八ヶ岳 阿弥陀北稜・中山尾根・小同心クラック

日時:2019年1月12日(土)–14日(日)
山域:八ヶ岳
参加者:国府谷(L)・五十島・西本・斉木
行程:
1日目:美濃戸口–赤岳鉱泉(10:00)

–阿弥陀北稜取付き(11:30)–阿弥陀岳山頂(13:30)–赤岳鉱泉(14:40)c1
2日目:赤岳鉱泉(5:20)–中山尾根下部岩壁取り付き(6:40)

–終了点(13:06)–赤岳鉱泉(14:30)c2
3日目:赤岳鉱泉–小同心クラック取り付き(7:30)

–終了点(9:30)–赤岳鉱泉–美濃戸口(14:30)

 

 

 

はじめに

 

 

この山行のきっかけは、こうやさんに連れていってもらった北岳池山吊尾根で斉木さんとご一緒したときだった。いつか二人でアルパインやろう。どちらの口からかそんな話が出た。しかし、まさかその二週間後にザイルを結ぶことになるとは…。斉木さんの行動力には驚かされます。

山行が決まってからというものの、若干、というかかなり緊張したのは覚えている。何せアルパインでの初めてのリードだ。こうやさんからは、「西本くんと斉木さんなら、今回のルートはフツーにやってればまず落ちないよ」と言われたものの、不安が募りに募っていた。

 

 

さすがに真剣にやらないとこれはマズイ。そう思いアプローチやルート、下降はできる限り念入りに調べた。大学の講義中にノートに概要を殴り書きし、必死に頭に叩き込んだ。また、付け焼き刃ではあるが、クライミングジムではなるべくスラブと垂壁を集中して登りこみ、山行に臨んだ。

 

 

 

1日目 阿弥陀岳北稜

 

 

赤岳鉱泉にベースキャンプを張り、興奮と緊張のなかサブザックに荷物をつめる。こうやさんと五十島さんたちに「行ってきます!」と告げ出発。中岳沢からの支尾根の取り付きで少し迷ったが、何処から取りついてもなんとかなるようだ。ジャンクションピークに着いたのが11時半。

そこから40-50°くらいの草つきの岩稜帯を120mほどいき、第一岩峰につく。ここからロープを出し、登攀開始。

1p:左から右上に岩峰を少し巻き気味に登り、バンドを右上、後半は草つきの雪壁となり、そこまで難しくはない。上のピナクルでビレー。

2p:6mくらいのガバが豊富な壁を登り、ナイフエッジを歩く。木の根っこでピッチを切る。10分ほど歩くと山頂。

 

 

 

2日目 中山尾根

 

 

この日は最も行程が長く、今回一番難しいIV+のピッチがあった。国府谷さんと五十島さんに後ろから着いてきてもらうことになった。

赤岳鉱泉から一時間半ほどで下部岩壁に着く。

 

 

 

1p:フェースを右上し、途中から左上する凹角に入る。下部のフェースでかなり悪戦苦闘し、グラウンドフォールするかも…と焦ったが、何とか上まで抜ける。

2p:左の短いスラブを登り、易しい草付。

3p~5p:灌木帯。念のためロープをスタカットで出すが、時間を浪費した。

 

 

 

6p:上部岩壁。今回の核心。フェース~スラブを左上~薄かぶりのチムニー。手のひらや肩、足を突っ張りに突っ張り、チムニーを突破したときは思わずガッツポーズが出た。チムニーって最高だな~。

 

 

 

7p:易しい雪稜。

8p:フェースをトラバース~草付を直上~ガバの多いフェース。ライン取りが若干分かりにくい。

9p:バンドをトラバースし一般登山道に合流。

 

 

登山道に合流すると、二人ともクタクタになって座り込んだ。赤岳鉱泉に帰って、貪るように国府谷さんの作ってくれた鍋をいただき、ぐっすり眠る。

 

 

 

 

三日目 小同心クラック

 

 

最終日。朝起きると疲労は残っているものの、まだ登れそうだ。

大同心稜を登り、大同心基部から小同心までトラバース。割りと危ないので、コンディション次第ではロープを出した方がいい。取り付きで少し迷う。

 

 

1p目:フェースを左上~チムニー~左のテラスでビレー。ホールドは豊富。

2p目:斉木さんがリード。チムニー~レッジ~凹角を左上する。

3p目:雪稜に出て終了。

 

 

 

自分としてはしっかりと下調べをして臨んだ山行だった。それでも、本番では、山行中にライン取りに自信を持てなかったり、取り付きで少し迷ったりと反省点を挙げるとキリがない。しかし、全体的に考えると、自分にしてはそれなりに準備段階で努力ができたと感じている。

 

 

これまでは連れていっていただくばかりで、その中で自分はお客様気分が抜けきっていなかった。その結果いい加減さが露呈していたと思う。

 

 

だが、今回は自分自身が一応リーダーを務めた。自分とパートナーに責任をもって山に臨まざるを得なかった。リーダーとして、ルートを調べ、選び、山行を組み立てて行くという基本的なことはもちろん、それ以上に多くのことを体験し、学びとることができた山行だった。

できれば今後もたまには、斉木さんとパートナーを組ませていただければ嬉しい。熱意に満ち溢れている斉木さんがほぼ同期にいるというのは、大変幸運なことだ。

今回のバリエーションは、僕のターニングポイントになった山だと言えそうだ。山は本当に面白い。その事にまた気づかされてしまった。まだまだ登りつづけたい。

 

(記:西本)

 

 

 

 

 

 

  • 年一の八ヶ岳

日程:2019年1月12日(土)-14日(月)

山域:八ヶ岳 赤岳鉱泉BC

参加者:国府谷 五十島 西本 齋木

 

ぜんぜん寒くなく雪もない冬ですが、八ヶ岳には行くことになるものですね。

体力作りにはもってこい。メンバはワタシ以外は若モノばかり。

11日の夜に小淵沢まで。いつもの場所で仮眠させていただく。

12日朝に美濃戸口まで移動。鉱泉まで歩く。

器材の分担は大幅に免除させていただきなんとかついて歩きます。

鉱泉にてジャンボエスパースを設営。いい場所を確保できました。

予定通り、西本・齋木ペアで阿弥陀岳北稜、五十島・ワタシペアで峰ノ松目沢へ向かう。

沢は下部は氷床が出ていて綺麗だが、最後のF8?はイマイチの結氷だった。

人気ルートで人がたくさんいました。

 

 

 

13日は皆で中山尾根。

何故か順番待ちもなくおおむね順調に登って15時ころには鉱泉着。

寒いことは寒いが例年ほどではない感じだ。

 

 

14日は小同心クラック。

五十島先生と私は大同心大滝を登ってから追いかける感じ。

今日も順番待ちすることもなく終了。

今どきのひとは冬壁はじめてなのに上手ですね。

美濃戸口の駐車場に戻り、道の駅で入浴して食事をしようとしたらまだ16時の開店前だったので少し待ってから頂ました。

(記:国府谷)

北岳バットレス第4尾根主稜②

 

 

 

当初の予定では年末年始山行は劔岳の小窓尾根の計画だった。期待とともに心に湧き上がる悪いイメージと格闘しつつ少しずつ準備を進めていると、年末にかけて大寒波の予報。諸々検討するもかなり厳しそうという結論に達する。7割方は残念な気持ちなのだが、3割程どこかホッとしてしまっている自分がいた。ホッとしてしまう気持ちがある時点で自分はまだ冬劔に行くべきではなかったのかもと思いつつ転戦先を北岳バットレスに求める。

 

北岳バットレス。

実は個人的に思い入れのある場所なのです。

 

以前、鵬翔に入る前に一人で山歩きをしていた頃、白根御池小屋のキャンプ場でバットレスに登る人達と出会ったことがとても印象に残っている。当時はバットレスを登るなんて考えは微塵もなく、ましてやそんなところ自分が登れるなんて考えてもいなかった。

 

そんな中、キャンプサイトで出会ったおばちゃんに言われた。

「あなたは明日どこに行くの?・・・そう一般ルートで白峰三山縦走。私は明日バットレスで岩登りよ。あなたもそのうち良いお仲間が見つかるといいわね。」

大きなお世話だ。当時の自分は1人で山歩きすることに満足していたのでそう思うしかなかった。それと同時に何か心に引っかかるものを残された。

また、隣のテントの同年代の若者(当時はそれなりに自分も若者だった・・・)二人組がその日バットレスを登ってきたらしく、大きな声で感想を話し合っていた。とても楽しそうに。

うるさい。もう少し小さな声で話してくれ。そう思う一方どこか羨ましくその話し声を聞いていた。

それ以来、北岳バットレス、そして単なる山歩きではない登攀は私の中でどこか一つの憧れみたいなものになっていった。

 

その後、鵬翔に入り1年目の冬に鋸岳に連れて行ってもらった際の丹渓山荘跡での会話をよく覚えている。国分谷さんに今後どこか行きたいところはあるのかと聞かれてバットレスに行ってみたいと答えた。国分谷さんは覚えていないだろうけどその回答にやられてしまった。

 

「バットレスか〜。冬はアプローチ長いんだよな〜。」

 

私の中では当然夏を想定していたのだが、帰ってきた返答はあっさりと冬を想定したものだった。北岳バットレスに冬に登るなんてことは考えも及ばなかった当時の私は、当たり前のように冬を想定して帰ってきた返答に驚いたとともに、当たり前のようにそういう登山をしている先輩がいることがとても嬉しかった。

 

そして去年の秋に念願だった四尾根を登った。困難はさほど感じなかったがやっと登れたと、とても充実した気持ちになれた山行であった。

そして今回とうとう冬のバットレスである。五十島君には言わなかったが、一人密かにふつふつと昂ぶっていた。

 

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが以下、個人的心象が大部分を占める記録です。

詳細な行程は五十島君の記録が正確なのでそちらをご参照下さいませ。

 

 

12/29(1日目) 快晴

 

この日はゆっくりと朝に錦糸町出発。

天気予報では風が弱まるのは31日。31日に四尾根アッタクを予定していたので急いだところで仕方ない。これまたゆっくりと安定のガストさんで朝食。

夜叉神峠には結構な数の車が止まっており、こんなに人が入っているのかとびっくりした。

前日に寝付けず遅くまで一人飲んでいた影響かわからないが、どうも調子が上がらない。そして歩きでの長いトンネルの通過はどうも不気味で好きになれない。この日は歩き沢橋までなので行程が短く助かった。

 

12/30(2日目) 快晴

 

2日目は池山吊尾根をひたすら登る。

標高2000m付近の池山御池小屋手前くらいまではほとんど雪もなかった。

結構人が入っている。車が多かったのも納得だ。

単独行者も多く、以前一人で山歩きをしていた頃の自分を何となく思い出す。もっともその頃の自分には厳冬期の北岳に一人で行く力も根性もなかったけれど。

砂払いの手前、標高2600m付近の森林限界ギリギリを幕場とした。

13時前には着き時間もあったので簡単なイグルーもどきを作り快適なベースを作成。

しっかりと衣服を乾かすもこの日の夜は寒かった。

 

 

 

 

 

12/31(3日目)大晦日 快晴

 

いよいよアタック当日。

八本歯のコルからのトラバースを開始する頃に日が出てくるようにと5時頃出発。

ボーコン沢ノ頭まで登ると夜明け前の星明かりの下に北岳がドカンと鎮座している。

期待と緊張と美しさと。なんとも言えない気持ちになる。

 

 

八本歯のコルから下降。トレースはなくここ数日入っているパーティーはないようだった。最初のリッジからの下降が急で1箇所だけ懸垂。その後は雪も結構ついており場所によっては腿あたりまで潜る。沢沿いにはところどころ雪の破断面も見えている。ここ最近は積雪がないのでもう雪は落ち着いているとは思うものの精神的によろしくはない。ラッセルしつつのトラバースをこなし下部岸壁に到着。ここからbガリーに回り込みcガリーをトラバースして四尾根取り付きに向かう。

 

ここも場所によっては腿程度のラッセルになる。しかも第二尾根と第三尾根を越えていかなければならないらしい。四尾根は結構遠くに見えている。cガリーから直接上がれなかったのかとか色々考えてしまうがここは辛抱。雪面をラッセルし取り付きに向かう。秋にはロープを出したヒドゥンガリーも雪がついているのでフリーでサクサク登れ、9:30頃第四尾根取り付きに。想定より時間がかかってしまったが、まあなんとかなる時間だろう。

 

秋にはいやらしかった出だしのクラックも雪がついておりフリーで突破。クラック上部からロープを出す。出だしはベルグラの上にうっすら雪が乗っているだけのように見えて悪そうだけど、そこさえ越えてしまえばそれなりに雪がついているようにも見える。

 

1P。五十島君リードでスタート。出だしは悪そうだったけどそれ以降はやはりそれなりに雪がついている様子。ただやはり所々雪が安定しないようで慎重に。無雪期には豊富にある残置ピトンもほとんど埋まっており使えない。

 

2P。雪壁と所々草付き。難しくはないもののやはりランニングが取れずにランナウトするので気は抜けない。

 

3P。数メートルだがホールドの乏しいスラブが嫌らしい。無雪期もそれなりに大変だった記憶がある。ここは五十島君がランニングを固めて突破。そのままマッチ箱までロープを伸ばす。懸垂支点を雪の下から掘り出さなくてはならない。私のいるビレイ点はちょうど太陽が向かいの尾根に隠れて日陰になり寒くなりそうだ。早く支点見つけてくれ〜と祈っていたら思っていたよりすんなりと掘り当ててくれた。早かったねと聞くと、なんでも無駄のない下降ラインを考えれば支点の場所も検討が着くとのこと。さすがっす。

 

4P。枯れ木テラスに向けての雪壁登攀。右のリッジ寄りを登る。上部の雪の付き方が不安定で、ホールドの乏しいベルグラの緩傾斜に雪がうっすらと乗っている感じでアイゼンもアックスもなかなか決まらない。両手両足どこにも力を込めずにそっとそっと上がっていく。

 

5P。枯れ木テラスから城塞ハング下までトラバース。無雪期はなんでもないトラバースだったが、中途半端に雪がついたトラバースはかなり怖そう。おまけに残置ピトンが雪に埋まってなかなか見つからない。五十島君が慎重に馬乗りになりながら突破。ここフォローで良かった。寒いから早く行ってくれなんて内心思っててごめんなさい。

 

6P。城塞ハング。チムニー内はほぼドライで無雪期と同じ状態。一段上がったところで岩角にかけていたアックスがすっぽ抜けてしまいドカ落ちしてしまった。1ピンめクリップした後でよかった。残置ピトン抜けなくてよかった。下に雪積もっててよかった。反省しつつもどこか開き直れた。荷物を五十島君に預け空身で行かせてもらう。ジリジリと登る。チムニーを抜けて終わりかと思ったら、上部は雪がついて秋より嫌らしかった。なんとかフリーで突破。上部雪田にロープを伸ばしハイマツを掘り出してビレー。

 

ここでロープを解き、後は雪田を登っていくだけ。だけとは言えこれが大変。それなりに時間かかりそうだと覚悟を決めていたら、ここから五十島君がスパートをかける。怒涛のラッセル。追いついたら交代しようと思って後を追うけど追いつかない。感動しちゃった。

最後雪壁を乗り越え稜線に出る。この時点で16時。結構かかった。

頂上はすぐそこ。だけど2人顔を見合わせそのまま下降開始。

へろっへろのヨボヨボになりながら下ること1時間。なんとかヘッデンを出さずにテントについて2人登攀の成功を喜び合う。テントに入ってからもしばらくは何にもする気が起きなかったけれど、胸の内は充実感で満ち満ちていた。

 

 

1/1(4日目)元旦 快晴

 

この日は下るだけ。

出発前には、ありがたい初富士の横から昇るこれまたありがたい初日の出を拝まさせていただく。新年早々ありがたい気持ちで満たされた後は、肉食いたいという食欲に満たされて一気に夜叉神峠まで下る。

 

今回大晦日にバットレスを登れてとても良い1年の締めくくりを迎えることが出来ました。

以前から思い入れのあったバットレスに厳冬期に登れたことは非常に感慨深ものがあります。

強いパートナー五十島君に感謝です。

2019年も登りたい場所は色々とあるので精進していきたいと思います。

(記:林)

 

黄蓮谷右俣

 

日時:2018年12月22日(土)~24日(月)

参加者:坂田(L)、魚瀬、林

行程:22日(土) 竹宇駒ヶ岳神社(6:30)-黒戸尾根五合目小屋跡(12:30)-黄蓮谷千丈ノ滝上(15:30)-幕営

23日(日) 幕場(7:00)-坊主の滝(7:30)-二俣(9:00)-甲斐駒ケ岳頂上(14:50)-2700m付近にて幕営(15:30)

24日(月) 幕場(7:00)-竹宇駒ヶ岳神社(11:30)

 

 

 

12月末の三連休を利用してクラシックアイスルートの黄蓮谷へ。

天気はイマイチの予報だったが、先週末は結氷状態が良かったとの情報もあり期待を胸に竹宇駒ヶ岳神社に前夜向かう。

 

 

 

22日(土)  雨の黒戸尾根

竹宇駒ヶ岳神社の駐車場を出発するタイミングでポツポツと雨が降り出す。

黒戸尾根に取り付くがしばらくは雪が全くなく、今年の暖冬を再確認する。

しばらく行くが雨脚は強くなってる。まさか雨が降るとは思っていなかったのでザックカバーなんて持ってきていない。でも雨になるくらいだから気温も高く多少濡れても寒くない。

ゆっくりと黒戸尾根を登って行き昼過ぎに五合目小屋跡に到着。さすがにここまでくると雪もそれなりに出てきた。

 

 

 

出だしこそ赤布があったものの黄蓮谷への下降路がわかりずらく手間取りながらも、坂田さんの巧みなルーファイで千丈ノ滝の上へ出る。

 

谷に降りてみると勢いよく水が流れている。。。

 

ゼンゼン凍ってないじゃん。

週半ばの暖かさで氷が溶けてしまったようだ。

これはダメだ。この状態では登れないだろうなということで、明日の撤退の相談をしながら本日は終了。

 

 

 

23日(日)

撤退の予定だったのでのんびりと寝ているとテントの横を数パーティーが通り過ぎて行った。

しばらくすれば諦めて戻ってくるだろうとのんびり構えているも戻ってくる様子がない。

朝食を終え、坊主の滝を一目拝んでから往路を戻ろうと出発。

 

 

 

気持ちは完全に撤退だったのだけれど、坊主の滝に着くと先行パーティーがすでに取り付いている。滝の真ん中は穴が空いて水が流れているがラインを選べば登れそう。何より他のパーティーが取り付いているのに私たちだけが撤退というわけにはいかない。とりあえず行ってみようということに決定。

 

 

 

滝の左が一番氷が安定していそうだったので、左のラインから取り付く。
ほんの一部傾斜が強いが快適に2ピッチで坊主の滝を登る。
しばらく行くと二俣。左俣はまた次回。
坊主の滝より上は思ったよりしっかり結氷していたように思う。しかし雪もそれなりに付いておりナメ滝は多くが雪の下埋もれてしまっていた。ただ先行パーティーのトレースがあったのでだいぶ楽をさせていただく。

 

 

昨日の雨とはうって変わり雪降る中谷を詰めて行く。雪に埋もれてしまっており奥千丈ノ滝もどこなのか良くわからなかった。上部で7~8mくらいの滑滝があり巻くことも出来たのだけれど、アイスらしいことを坊主の滝でしかしていなかったので、ロープを出して1ピッチ登る。これが奥千丈ノ滝の一部だったのかしら?
最後に頂上直下の歩きにくいハイマツ帯を抜けて、15時前に山頂に着いた。

 

 

右俣は長い長いと散々聞いていたので、思ったよりすんなりと抜けられた気がした。
当初は2日で終わらせる予定だったが、撤退のつもりで朝の出発も遅くなってしまったので、この日は2700m付近で幕営。
汗と雪で全身びしょびしょになりこの日は寒い夜を迎える。シュラフに入っても寒くてなかなか寝付けない。時折、坂田さんと魚瀬君も、もぞもぞとしているのがわかり2人も寒いんだと思うとなんとなく嬉しくなる。

 

 

 

24日(月)
黒戸尾根はやっぱり長い。
この日はとにかく下るだけ。
長い黒戸尾根をひたすら下り昼前には竹宇駒ヶ岳神社の駐車場に到着。

 

 

今回の右俣は、上部は雪がついておりほとんどアイスのパートはなかった。
先行パーティーのトレースがなかったらラッセルで結構苦労させられたのではないかと思う。
コンディションにもよるのだろうけれど、アイスの難しさというよりも長いルートで荷物も担いで行くとなるとある程度体力勝負なのでしょうか。あとは五合目からの下降路がわかりづらいです。

 

 

次回は左俣でしょうか。
他にもこの辺りには面白そうなアイスが何本かあるみたいなので、黒戸尾根との折り合いをつけてまた行きましょう。

(記:林)

北岳バットレス第4尾根主稜

 

日時:2018年12月29日(土)-2019年1月1日(火)
山域:南アルプス
参加者:五十島(L)・林
行程:
1日目:夜叉神-あるき沢橋C1
2日目:C1-池山吊尾根-砂払手前(2640m付近)C2
3日目:C2(5:00)-八本歯のコル-トラバース地点(6:30)-Bガリー(8:30)-第4尾根(9:40)-城塞ハング下(13:40)-北岳稜線(16:00)-C2(17:20)
4日目:C2(7:00)-池山吊尾根-夜叉神(11:50)

 

1日目:
年末年始にかけて大型寒波の予報があり、数年に1度、とか警報級、などなど目眩するような話を突きつけられた私達の出した答えは、、、転戦。
自分の実力を考えれば冬剱デビュー戦にはあまりにも厳しいコンディションが予想されたのです。

そうはいってもせっかく用意した年末年始の日数を無駄にする事はできず、最後まで悩んだのち冬型が続く状況でもクライミングができそうな北岳バットレスに転戦先を決定。
唯一好天が望めそうな31日を登攀日として甲府市内のガストでゆっくり朝食後、初日は夜叉神からあるき沢橋まで。

 

 

2日目:
砂払手前森林限界ギリギリにベースを設営。
丁寧な整地とブロックの積み上げ、それから翌日の水作りに励む。

 

 

 

3日目:
早起きしたもののバットレス基部へのトラバースが不安だったので5:00出発。
八本歯のコル二俣付近からDガリー方面にトラバース。リッジは初めの2本が悪く1本目で25m懸垂した。

 

 

1週間ほどは積雪していないはずだったがアプローチは上部からの落雪が多く締まりがない雪質で部分的に腰くらいのラッセル。
Bガリーをフリーで越えて更に上部で腰位のラッセル。Cガリーから目印になる草付きを避けるように4尾根取付きまで。

 

 

微かな記憶で横断バンドがあったはずの場所は雪で埋まっていたので確かに悪そうだ。Dガリーより手間はかかるが遠回りして正解?

 

1p

2p

 

1P:五 下部クラックは埋まっていて上部雪田から。見た目にしっかり着雪していても蹴り込むとガリガリと心臓に悪い。
以後殆どのピッチはこの緩い雪とベルグラとの戦いになった。
2P:林 同じような雪壁をたまに掘り出しながら。それなりにランナウトするのでリードは緊張する。
3P:五 トポ上の4Pと繋げて。出だしはランニングを残置でかためまくり(先人に感謝)なんとかフリーで。マッチ箱のアンカーを掘り出して下降。
(初見は側面に降りると思うができればリッジを上部側に下降が早い?)
4P:林 同じくメンタル系の雪面。
5P:五 残置を掘って掘って馬乗りで突破。怖い。城塞ハング下アンカーは埋まっているよう小さめのカムで作成。

 

マッチ箱

マッチ箱

城塞ハング下

 

 

6P:林 城塞ハング。コンディションはほぼドライ+ベルグラ。林さんに譲ってよかったかもしれない。苦労していたが空荷で無事フリー突破。フォローもガン見してフリーで抜けた。核心パートを越えてから20mほど上部の雪田でハイマツ掘り出してビレイ。

 

 

 

時間も押していたので気合を入れ直して稜線までラッセル。30分ほどで稜線に出た。
とりあえず山頂を踏んで、、、とはならず足早にテントまで。
気持ちショートカットもお陰もありなんとかヘッデンは出さずに帰還。
山行中1番冷えた夜はあっと言う間だった。

 

 

 

トポか何かで北岳は独立峰だという趣旨を書いてましたが、少しわかりました。
2度来て山頂を知らないので夏にまたどなたか~。
(記:五十島)

 

足尾ウメコバ沢中央岩峰 チコちゃんルート

日時:2018年11月23日(金)
山域:日光足尾
参加者:五十島(L)・林
行程:銅親水公園(6:20)-ウメコバ沢出合(8:00)-チコちゃんルート(9:20)-岩峰の頭(16:00)-銅親水公園(18:00)

 

 

そろそろ冬支度を初めなくては、というわけでアイゼントレにいってきました。

足尾入門編とあるチコちゃんルートに取り付き。
登りだしから想像以上に悪く難しい。なにより脆さにビビって体があがらない。
1P目はリッジにあがるラインを読み違えたりして1時間近くかかってしまった。
フォローであがってきた林さんのザックには2人分のフラットソールが入っているのですが、ここは我慢してとりあえず行けるところまでアイゼンでやってみる事に。
2P,3P:リッジ登り、簡単だがロープドラッグに注意してランニングを取りたい。

 

 

 

4P:本来核心になるはずのピッチ、林さんのルーファイによって右から簡単に巻けてしまった。
5P:核心と勘違いして気合を入れたⅣ級。ワンポイント難しい所で残置に勇気を貰ってなんとか突破。

6P,7P:クライミングシューズをはきました。伸ばせる所を切ってしまい1P余分に。

下降はフィックスを辿って尾根の反対側に1P懸垂。メンタルを鍛え直してまたきたいです。

(記:五十島)

 

 

錫杖岳 左方カンテ・見張り塔からずっと(敗退)

日時:2018年8月13日(月)-15日(水)
山域:北アルプス
参加者:五十島(L)・西本
行程:
1日目:笠ヶ岳登山口-錫杖沢出合-幕営
2日目:BC(4:30)-錫杖沢-左方カンテ取付(6:00)-終了点(10:00)-錫杖沢(12:00)-1ルンゼ-BC
3日目:BC(3:20)-(4:10)見張り塔からずっと取付(4:40)-3P終了点から下降-BC-下山

 

 

 

西本さんと錫杖に行ってきました。条件悪くあまり登れなかったので簡単に報告です。

 

 

1日目:
前夜発の夜行バスで中尾高原まで。登山道がビショビショに濡れているので期待はせずに錫杖沢まで。
錫杖沢出合は貸切だった。これでもかというほど昼寝をしていたら夕立が降ってきて少し不安になる。
テン場はドコモよりAUの電波が強いみたいです。

 

 

 

2日目:
天気良さそうなので4:30出発して左方カンテから。
岩硬い上にアンカーが綺麗なので安心できる。

7P出だしにペツルボルトが打ってあり、ランニング取れそうにもなかったので素直にクリップした。
この日も前衛壁貸切。山頂で休憩して注文側から下降した。

 

 

 

下降で登り返しがあったりして2本目は時間切れに。1ルンゼを1ピッチ登ってから下降してテン場におりた。
夕飯を作っていると雷が鳴り出してすぐに雨が降ってきた。時間が立ってもやまないどころか強くなる一方でため息ばかり。

 

 

 

 

 

3日目:
岩の状態は半信半疑だったが今日中の下山から逆算して驚異の2:30起き。錫杖沢をアプローチして4時過ぎには取付きについてしまったが暗すぎて自信がなかったのでうっすら明るくなってから見張り塔登攀開始。
1P,2Pを繋げて(かなりギリギリ)日が出てきた所で3P目、、、遠くからでもわかるシズル感。
終了点に着く頃には手足ビショビショになり自分でも驚く位気持ちが萎えてしまった。

 

 

いちおう次も試してみたが何mか進んだ所で残置のハーケンから水が流れ落ちているのが見えて諦めがついた。
こちらもアンカーは比較的しっかりしているので敗退が楽でいいですね(悲)。
今回は残念ですが錫杖いいとこです。また行きましょう!
(記:五十島)

滝谷 ドーム中央稜

 


日程:2018年7月14日(土)-15日(日)
山域:北アルプス南部
参加者:五十島(L)・坂田
行程:

1日目:上高地-横尾-涸沢-北穂南稜のテン場-幕営
2日目:BC(4:10)-滝谷ドーム下降点(4:30)-中央稜取付(5:30)-ドームの頭(8:30)-西壁取付(10:30)-雲表ルート-ドームの頭-BC(12:20)-上高地(18:40)

 

せっかくなので三連休にしか登れない所を、という事で滝谷に行ってきました。
行程としては少し詰め込み過ぎたかな?とも思ったのですが、仕事のため予備日は使えない坂田さんと意見が一致。
ドーム中央稜から西壁ニューウェーブを継続する計画を立てて準備しました。

 

 

1日目:
日本列島を襲った記録的猛暑は上高地まで影響していて、今日の長い行程を考えると気持ちが重くなる。
本当にいろいろな事を考えながら涸沢に着いたものの、BCをここに張る合理的な言い訳が見つからず2人で6Lの水を汲んで先を歩いた。
南稜は遠い事を除けば凄くいいテン場だった。

 

 

2日目:
継続の成功には取付きのオンサイトと渋滞回避が必要と考えていたので、2日目はできるだけ早い時間に出て人気の中央稜を1本目に登攀、順調にトップアウトできれば上手くいく目論見だった。
とはいっても暗い中では自信がないので4時過ぎ出発。ドーム取付きはトラバースの開始点を見つける事ができれば明瞭な踏み跡を辿って下降できる。
懸垂は25mギリギリなので折り返すならセンターマークのあるロープだと安心。

 

アプローチ

アプローチ

取付きから1P目

中央稜取付き(5:30)顕著なコーナークラックから登攀開始。過去の記録にあるようにザックを背負っていると苦労する。
全体を通してランニングは残置がそこそこあるものの、アンカーはカムで補強して使う事が多かった。
最終ピッチはトポにある通り右にトラバースした後直上と考えていたら、リッジまで出てしまった。
どこからでも登れるような状態だったが、逸れると途端に脆くなるので慎重に選びたいです。

 

 

ドームの頭に(8:30)着。撤収の時間を考えてもまだ間に合いそうではあったので、荷物を最低限に減らして西壁を探した。
しかし肝心の下降点が全く見つからない。時間を考えると悠長に探している余裕はなく、懸垂用には少し違和感がある位置のハーケン2枚にカムで補強してC沢から合流するバンドまで下降した。西壁と思しき取付きに出たものの今度はペツルボルトがどこにも見えない。。。

 

今日中に上高地を降りるには2時間ほどで抜けなくては行けないので、ニューウェーブどころではなくなってしまった。
仕方なく一番ラインが直線的と思われる所を登ることにした(後で確認すると上半部は恐らく雲表ルートを登っていたようです)。

取付きから4Pでトップアウト。時間は12時すぎ。諦めるには中途半端な時間だったので急いでテン場を出た。
上高地までの下山は長い1日の最後には持て余すほど続き、延々と下る道であんなにも汗をかいたのは初めてかもしれない。。。

 

 

思いがけず充実した山行になってしまいましたが、会と関わりのあるルートに訪れる事ができて嬉しいです。
長時間お疲れ様でした。次回はもう少しマシなレトルトをお持ちします。
(記:五十島)

谷川岳 一ノ倉沢一ノ沢左方ルンゼ

日時:2018年3月3日(土)
山域:谷川連峰
参加者:国府谷(L)・五十島
行程:登山指導センター(3:50)-一ノ倉沢出合(5:00)-左方ルンゼ取付(6:30)-F5上(9:30)-東尾根(13:30)-オキの耳(14:20)-登山指導センター(16:00)

 

 

前日から5度は上がるらしい気温に恐々としながら一ノ倉に行ってきました。

 

4:00頃谷川岳指導センター発で出合に着くと既にテールリッジを目指すヘッデンが見えた。
スネぐらいの乾雪で敗退感が拭えなかったが、一ノ沢に分岐する頃にはだいぶ締まってきてなんとかなるという判断に。

 

 

取付きで先行PTを少し待って登攀開始。最初下のルンゼに入ろうとしたがそれは中間稜だったようで、左方ルンゼは発達していれば取付きからちゃんと氷でした。

 

1P目国府谷さんリードからつるべでF4までスタカット。上部は雪壁をコンテで100mチョックストーンの下まで。
ここでやっと、今年すごく雪が多いことに気がついた。滝は随分埋まってしまったものの核心部リードはやはり思い切りが必要な感じに見えた。

 

 

雪壁を詰める辺りで先行のPTに譲って頂いて、先を急ぐ。
明らかに緩んできてペースがあがらず、東尾根まで随分時間がかかってしまった。モノポイントが雪を切る感触に後悔しながらほぼほぼスタカット登攀になった。

 

 

そこからはトレースを使わせてもらい無事山頂まで。
氷は結氷が良いお陰か問題なく、上部でメンタル持ってかれました。
ピッチグレードでは表せない一ノ倉の難しさが少しわかった気がします。
さて…この先へ進むには何時に起きればいいのでしょうか。

(記:五十島)

 

 

八ヶ岳 三叉峰ルンゼと大同心南稜(3P目まで)

日程:2017年12月16日,17日
山域:八ヶ岳
ルート.参加者:①五十島・坂田・魚瀬P:三叉峰ルンゼ~石尊稜~稜線~地蔵尾根~BC
国府谷・中村・雨宮P:大同心南稜(3P目まで)~稜線~硫黄岳~BC

 

アイスキャンディーから〜冬山に突入 
 
曇り、雪

 

金曜の前夜発小淵沢道の駅泊で次の朝赤岳鉱泉へ
6人チームだったのでジャンボエスパースと小エスパースの2張り
4人でジャンボ仕様はかなり余裕があるが夜は寒いこの日はアイスキャンディーで今シーズンのトレーニング
出だしはどなたも一年ぶりでバランスや感覚が取れず苦労していた
何本か登るうちにスムーズに登れてくる。アックスを何種類か試してみたが
私はペルツのクオークが軽くて扱いやすかった。しかし力がないのか下手なのかグッサリ氷にアックスが刺さらず
引っ掛けて登るスタイル。
11時ごろから4時までみっちりやって
膝などうちイタタタ。。。深夜寒くて何度か目がさめる。
 
17日は4時起きで支度し
2つのグループで別々の場所へ。
◎三叉峰ルンゼ~石尊稜~稜線~地蔵尾根~BC
◎大同心南稜(3P目まで)~稜線~硫黄岳~BC
 
大同心南陵を登るべく6時ごろ出発。
軽く雪が舞い寒い。
体がまだ雪山に慣れていないのだ。
 
お天気は悪く、あたりはガスっておまけに風も強い。
2500M越えると岩稜となりアイゼンワークも慎重に一歩一歩。
岩には海老の尻尾が出来上がり白くなっていた。

大同心の基部からバンドを右に回り込み
ビレーポイントを探しながらラインに乗れず
いつの間にか最終ピッチまで迂回して登ってしまった。。。

 

意識の高いリーダーはやり直す?と言ってくれたが
悪天候のため気温も低くガスがかかって視界も悪いのでこのまま直上して稜線に。
視界が悪く風とブリザードの刺激を受けながら
硫黄岳を経て赤岳鉱泉に11時に下山。
 
シーズン初めの良いトレーニングになったが
やはり普段使っていない筋肉疲労が身体にのっこったわね。。。冬のお山は圧倒的な美しさに装飾されていた。
次はどこに〜 

雨宮(記)

魂が歓喜した小窓尾根

日程:2017年5月4日(木)-6日(土)

山域:北アルプス 劔域

参加者:久世(L)、高橋、雨宮、林

行程: 5/4 活動時間活動時間 7時間39分 高低差 1,375m 累積標高上り/下り 1,409m / 34m 

スタート06:37→ゴール14:16  1990m地点幕営
5/5  活動時間活動時間 11時間30分 高低差578m 累積標高上り/下り739m / 206m
スタート 05:07 →小窓ノ王15:20 – 16:26  →三の窓ゴール16:30
5/6 活動時間活動時間 7時間30分 活動距離 17.00km 高低差 2,120m 累積標高上り/下り 3,408m / 1,720m
三の窓スタート05:00→池の谷乗越し5:35 →剣御前小屋 10:16 – 11:10 →

雷鳥沢ヒュッテ 11:52 →雷鳥荘 12:09  →ゴール 12:30 

 

 

4日 晴れ
馬場島750Mから歩き始めると目の前にギザギザした巨大な小窓尾根。これからあの頂きに行くのかと考えるときもちが高揚する。

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記録で読む渡渉は雪の梯子があって高巻きなしで時間節約 。

時折、左の赤谷尾根、右の早月尾根からの雪崩の轟音にビビりながら、
雷岩1159Mからの登りは荷物も含めてきつかったー。

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お天気が良かったため想像以上に汗をかき1Lの水では足りず
1800M付近から足がつり出すが予定地点1660M地点より高度を上げて1990Mピーク地点まで頑張って登った そこは360度の絶景。
昨年歩いた左右に赤谷尾根と早月尾根
これから進む前方には小窓尾根のニードル、ドーム
そして
富山湾に沈む夕日の光のシャワーを全身に浴びエネルーギーチャージ。

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残念だったのは我らのテンバで休憩していたカップルが先に進み
すぐ先のコルで滑落したらしく救助のヘリが狭い谷で3回目のホバリングで救助活動をしていた。
次の朝その地点を通過した時
置きっぱなしなったテントリックがピッケル等でくくられていた。
これを見て虚しさで心がいっぱいになった。

 

ものすごく近くにいても助けの声が聞こえなければ
山ではその先の事故もわからず孤独だ 。
雄大な自然の中でのちっぽけな私たち。

 

この夜はため息しかでなかった。。。。
事故は頭から離れることなく帰って無事を確認しホッとした。

 

5日 晴れ 曇り

 

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昨日の滑落のこともあってコルに下がる時はロープで懸垂
そして登り返しの雪壁も急登であったがトレースもあり蹴り込んでダブルアックスで登る 。
ここから小窓尾根へのウオーミングアップらしい。
急斜面を上がり前方に尖ったニードルが見えて大迫力。
2120Mあたりでもテント設営の後が残っていた。
稜線に出ると朝の空気が爽やかできもちがいい。

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2300M付近で基部を右側に小さく8Mくらい懸垂下降で巻き
草付きの凍った壁をダブルアックスで確認しながら結構なスピードで登りきった。

 

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ドーム山頂2400Mから見る劔尾根の黒い岩綾の逞しさと冷酷さは美しくもあり
なんと猛々しいお姿であろうか!以前久世さんが一人この尾根を制覇 しているので想いは人一倍ではなかろうか。
さすがにいつか行こう!とは思わなかった。こうしてじっくり見られるだけでいい。

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ピラミッドピークの取り付きではリーダ先行の後、ヨチヨチ歩きの私たち2人は
初めてのハンドアッセンダーを使って登高
ロープを張ってくれている安心感で ここは難なく登る 。

 

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馬の背、ロープで安全確保

 

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そこからマッチ箱への登り開始はじめの岩綾でもL久世さんにロープを張って いただく。
出だしの岩場の登りでてこづり、ずり落ちるがハンドアッセンダーのおかげさまで止まる。
ヒヤッとした一瞬でもう一度トライし無事登りきる。
ここが今回の一番の核心であった。

 

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その後、トラバース、雪壁でもロープを出してもらい
安全確保しながらダブルアックスで登るが雪が腐っていて非常に神経を使った。

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誤って壊してしまったサングラスをテーピングで補修している久世さんはクライミング道具をまとった頑丈なサイボーグに見えた

 

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歩いてきた稜線を振り返る

 

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小窓の頭2650Mを越え、 去年の北方稜線に合流した際には一人感動に浸るが
目の前に迫る小窓の王に圧倒された。
え、え、え、え、え、 ここ登るの〜去年ここ登った記憶がなーい。。。。
さすが王の貫禄です、その岩の中へ突っ込むしかないでしょ。

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下に見えるテントは小窓の頭を下ったコル

 

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三ノ窓2660Mへは2回の懸垂とトラバースのロープ。
無事ここまで到着して、整地に力をそそぐ。
そして静かに富山湾に太陽が沈んでいく。
赤線は明日登る池ノ谷ガリー

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50Mの懸垂

 

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3日目  曇り 強風、雨
天気予報は雨確定でしたが3時起床。
幕営地出発の時は雨が降っていなかったので
わずかな望みを持ちながら35分で一気に池ノ谷ガーリーを登り上げる。
去年は50分だったので記録を大幅に更新。
こんな時はなぜかランナーにスイッチがはいっちゃう笑

池の谷乗越に到着した頃には風雨も強くなったので

本峰を踏むのはさっさと諦め長次郎雪渓を一気に下る。
上空でのジェット気流の音が凄まじく逃げろ〜

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長次郎雪渓のデブリを一気に下る

 

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日本三大雪渓劔沢雪渓

 

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しかし、ここからがホントの試練であった! !!
劔沢雪渓の登りで
大きなリーダーもよろけてしまうほどの突風と横なぶりの雨と氷の粒が顔にあったって痛い。
飛ばされないようにピッケルをさしながら低空姿勢。
身体もどんどん濡れちゃって体力が奪われていくのがわかる。
疲労したからといって休憩を取るともっと寒くなって動けなくなってしまうから一歩一歩前に。

 

この雪山の中で雨とは!劔域も一気に春の雪解けと共に高山植物が顔を出すだろう。
雪渓のあちこちにクラックが入っていた。

 

久世さんは、この雨で両サイドからブロック雪崩が発生する可能性を考え
トレースがあってもあえて左右に寄らないルート選択をしてラッセルしてくださった。

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劔沢の小屋の陰で一枚着たもののみんなブルブル震えていた。
 高橋さんはここで着なかったので熱をさらに奪われ体調を悪化させてしまった。
このひと手間で命の別れ際になったりするので考えなくてはいけない。

 

一歩一歩足を上げる中
私は苦しかった富士山の登りを考えていた。
太ももアゲアゲなんとか劔御前小屋までたどり着き、
あったかいココアとストーブで回復?
ここでストーブの前から離れがたいが
リーダーが服が乾くわけでもないしキリがないからと出発時間を決め重い腰を上げる。。。

 

外にでたら余計寒く感じた。。。。忍の一文字と気合だ!気合!
雷鳥平までは一気に駆け下ったものの、ここから室堂への登り返しは噂の牛歩となる 。
ここが一番長くて辛かったなぁ。
足を前に進めるのが皆んなやっとやっと。

 

雨が降っているから観光客は少ないだろうとボロボロな身体で考えていたら甘かった〜
外国人ツアー客の多いことったら。。。
そんな人混みを大きなリックを持ちながら足早にすり抜け扇沢に到着。
大町温泉薬師の湯で汗を流し穏やかな里で緊張の紐をやっと緩め
天空での光景に想いを寄せた。

 

ハッと4時に目が覚めたらテントの中でなく家のベットでいい子で寝ていた笑
私の技量を超える小窓尾根でしたが、
リーダー久世さんのサポートで歓喜しながら登ることができました
残り少ない山人生の大切な思い出となりありがとございました。
一期一会の運命の流れとは不思議。
2015年の5月涸沢にて久世さんにお会いしていなかったら
鵬翔山岳会でこのような魂が震える山行を経験できなかったしょう

 

そして技量も追いついていないので、参加しない方向で考えていましたが
国府谷さんに体力を整えればと励まされ、
小窓尾根に向けて積極的な体力トレーニング、丹沢二回のトレラン、唐松岳、
中村さんとの富士登山を行い、最後の最後まで苦しさの中でも気を持って歩くことができたことは得難い経験となった。
雪山を歩くことはこれらのトレーニングなしでは考えられないこと
忘れないようにしなくては、そして山を目標にもっと強くなろう。
フリークライミングもビレーや道具のことも含めてトレーニングしないとバリエーションを歩けないなどなど他にもたくさんの気付かなきゃいけないことがあったと思う劔山行でした。

 

また五十島スペシャルドリンク(粉飴、BCAA、ポカリ、クエン酸配合)の伝授は
食が細くエネルギーの保持が難しい私の行動食はこのドリンク頼りで随分な効果があった。
共に登ってくれた高橋さん、林さん、こうした仲間に支えられ小窓尾根を経験できたことに感謝。

 

ゴールデンウイークはあっちこっちで雪崩、滑落事故があって
山人を待つ方も心配だったと思います。
ベテランでも雪崩に巻き込まれてしまう春山。
源次郎尾根で亡くなった方に黙祷を捧げます。

雨宮(記)