 

翌朝6時出発。6時40分にバットレス下の岩場に着く、ここからロープを出して1ピッチ登ると、バットレスの取り付きである。7時バットレスを登攀開始、一歩スタンスの乏しいところがあるが、登攀は1ピッチのみ、上部の雪壁部分で更に2ピッチロープを延ばすと、本当に少しの登りで8時40分、明神岳の頂上に着いた。
頂上でのんびりしていると、明神岳2峰に数パーティがやって来た。結構、主峰縦走もいるのだと感心しました。

 

 

下山は前穂高岳との間の奥明神沢のコルから、奥明神沢を岳沢まで下ることとする。奥明神沢のコルの手前で、一回懸垂下降をしてコルまで下りると、後から数パーティがやって来た。思いのほか、賑やかなコルから、奥明神沢を下るが、最初は傾斜も強く、後ろ向きでの下降となる。なんだかんだと結構下まで、急な傾斜だったが、沢の中は雪が繋がっていて助かりました。
11時半に岳沢小屋に着き、アイゼンを外すと、夏道をのんびり歩いて、相変わらず観光客の多い、春の日差しが眩しい上高地まで下りました。
(記:久世)

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