また来た甲斐駒ヶ岳

日程: 2019年12月20日(金)-22日(日)
山域: 甲斐駒ヶ岳黄連谷右俣
参加者: 国府谷(L)・高安

右俣といえば荷物持って登って2日というのが普通なのでしょうが、年配者には困難なので3日かけて登ります。
初日は七丈小屋まで。2泊するので小屋ではなくテントです。
中日に右俣。5時過ぎに出発するものの下降に手間取ってしまい坊主の滝下に着いたのは8時半。
沢近くになって眩しいくらい白く光って見えていたのは氷ではなく花崗岩の白さだった。
坊主の滝はというと思いっきり水が流れていて、結氷も良くなく帰ろうかと思いましたが、気を取り直してとりあえず坊主の滝だけと思って登りだす。
まあなんとかなったので暗くなってもBCまで帰れればいいかと最後まで行くことにした。ここで引き返したら高安さんに申し訳なさすぎる。
沢には全然積雪が無いので奥千丈の滝は氷が露出しており5ピッチロープを出した。
その後は踝くらいの積雪になるが先行のトレースがありいろんな面で助かった。奥の滝でロープを出して越えてからはきつかったがなんとか暗くなる前の16:35に登山道に出た。山頂往復はせずに下降。
無事BCに戻った。疲れてしまってワタシは夕食も摂らずに寝た。
翌日ゆっくり下山。お昼前に駐車場到着。
尾白の湯で入浴したのはよかったが、ここで食事をしてはいけないという教訓を忘れてしまい残念な結末となってしまったのであった。
ちなみに高安さんはノミック+リンクス(モノ)、ワタシはクオーク+サルケン、ロープはスキマー60m1本、スクリュー6本(過不足無し)でした。

(記: 国府谷)

阿弥陀岳南陵

日程: 2019年12月14日(土)
参加者: 国府谷(L)・雨宮
山域: 阿弥陀岳南陵(八ヶ岳)
行程: 舟山十字路(7:06) – 立場岳(9:26) –阿弥陀岳山頂(12:00) – 御小屋山経由舟山十字路 駐車場(14:47)

冬シーズン突入雪山トレーニング 雪が無い!!

201912amida2
201912amida2

阿弥陀南陵日帰り
駐車場には雪もなく!!少し歩いた所に 綺麗な水場あり。
そこから沢を渡渉し 徐々に急登を登り立場岳。
やがて右手が大きく崩れた青ナギ ここも雪はないです。
ここから1.2.3峰が見えその向こうに 阿弥陀岳が見えますが、雪は見えない!!

踏み跡はあり西面を巻いて進みます。
P3峰は基部をトラバースして取り付きへ 雪は無し!!

ワイヤが貼られたルンゼはロープを出して頂き
1P60M、雪はない!!が凍っていてここだけアイゼンをきかせて登る。

2P目は50M出して草付きを登り、阿弥陀山頂が見えた。
雪はない!!
P4峰は左から巻いて山頂に。

201912amida4
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201912amida1
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201912amida3
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予定より早めに着いた。
晴れていたので ベースレイヤーとナノエアだけで登ることができ 快適。風はまあまあ強く温度計はマイナス5度 。

下りは御小屋尾根から 長い。。。と言っても2時間 半で下る。

今回は雪もなく!!少々物足りない山行ではあったが、冬シーズン最初の良いトレーニングになりました。
リーダーは高い目標を持っているので、「もっと追い込まなくては!」と しきりに口にしていた。
彼の考えには敬服致しました。

私にはちょうど良いトレーニングでした。

(記: 雨宮)

黄蓮谷左俣 2019.12.14

日時:2019年12月14日(土)
参加者:五十島
山域:南アルプス
行程:竹宇駒ケ岳神社(00:20)-六丈沢下降点(5:30)-坊主滝(6:30)

-二俣(7:00)-(8:40)大滝(12:20)-黒戸尾根2675m(15:40)-七丈小屋(16:40)-駒ケ岳神社(20:00)

細々と続いていたワンデイシリーズ第3弾、黄蓮谷に行ってきました。

気になる結氷は期待以上。大滝がまだ氷柱状で我慢比べなクライミングになりました。

氷を抜けてからが体力的に一番辛くラッセルで相当にペースダウン。
あずさ最終が怪しくなったものの、なんとか無事にワンデイで収まり宿題は回避できました。

山の中でのソロクライミングは初めてでした。不安から増えていった装備が行動時間の遅さに繋がっていると思います。 とはいえ帰路で考え直しても省けるものは少なく、改めてパートナーの大切さに気づく山行でした。

(記:五十島)

2019 GW横尾尾根

 

日程:2019年5月3日(金)-5日(日)
山域:北アルプス南部
参加者:久世(L)・土井・高安・関谷

 

入会してからなかなか山行に参加できていなかったのですが
GWに北アに行きたーい!アルパインもやりたーい!

 

という軽い気持ちで参加したいです〜とお願いしてみたら、いいですよ。との返事が来たので、やったー行くぞ〜!喜んでたんですが
調べたら調べるほど、横尾尾根ってキツい…?あれ…?大丈夫なのかしら…
となりながらも参加させていただきました。

 

昼間は仕事してから集合場所へ。車に乗せていただき、夜発で沢渡の足湯のある駐車場へ向かいます。

駐車場で仮眠、いざタクシーで上高地まで…!(一台4200円)

上高地からは明神館〜徳沢〜横尾まではもう雪はない夏道。

40のザックじゃ小さいと言われたけど、大きいのを背負って歩く自信が皆無だったんです…
というか、私は果たしてホントに行けるのか?途中泣いちゃうかもしれない…と思いながらの参加。
皆さんものすごいザックを担いでらっしゃいますが、それは…何キロ…((((;゚Д゚)))))))

 

「ゆっくりでいいですからね、ゆっくり行きましょうね。」
って支部長が言うけど、はやい…
全然ゆっくりじゃない…と若干笑えます。

 

 

上高地(6:30)→明神館(7:10)→徳沢(8:00)→横尾(9:00)
雪無し夏道。時間は高安さんが控えてくだすってました。

横尾でお手洗いを済ませて、横尾尾根へ向かうぞー…
横尾からは雪が残ってました。
別にアイゼンとかはいらなかったです。

 

10:15 本谷橋から500m手前らしい、3のガリーが取り付きです。
幸いトレースが残ってたので、んーここ?ってなりながらも、他の山岳会のペアの方々も、ここですかねーと言うからここが3のガリーだねってことでこっから登ることに。
メット、ハーネス、アイゼンを装着。
横尾尾根に取り付きだー。

 

 

天気がよすぎて汗だく。
着実に登る。支部長に気をつけるよう声をかけていただきながら耐え忍ぶ様に一歩一歩着実に進み、11:30にガリー上部コルに。

そこから先は他の人も書いてる様に木登りゾーン。
ロープを出してもらい進みます。
木を掴んでよじよじ。
最初含め3回ロープを出してもらったような…必死だったので記憶が…

 

後は一回懸垂下降で降りて、ひたすら登る。
ガリー上のコルからP4まで2時間半かかってる。全然距離移動してないのに今更ながらびっくり。
そっから先は踏み抜き地獄。
雪腐りすぎ。踏み抜きすぎ。踏み抜きすぎて体力が削られていく…

 

 

P4 14:00着。そっからは割となだらかな稜線歩きで P5 15:15通過。
15:30 P5とP6の間でテントを張るよと言われテン場探し。
膝が痛いと言ってた土井さん、なのにスコップ振るってくださいましたすごい。

 

冬はテン場作りも大変なんだなー
4人で寝れるようにテントもおっきい〜初体験。
テントから見る常念岳がとてもかっこいい。
夕陽と常念岳とピッケル。すごーくかっこよかったです。
登ってる途中では涸沢が見えたんだけど、アリさんが列をなしてるように見えた。
GWの涸沢は大人気なんだね。

 

食事する時に料理入れた食器を置くと下が雪だから凹むってのもへえーってなった。そりゃそうか。
ホワイトガソリンのバーナーは初めて見たんだけど、結構火力が強い?
ガスバーナーの方がいいんだよねと支部長は言ってました。

 

今回の山行の食事担当は土井さん。
食事担当じゃない山行に行きたい…と言ってらしたが、おいしいから納得の食事担当。
アルファ米のビビンバに、チゲ春雨スープ
お肉は真空パックの鳥肉(炭火焼だなあれは)に、支部長のザックから半玉のキャベツがでてきました。半玉。
キャベツと、舞茸、ネギと春雨をコチュジャンと赤味噌の合わせ味噌で味付け。
ビビンバが辛かったけど美味しかったです!

 

 

テント張ってお湯沸かして、やっと一息ついて飲むお茶の美味しさったらなかったですね。
お茶が沁みるぅ…

朝ご飯は麺。半生麺で、冷麺の平たいやつみたいなやつ。
しこしこしてた。美味しかった!岩手のアンテナショップに売ってるって聞いた気がする…

 

朝ご飯食べて、テント片付けてたら、昨日一緒に上がってたペアが先に通過していきました。
朝は雪締まってるんだけどあっという間に腐りよる。

 

 

6:30出発
今回の核心、横尾の歯に向かいます。
でもその間にもロープ出してもらったり…
パス使ったりプルジックだったりちょいがけだったり、その場その場で指示を受けて私はもう落ちないように進むだけ。
あんまり足引っ張るわけには…
でも途中どうしても怖いところは土井さんにロープ出してもらいました。怖いもんは怖い。ロープがあったって落ちたくはない…

 

一ヶ所肩がらみしてもらって進んでたところで雪踏み抜いて落ちたんですけどね。
ロープ無かったらハイマツで止まったかなあ?止まらないやなあとか思った。
なんとか体勢立て直したら、
「呼吸整えて!落ち着いてからでいいから!」
との声が聞こえて、脈も呼吸も乱れてるのを自覚。私のSAN値が減ったなと思った。
バリエーションはSAN値が微妙に減ってく。体力と共に減ってく。これがアルパインかあ

 

何とか落ちた事を引きずらず、その後もなんとか進む。
8:25 横尾の歯上到達。
10:30 天狗原とのコル
ここら辺が一番長くて辛かったなー。。。
なっかなか天狗原のコルに着かない。長いの。そして踏み抜くの。つらい。

 

なんとか10:47 天狗原のコルに到達。
そしたら土井さんが膝が痛いので降りると仰る。
正直私は、わぁ!下山だ!!って心の中で喜んでしまったのですが
支部長が「なら下山前に南岳への稜線まで空身で行きましょう。それで横尾尾根終了なので。」
とおっしゃいました。最後にきっつい登りへ。

 

空身だからーいいけどー登りも大変…
というか、登りは登れるけど、下りは怖い。とつぶやきながら登る。
稜線に11:47到達。
風がつめたい…写真撮ったらまたすぐおりる。はやくかえりたいモードに。

 

肩がらみとか、スタンディングアックスとスノーバーで二度ロープ出してもらって進む。下りこわいって!
こわいところはもう後ろ向きになっておりる。落ちるよりはいい。落ちる気しかしない。落ちたらいかん。いやだ。

 

だんだん下ってきて、滑ってもデブリあたりで止まるなら大丈夫かなー?
とか思うけど、もう岩が露出してたりするので、それに当たったら簡単に腹裂けて内臓ぶちまけちゃう〜だめだーって思う。だめだー
後は滑落は足ひっかけたりすると簡単に折れるからだめだよって言われた。
滑落こわい。

 

なんとか12:50に天狗原のコルに戻る。
こっから横尾本谷へおりる!

一息付いてると天狗原の方からひょっこりバックカントリーのおじさん登場
ものの10,5分の滑走の為にスキー板ここまで担いで来るのがカッコいいっすわ。
あっという間に下っていかれる。気持ち良さそう。

 

斜度があるうちはもう私がびびってまた後ろ向きで降りる。
雪がまたザックザクなので、練習がてら前向きで降りなさい言われて降りる。この雪質なら確かに埋まるので大丈夫。
ということでザックザク進む。

 

頑張ってザックザク下って、下りはもうあっという間ですよ。どんどん標高を下げる。
前のめりにコケて滑ったりした。疲れがでてる。

 

一生懸命下って涸沢へ向かう登山道に合流。本谷橋でメットとかアイゼンを外し、横尾へ向かいます…!
土井さん膝が痛いって言ってたのに歩くのはやい。みんな歩くのはやい。

 

取り付き場所通過、15:50 横尾に到着。つらい。

土井さんが「もう一歩も歩きたくない」
と言っていたが、私も同じ気持ちですよ!と心の中で同意。
が、横尾は雪解け水が溜まってたり雪が残ってたりで、テン場がよくない。
うちのテントは床に穴が空いてるのでダメです!!

 

ということで、徳沢まで行くことに…
16:50 徳沢到着。
テント張ります。広い芝生のテン場でとっても快適…

 

夕食はカレー。アマノフーズのフリーズドライカレーは野菜たくさん入ってるすごい。それにお肉追加、コチュジャンと白味噌追加。辛かった!

標高が全然違うので寝てる時暑かった…
土井さんがうわ言のように「暑い…暑い…」と言っていたが、土井さんは夏用シュラフだのに…勿論私も暑かったです。

 

朝ごはんはラーメン。キャベツ入り。
5:54出発

 

7:06 上高地到着
すぐにタクシーに乗り駐車場へ。
インター近くの朝早くからやってる銭湯、瑞祥松本館 680円(と言いながら温泉もあった)に立寄り汚れを洗い流しさっさと帰る!
土日は朝6時からやってて、結構混んでました。

 

確か10時くらいに高速に乗り、混む前に帰りたいと祈る。
車は順調に流れ、13時に秋葉原に到着〜

 

天気が良すぎて雪が腐ってる以外は順調過ぎるほど順調だったと思います。
なんせ私が行けるくらいなので。なんとか今回泣かずに、立ち止まらずに行けました。

 

次回までには色々もうちょっと…
また経験積んだら改めて横尾尾根行ってみたいなー
次こそは槍まで〜

 

(記:関谷)

滝谷 クラック尾根

日程:2019427()-29()

山域:北アルプス 北穂高岳 滝谷

参加者:坂田(L)・林

行程:27() 上高地横尾涸沢BC

28() 涸沢BC(6:00)-北穂高岳山頂(8:15)-B沢下降点(10:00)-クラック尾根

    北穂高小屋(16:40)-涸沢BC(18:00)

29() 涸沢BC-横尾上高地

 

 

 

この冬シーズン後半は天候やコンディション、日程の都合により敗退や計画中止が続きどうもすっきりとした山行が出来ていなかった。挙げ句の果てには八ヶ岳にアイスに行ったのに装備忘れでアイスが出来ないという、どうしようもないミスも犯していた。おそらく今シーズン最後の雪山になるであろうこのGWの山行はなんとか形になるものにしたいという思いで山に向かう。

 

 

27日(土)

10連休のGW初日、上高地から入山する。当初は滝谷出合から入り滝谷を下から詰めていく計画だったが、GW初日に季節外れの寒気が入ってきており上高地からの入山に出発前計画を変更した。結果この判断が正解だったように思う。上高地に着く頃には雪がちらほらと舞い始めていた。横尾から涸沢に向けの登っていくと登山者が列をなしている。丹沢あたりより人が多いんじゃないだろうか。あらためてGWなのだと実感する。次第に雪の降りも強くなり涸沢に着く頃には新雪もだいぶ積もっていた。当初の予定ではこのまま北穂高岳まで上がりBCとする予定だったがこの先トレースもなく天候と積雪のため(荷物も重かったし。。)これ以上進むのは難しく涸沢をBCとする。テントを張り終えた頃には吹雪いておりGWにしてあたりは冬山の様相だった。

 

 

28日(日)

朝起きるとテントの外は昨日と打って変わっての快晴の様子。今日は期待できそうだ。4時過ぎなのに既に北穂高に向かって登り始めているパーティーがいる。準備を整え6時に出発。たくさんの先行者のおかげでステップが出来ており楽ちんだと思ったけどやっぱりそれなりに疲れてしまう。もっと体力が欲しい。北穂の頂上でちょうど計ったように先頭パーティーに追いつきラッセルのお礼を告げる。4時過ぎには登ってた方達だ。さぞラッセル大変だっただろう。6時に出ましたとは口が裂けても言えなかった。

 

 

北穂高小屋の脇で登攀の準備をする。ここでカムの中間の番手(0.3~0.75)がないことに気がつく。今回、坂田さんと私でカムの番手を分けて持って来ており2人で1セットとする計画だった。出発前に駐車場でも番手の確認をしていたのに中間の番手が抜けてしまっていた。ナッツは1セットあったのでセットの練習を兼ねてナッツも併用してなんとかすることに。ないものは仕方ない。

 

 

北穂高小屋からB沢の下降点まで雪壁を下る。B沢は傾斜もそれなりにあり雪の状態もわからなかったので懸垂で降りる。トポによると「クラック尾根下部は崩壊しているため側壁を登ったあと懸垂して取り付きに出る」とのことだがどこから側壁に取り付くのかがどうもはっきりしない。トポと見比べ登れそうなところから取り付く。しばらく登ると残置のハーケンやらスリングが出て来たので正解だったかと思ったが、結果トポのラインではなかったようだった。途中から悪いルンゼを登りつつ懸垂点を探すもそれらしいものは見つからない。トポだとⅣ級のピッチのはずなのになかなかいやらしい。GWとはいえ標高3000m。雪もベルグラもしっかりと付いている。アックスを打ち込み、ホールドを掘り出し、アイゼンガリガリしながら登っていく。結局ロープを50m一杯まで伸ばしピッチをきる。上部を見上げるとなんとか直登して尾根上に出られそうなのでこのまま直登することに。ここもあまり良くないルンゼを20m程登り尾根上に出る。結局側壁を70m程直登した。この時点ではトポ上の3ピッチ目あたりに出たと思っていたのだが、あとから確認したらどうも核心のじゃんけんクラックの上かその前後に出ていたように思う。だってこの先じゃんけんクラック出てこなかったもん。。。

 

 

その先も2ピッチ、尾根上をやや巻いたりしつつすっきりとしないラインを登れそうなところから登っていく。ここでランニング欲しいな、というところで先人も同じ気持ちだったらしく所々残置のハーケンが出てくるのだけれど、ほとんど腐っておりあてには出来ない。ただクラック尾根の名前の通りいたるところにクラックがあるのでカムやナッツでランニングは比較的取れる。開けたテラスに出たところで尾根筋がはっきりせず何本か登れそうなラインが見える。ここで残置のハーケンに誘われて取り付いたラインが悪く途中で下降。坂田さんに指摘され左上する登りやすそうなバンドがあることに気が付きそちらに取り付く。ここに来て初めて快適なピッチ。気持ちよく登っていき岩角を回り込むと北穂高小屋直下の雪面に出た。

 

 

北穂高小屋で坂田さんと握手を交わし暗くなる前にと下降する。小屋の脇に残置していたストックを小屋の方が預かってくれており、私達が着いたのに気が付きわざわざ小屋から出て来て渡してくれた。ありがたいです。涸沢まではひたすら下り。バテてるときには重力に身をまかせられる下りがありがたい。18時頃にテン場に着くも、疲労と安心感からしばらく何もやる気が起きないモード。涸沢カールから見上げる空と雲が淡く夕日に染まってとても綺麗だった。

 

 

 

 

29日(月)

この日は北穂高から西穂高まで縦走して翌日上高地に降りる。。。予定だったのだが夕方から明日にかけてまた天候が崩れる予報のため(決して全装備を担いでまた北穂高まで登るのが辛かったからではないよ)、そのまま上高地へ下ることにした。涸沢から横尾、徳沢、明神と上高地に近づくにつれてどんどん人が多くなりかなりの数の人が上高地から入っているようだった。春の山に入ってくる人たちはみんなどこか楽しそうだった。あとどうでもいいことなのだけれども、汚い格好をして大きなザックを持って観光客のいる上高地を歩くのがどこか好きだったりする。

 

 

以下まとめです。

結局、クラック尾根は中途半端なところから登り始めてしまい、嬉しいやら悲しいやら核心部のじゃんけんクラックも巻いてしまったようだった。トポとはだいぶ違うルートになってしまったけれど、登れそうなラインを自分で見つけて登るというアルパインの基本であろう登り方が出来たとポジティブに受け止めることにします。実際クラック尾根はあちこちにハーケン打ってあり、ありとあらゆるラインを探して登られている痕跡があった。ただ残置のハーケンはどれも古くプロテクションとしては信頼できない。私も2本抜いた。ランニングは基本カムやナッツでとったほうが安心できる。支点を作る際も残置ハーケンを利用するなら確認した上でカムやピナクルなどでの補強が必要。また岩も非常にもろく、私はホールドが取れてヒヤリとさせられたし、坂田さんも足元が結構大掛かりに崩れていた。我々の登攀日は気候は安定しておりそれには助けられた。

 

 

敗退続きの中、シーズン最後になんとか形に出来てホッとしました。

信頼できる先輩坂田さんに感謝です。いつも勉強させてもらってます。

(記:林)

 

旭岳東稜

●大人気ルートだった
日程:2019年3月23日(土)-24日(日)
山域: 八ヶ岳旭岳東稜
参加者:国府谷 中村 雨宮 大島
1日目:晴れ 美しの森駐車場(6:50)-赤岳沢出合小屋(9:00)-2200m付近(12:15)泊
2日目:晴れ 出発(6:30)-五段の宮下(7:40)-旭岳(12:40)美しの森駐車場(18:10)

 

 

 

 

 

錫杖とかいろいろ検討しましたが、季節外れの寒気が入ってくる
みたいで無難に八ヶ岳となりました。
赤岳鉱泉とか人が多いところは避けて、と思ったら結構なひとで
賑わっていました。
一日目は予定通り、ある程度尾根を登ってから良さげな場所で泊。
ちょうど良いところが見つかりました。

 


積雪は1、2月の寡雪が嘘のような多さでしたが先週のトレースと
先行パーティがあることで行程は楽に捗りました。
午後の早い時間に幕場についたのでゆっくり過ごす。
二日目は一応3:30に起床したのだが出発前にいろいろなパーティに
どんどん先を越されてしまい最後尾になってしまった。
我々は4人で遅いのでそれでもよかったのだが、要領がよくない
のは改善しないといけないかな。

 

 

五段の宮の下に着いてみると我々が目指す雪壁の巻ルートには沢山
のひとが取付いている。待っているといつになるか分からないので左側
に避けながら取付くことにする。
5ピッチ程ロープを出して旭岳まで到着。ビレイ中も上着を出す暇も
行動食を食べる暇もなくしんどかった。寒かった。
下山はツルネ東稜からさくさく降りて暗くなる前には駐車場に到着した。
なんにしても人が多くてびっくりでした。

(記:国府谷)

 

2018 春山 明神岳東稜

 

日時:2018年5月5日(土)-6日(日)
山域:北アルプス南部
参加者:久世(L)・松林・西本
行程:
1日目:沢渡(6:30)-明神(8:00)-宮川のコル(9:40)-(11:00)ひょうたん池(12:00)-第一階段(13:00)-幕営地(17:00)
2日目:幕営地(6:00)-バットレス下(6:40)-バットレス取付(7:00)-頂上(8:40)-奥明神沢のコル(10:00)-(11:30)岳沢小屋(12:00)-上高地(14:00)

 

 

私事ですが、昨年の11月に足の肉離れをおこし、その後のザイル祭の時のハイキングで再び悪化させてしまい、1月はお休み。

2月に何とか頑張って東京マラソンには出場出来たのも束の間で、3月はゴルフで腰痛を再発してしまい、3-4月はまたもお休み。これも日頃の悪行の報いであると観念するしかありません。さすがにGWは何とか山に行きたいと思い、松林さんと若い西本君と明神東稜に行くことが出来ました。
ただ諸々あって2日間での山行だったので、穂高の頂を踏むことはできませんでした。

 

 

 

前夜、調布で松林さんにピックアップしてもらい、一路西本君のいる沢渡を目指す。
東京は長袖Tシャツ一枚にサンダルでも、ちょうど良いくらいだったが、沢渡に着いたらとても寒い。それもそのはず、前夜は上高地でも雪が降ったらしく、しかも涸沢では結構積もったとの事であり、道理で寒いはずである。西本君は暖房のある公衆トイレの中で、ずっと待っていたとの事で、悪いことをしてしまった。

 

朝、ちょっと雨が降ったので、少々出発が遅れ、6時半沢渡を出発。タクシーで上高地まで入り、7時には上高地を出発する。明神で横尾方面の林道から外れ、明神池傍の養魚場跡から、ひょうたん池までの踏み跡をたどることになる。判りやすい踏み跡を辿り、上宮川沢を登ることしばらくで、9時40分宮川のコルに這い上がる。

 

雪化粧された宮川のコルの少し先に、4~5人の先行者がいた。かなり軽装なので日帰りアタックかなと思い、聞いてみると長野県警との事、何だろう?
ただ軽装の上、日頃から鍛えておられる県警の方の馬力は凄くて、宮川のコルからひょうたん池までラッセルして頂くことになった。11時にひょうたん池に着くと、東稜にて事故があった事を教えてくれ、ヘリコプターがこれから飛来して、救助活動を行うので、しばらくひょうたん池にて留まる様、依頼される。

 

指示通り、ひょうたん池で大休止、前夜の天幕跡も2か所ある。そのうちヘリがやって来たが、思ったより風が強いのか苦戦している。結局、数回収容を試みたが引き揚げてしまった。一時間以上留まったが、我々も出発することにする。しばらく登ると第一階段と呼ばれるところに突き当たる。一昨日の雪が不安定にのっていて少々悪いので、ここからロープを出して登ることにする。出だしの部分が少し悪いが、その他はそうでもない、しかしながら落ちれば致命的な場所なので、そのあと3ピッチほど、ロープを延ばす。

 

 

途中で負傷した人を下すのとすれ違う。見た目ではちょっと負傷云々が判り辛い感じだった・・・。ロープを外すが、そこから先はラッセルとなる。吹き溜まりでは胸までの雪があり、思ったより時間がかかってしまった。ラクダのコル手前で幕営として、本日の行動を終了する。
実は昨年GWの小窓尾根も入山初日にヘリコプターが飛来して、負傷者をピックアップする現場を間近に見ており、さすがに2年連続で、そのような場面に遭遇するとは、さすがに嫌な感じである。少し風が強いが、問題なく夜を過ごす。

 

 

翌朝6時出発。6時40分にバットレス下の岩場に着く、ここからロープを出して1ピッチ登ると、バットレスの取り付きである。7時バットレスを登攀開始、一歩スタンスの乏しいところがあるが、登攀は1ピッチのみ、上部の雪壁部分で更に2ピッチロープを延ばすと、本当に少しの登りで8時40分、明神岳の頂上に着いた。
頂上でのんびりしていると、明神岳2峰に数パーティがやって来た。結構、主峰縦走もいるのだと感心しました。

 

 

下山は前穂高岳との間の奥明神沢のコルから、奥明神沢を岳沢まで下ることとする。奥明神沢のコルの手前で、一回懸垂下降をしてコルまで下りると、後から数パーティがやって来た。思いのほか、賑やかなコルから、奥明神沢を下るが、最初は傾斜も強く、後ろ向きでの下降となる。なんだかんだと結構下まで、急な傾斜だったが、沢の中は雪が繋がっていて助かりました。
11時半に岳沢小屋に着き、アイゼンを外すと、夏道をのんびり歩いて、相変わらず観光客の多い、春の日差しが眩しい上高地まで下りました。
(記:久世)

八ヶ岳 阿弥陀北稜・中山尾根・小同心クラック

日時:2019年1月12日(土)–14日(日)
山域:八ヶ岳
参加者:国府谷(L)・五十島・西本・斉木
行程:
1日目:美濃戸口–赤岳鉱泉(10:00)

–阿弥陀北稜取付き(11:30)–阿弥陀岳山頂(13:30)–赤岳鉱泉(14:40)c1
2日目:赤岳鉱泉(5:20)–中山尾根下部岩壁取り付き(6:40)

–終了点(13:06)–赤岳鉱泉(14:30)c2
3日目:赤岳鉱泉–小同心クラック取り付き(7:30)

–終了点(9:30)–赤岳鉱泉–美濃戸口(14:30)

 

 

 

はじめに

 

 

この山行のきっかけは、こうやさんに連れていってもらった北岳池山吊尾根で斉木さんとご一緒したときだった。いつか二人でアルパインやろう。どちらの口からかそんな話が出た。しかし、まさかその二週間後にザイルを結ぶことになるとは…。斉木さんの行動力には驚かされます。

山行が決まってからというものの、若干、というかかなり緊張したのは覚えている。何せアルパインでの初めてのリードだ。こうやさんからは、「西本くんと斉木さんなら、今回のルートはフツーにやってればまず落ちないよ」と言われたものの、不安が募りに募っていた。

 

 

さすがに真剣にやらないとこれはマズイ。そう思いアプローチやルート、下降はできる限り念入りに調べた。大学の講義中にノートに概要を殴り書きし、必死に頭に叩き込んだ。また、付け焼き刃ではあるが、クライミングジムではなるべくスラブと垂壁を集中して登りこみ、山行に臨んだ。

 

 

 

1日目 阿弥陀岳北稜

 

 

赤岳鉱泉にベースキャンプを張り、興奮と緊張のなかサブザックに荷物をつめる。こうやさんと五十島さんたちに「行ってきます!」と告げ出発。中岳沢からの支尾根の取り付きで少し迷ったが、何処から取りついてもなんとかなるようだ。ジャンクションピークに着いたのが11時半。

そこから40-50°くらいの草つきの岩稜帯を120mほどいき、第一岩峰につく。ここからロープを出し、登攀開始。

1p:左から右上に岩峰を少し巻き気味に登り、バンドを右上、後半は草つきの雪壁となり、そこまで難しくはない。上のピナクルでビレー。

2p:6mくらいのガバが豊富な壁を登り、ナイフエッジを歩く。木の根っこでピッチを切る。10分ほど歩くと山頂。

 

 

 

2日目 中山尾根

 

 

この日は最も行程が長く、今回一番難しいIV+のピッチがあった。国府谷さんと五十島さんに後ろから着いてきてもらうことになった。

赤岳鉱泉から一時間半ほどで下部岩壁に着く。

 

 

 

1p:フェースを右上し、途中から左上する凹角に入る。下部のフェースでかなり悪戦苦闘し、グラウンドフォールするかも…と焦ったが、何とか上まで抜ける。

2p:左の短いスラブを登り、易しい草付。

3p~5p:灌木帯。念のためロープをスタカットで出すが、時間を浪費した。

 

 

 

6p:上部岩壁。今回の核心。フェース~スラブを左上~薄かぶりのチムニー。手のひらや肩、足を突っ張りに突っ張り、チムニーを突破したときは思わずガッツポーズが出た。チムニーって最高だな~。

 

 

 

7p:易しい雪稜。

8p:フェースをトラバース~草付を直上~ガバの多いフェース。ライン取りが若干分かりにくい。

9p:バンドをトラバースし一般登山道に合流。

 

 

登山道に合流すると、二人ともクタクタになって座り込んだ。赤岳鉱泉に帰って、貪るように国府谷さんの作ってくれた鍋をいただき、ぐっすり眠る。

 

 

 

 

三日目 小同心クラック

 

 

最終日。朝起きると疲労は残っているものの、まだ登れそうだ。

大同心稜を登り、大同心基部から小同心までトラバース。割りと危ないので、コンディション次第ではロープを出した方がいい。取り付きで少し迷う。

 

 

1p目:フェースを左上~チムニー~左のテラスでビレー。ホールドは豊富。

2p目:斉木さんがリード。チムニー~レッジ~凹角を左上する。

3p目:雪稜に出て終了。

 

 

 

自分としてはしっかりと下調べをして臨んだ山行だった。それでも、本番では、山行中にライン取りに自信を持てなかったり、取り付きで少し迷ったりと反省点を挙げるとキリがない。しかし、全体的に考えると、自分にしてはそれなりに準備段階で努力ができたと感じている。

 

 

これまでは連れていっていただくばかりで、その中で自分はお客様気分が抜けきっていなかった。その結果いい加減さが露呈していたと思う。

 

 

だが、今回は自分自身が一応リーダーを務めた。自分とパートナーに責任をもって山に臨まざるを得なかった。リーダーとして、ルートを調べ、選び、山行を組み立てて行くという基本的なことはもちろん、それ以上に多くのことを体験し、学びとることができた山行だった。

できれば今後もたまには、斉木さんとパートナーを組ませていただければ嬉しい。熱意に満ち溢れている斉木さんがほぼ同期にいるというのは、大変幸運なことだ。

今回のバリエーションは、僕のターニングポイントになった山だと言えそうだ。山は本当に面白い。その事にまた気づかされてしまった。まだまだ登りつづけたい。

 

(記:西本)

 

 

 

 

 

 

  • 年一の八ヶ岳

日程:2019年1月12日(土)-14日(月)

山域:八ヶ岳 赤岳鉱泉BC

参加者:国府谷 五十島 西本 齋木

 

ぜんぜん寒くなく雪もない冬ですが、八ヶ岳には行くことになるものですね。

体力作りにはもってこい。メンバはワタシ以外は若モノばかり。

11日の夜に小淵沢まで。いつもの場所で仮眠させていただく。

12日朝に美濃戸口まで移動。鉱泉まで歩く。

器材の分担は大幅に免除させていただきなんとかついて歩きます。

鉱泉にてジャンボエスパースを設営。いい場所を確保できました。

予定通り、西本・齋木ペアで阿弥陀岳北稜、五十島・ワタシペアで峰ノ松目沢へ向かう。

沢は下部は氷床が出ていて綺麗だが、最後のF8?はイマイチの結氷だった。

人気ルートで人がたくさんいました。

 

 

 

13日は皆で中山尾根。

何故か順番待ちもなくおおむね順調に登って15時ころには鉱泉着。

寒いことは寒いが例年ほどではない感じだ。

 

 

14日は小同心クラック。

五十島先生と私は大同心大滝を登ってから追いかける感じ。

今日も順番待ちすることもなく終了。

今どきのひとは冬壁はじめてなのに上手ですね。

美濃戸口の駐車場に戻り、道の駅で入浴して食事をしようとしたらまだ16時の開店前だったので少し待ってから頂ました。

(記:国府谷)

北岳バットレス第4尾根主稜②

 

 

 

当初の予定では年末年始山行は劔岳の小窓尾根の計画だった。期待とともに心に湧き上がる悪いイメージと格闘しつつ少しずつ準備を進めていると、年末にかけて大寒波の予報。諸々検討するもかなり厳しそうという結論に達する。7割方は残念な気持ちなのだが、3割程どこかホッとしてしまっている自分がいた。ホッとしてしまう気持ちがある時点で自分はまだ冬劔に行くべきではなかったのかもと思いつつ転戦先を北岳バットレスに求める。

 

北岳バットレス。

実は個人的に思い入れのある場所なのです。

 

以前、鵬翔に入る前に一人で山歩きをしていた頃、白根御池小屋のキャンプ場でバットレスに登る人達と出会ったことがとても印象に残っている。当時はバットレスを登るなんて考えは微塵もなく、ましてやそんなところ自分が登れるなんて考えてもいなかった。

 

そんな中、キャンプサイトで出会ったおばちゃんに言われた。

「あなたは明日どこに行くの?・・・そう一般ルートで白峰三山縦走。私は明日バットレスで岩登りよ。あなたもそのうち良いお仲間が見つかるといいわね。」

大きなお世話だ。当時の自分は1人で山歩きすることに満足していたのでそう思うしかなかった。それと同時に何か心に引っかかるものを残された。

また、隣のテントの同年代の若者(当時はそれなりに自分も若者だった・・・)二人組がその日バットレスを登ってきたらしく、大きな声で感想を話し合っていた。とても楽しそうに。

うるさい。もう少し小さな声で話してくれ。そう思う一方どこか羨ましくその話し声を聞いていた。

それ以来、北岳バットレス、そして単なる山歩きではない登攀は私の中でどこか一つの憧れみたいなものになっていった。

 

その後、鵬翔に入り1年目の冬に鋸岳に連れて行ってもらった際の丹渓山荘跡での会話をよく覚えている。国分谷さんに今後どこか行きたいところはあるのかと聞かれてバットレスに行ってみたいと答えた。国分谷さんは覚えていないだろうけどその回答にやられてしまった。

 

「バットレスか〜。冬はアプローチ長いんだよな〜。」

 

私の中では当然夏を想定していたのだが、帰ってきた返答はあっさりと冬を想定したものだった。北岳バットレスに冬に登るなんてことは考えも及ばなかった当時の私は、当たり前のように冬を想定して帰ってきた返答に驚いたとともに、当たり前のようにそういう登山をしている先輩がいることがとても嬉しかった。

 

そして去年の秋に念願だった四尾根を登った。困難はさほど感じなかったがやっと登れたと、とても充実した気持ちになれた山行であった。

そして今回とうとう冬のバットレスである。五十島君には言わなかったが、一人密かにふつふつと昂ぶっていた。

 

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが以下、個人的心象が大部分を占める記録です。

詳細な行程は五十島君の記録が正確なのでそちらをご参照下さいませ。

 

 

12/29(1日目) 快晴

 

この日はゆっくりと朝に錦糸町出発。

天気予報では風が弱まるのは31日。31日に四尾根アッタクを予定していたので急いだところで仕方ない。これまたゆっくりと安定のガストさんで朝食。

夜叉神峠には結構な数の車が止まっており、こんなに人が入っているのかとびっくりした。

前日に寝付けず遅くまで一人飲んでいた影響かわからないが、どうも調子が上がらない。そして歩きでの長いトンネルの通過はどうも不気味で好きになれない。この日は歩き沢橋までなので行程が短く助かった。

 

12/30(2日目) 快晴

 

2日目は池山吊尾根をひたすら登る。

標高2000m付近の池山御池小屋手前くらいまではほとんど雪もなかった。

結構人が入っている。車が多かったのも納得だ。

単独行者も多く、以前一人で山歩きをしていた頃の自分を何となく思い出す。もっともその頃の自分には厳冬期の北岳に一人で行く力も根性もなかったけれど。

砂払いの手前、標高2600m付近の森林限界ギリギリを幕場とした。

13時前には着き時間もあったので簡単なイグルーもどきを作り快適なベースを作成。

しっかりと衣服を乾かすもこの日の夜は寒かった。

 

 

 

 

 

12/31(3日目)大晦日 快晴

 

いよいよアタック当日。

八本歯のコルからのトラバースを開始する頃に日が出てくるようにと5時頃出発。

ボーコン沢ノ頭まで登ると夜明け前の星明かりの下に北岳がドカンと鎮座している。

期待と緊張と美しさと。なんとも言えない気持ちになる。

 

 

八本歯のコルから下降。トレースはなくここ数日入っているパーティーはないようだった。最初のリッジからの下降が急で1箇所だけ懸垂。その後は雪も結構ついており場所によっては腿あたりまで潜る。沢沿いにはところどころ雪の破断面も見えている。ここ最近は積雪がないのでもう雪は落ち着いているとは思うものの精神的によろしくはない。ラッセルしつつのトラバースをこなし下部岸壁に到着。ここからbガリーに回り込みcガリーをトラバースして四尾根取り付きに向かう。

 

ここも場所によっては腿程度のラッセルになる。しかも第二尾根と第三尾根を越えていかなければならないらしい。四尾根は結構遠くに見えている。cガリーから直接上がれなかったのかとか色々考えてしまうがここは辛抱。雪面をラッセルし取り付きに向かう。秋にはロープを出したヒドゥンガリーも雪がついているのでフリーでサクサク登れ、9:30頃第四尾根取り付きに。想定より時間がかかってしまったが、まあなんとかなる時間だろう。

 

秋にはいやらしかった出だしのクラックも雪がついておりフリーで突破。クラック上部からロープを出す。出だしはベルグラの上にうっすら雪が乗っているだけのように見えて悪そうだけど、そこさえ越えてしまえばそれなりに雪がついているようにも見える。

 

1P。五十島君リードでスタート。出だしは悪そうだったけどそれ以降はやはりそれなりに雪がついている様子。ただやはり所々雪が安定しないようで慎重に。無雪期には豊富にある残置ピトンもほとんど埋まっており使えない。

 

2P。雪壁と所々草付き。難しくはないもののやはりランニングが取れずにランナウトするので気は抜けない。

 

3P。数メートルだがホールドの乏しいスラブが嫌らしい。無雪期もそれなりに大変だった記憶がある。ここは五十島君がランニングを固めて突破。そのままマッチ箱までロープを伸ばす。懸垂支点を雪の下から掘り出さなくてはならない。私のいるビレイ点はちょうど太陽が向かいの尾根に隠れて日陰になり寒くなりそうだ。早く支点見つけてくれ〜と祈っていたら思っていたよりすんなりと掘り当ててくれた。早かったねと聞くと、なんでも無駄のない下降ラインを考えれば支点の場所も検討が着くとのこと。さすがっす。

 

4P。枯れ木テラスに向けての雪壁登攀。右のリッジ寄りを登る。上部の雪の付き方が不安定で、ホールドの乏しいベルグラの緩傾斜に雪がうっすらと乗っている感じでアイゼンもアックスもなかなか決まらない。両手両足どこにも力を込めずにそっとそっと上がっていく。

 

5P。枯れ木テラスから城塞ハング下までトラバース。無雪期はなんでもないトラバースだったが、中途半端に雪がついたトラバースはかなり怖そう。おまけに残置ピトンが雪に埋まってなかなか見つからない。五十島君が慎重に馬乗りになりながら突破。ここフォローで良かった。寒いから早く行ってくれなんて内心思っててごめんなさい。

 

6P。城塞ハング。チムニー内はほぼドライで無雪期と同じ状態。一段上がったところで岩角にかけていたアックスがすっぽ抜けてしまいドカ落ちしてしまった。1ピンめクリップした後でよかった。残置ピトン抜けなくてよかった。下に雪積もっててよかった。反省しつつもどこか開き直れた。荷物を五十島君に預け空身で行かせてもらう。ジリジリと登る。チムニーを抜けて終わりかと思ったら、上部は雪がついて秋より嫌らしかった。なんとかフリーで突破。上部雪田にロープを伸ばしハイマツを掘り出してビレー。

 

ここでロープを解き、後は雪田を登っていくだけ。だけとは言えこれが大変。それなりに時間かかりそうだと覚悟を決めていたら、ここから五十島君がスパートをかける。怒涛のラッセル。追いついたら交代しようと思って後を追うけど追いつかない。感動しちゃった。

最後雪壁を乗り越え稜線に出る。この時点で16時。結構かかった。

頂上はすぐそこ。だけど2人顔を見合わせそのまま下降開始。

へろっへろのヨボヨボになりながら下ること1時間。なんとかヘッデンを出さずにテントについて2人登攀の成功を喜び合う。テントに入ってからもしばらくは何にもする気が起きなかったけれど、胸の内は充実感で満ち満ちていた。

 

 

1/1(4日目)元旦 快晴

 

この日は下るだけ。

出発前には、ありがたい初富士の横から昇るこれまたありがたい初日の出を拝まさせていただく。新年早々ありがたい気持ちで満たされた後は、肉食いたいという食欲に満たされて一気に夜叉神峠まで下る。

 

今回大晦日にバットレスを登れてとても良い1年の締めくくりを迎えることが出来ました。

以前から思い入れのあったバットレスに厳冬期に登れたことは非常に感慨深ものがあります。

強いパートナー五十島君に感謝です。

2019年も登りたい場所は色々とあるので精進していきたいと思います。

(記:林)

 

黄蓮谷右俣

 

日時:2018年12月22日(土)~24日(月)

参加者:坂田(L)、魚瀬、林

行程:22日(土) 竹宇駒ヶ岳神社(6:30)-黒戸尾根五合目小屋跡(12:30)-黄蓮谷千丈ノ滝上(15:30)-幕営

23日(日) 幕場(7:00)-坊主の滝(7:30)-二俣(9:00)-甲斐駒ケ岳頂上(14:50)-2700m付近にて幕営(15:30)

24日(月) 幕場(7:00)-竹宇駒ヶ岳神社(11:30)

 

 

 

12月末の三連休を利用してクラシックアイスルートの黄蓮谷へ。

天気はイマイチの予報だったが、先週末は結氷状態が良かったとの情報もあり期待を胸に竹宇駒ヶ岳神社に前夜向かう。

 

 

 

22日(土)  雨の黒戸尾根

竹宇駒ヶ岳神社の駐車場を出発するタイミングでポツポツと雨が降り出す。

黒戸尾根に取り付くがしばらくは雪が全くなく、今年の暖冬を再確認する。

しばらく行くが雨脚は強くなってる。まさか雨が降るとは思っていなかったのでザックカバーなんて持ってきていない。でも雨になるくらいだから気温も高く多少濡れても寒くない。

ゆっくりと黒戸尾根を登って行き昼過ぎに五合目小屋跡に到着。さすがにここまでくると雪もそれなりに出てきた。

 

 

 

出だしこそ赤布があったものの黄蓮谷への下降路がわかりずらく手間取りながらも、坂田さんの巧みなルーファイで千丈ノ滝の上へ出る。

 

谷に降りてみると勢いよく水が流れている。。。

 

ゼンゼン凍ってないじゃん。

週半ばの暖かさで氷が溶けてしまったようだ。

これはダメだ。この状態では登れないだろうなということで、明日の撤退の相談をしながら本日は終了。

 

 

 

23日(日)

撤退の予定だったのでのんびりと寝ているとテントの横を数パーティーが通り過ぎて行った。

しばらくすれば諦めて戻ってくるだろうとのんびり構えているも戻ってくる様子がない。

朝食を終え、坊主の滝を一目拝んでから往路を戻ろうと出発。

 

 

 

気持ちは完全に撤退だったのだけれど、坊主の滝に着くと先行パーティーがすでに取り付いている。滝の真ん中は穴が空いて水が流れているがラインを選べば登れそう。何より他のパーティーが取り付いているのに私たちだけが撤退というわけにはいかない。とりあえず行ってみようということに決定。

 

 

 

滝の左が一番氷が安定していそうだったので、左のラインから取り付く。
ほんの一部傾斜が強いが快適に2ピッチで坊主の滝を登る。
しばらく行くと二俣。左俣はまた次回。
坊主の滝より上は思ったよりしっかり結氷していたように思う。しかし雪もそれなりに付いておりナメ滝は多くが雪の下埋もれてしまっていた。ただ先行パーティーのトレースがあったのでだいぶ楽をさせていただく。

 

 

昨日の雨とはうって変わり雪降る中谷を詰めて行く。雪に埋もれてしまっており奥千丈ノ滝もどこなのか良くわからなかった。上部で7~8mくらいの滑滝があり巻くことも出来たのだけれど、アイスらしいことを坊主の滝でしかしていなかったので、ロープを出して1ピッチ登る。これが奥千丈ノ滝の一部だったのかしら?
最後に頂上直下の歩きにくいハイマツ帯を抜けて、15時前に山頂に着いた。

 

 

右俣は長い長いと散々聞いていたので、思ったよりすんなりと抜けられた気がした。
当初は2日で終わらせる予定だったが、撤退のつもりで朝の出発も遅くなってしまったので、この日は2700m付近で幕営。
汗と雪で全身びしょびしょになりこの日は寒い夜を迎える。シュラフに入っても寒くてなかなか寝付けない。時折、坂田さんと魚瀬君も、もぞもぞとしているのがわかり2人も寒いんだと思うとなんとなく嬉しくなる。

 

 

 

24日(月)
黒戸尾根はやっぱり長い。
この日はとにかく下るだけ。
長い黒戸尾根をひたすら下り昼前には竹宇駒ヶ岳神社の駐車場に到着。

 

 

今回の右俣は、上部は雪がついておりほとんどアイスのパートはなかった。
先行パーティーのトレースがなかったらラッセルで結構苦労させられたのではないかと思う。
コンディションにもよるのだろうけれど、アイスの難しさというよりも長いルートで荷物も担いで行くとなるとある程度体力勝負なのでしょうか。あとは五合目からの下降路がわかりづらいです。

 

 

次回は左俣でしょうか。
他にもこの辺りには面白そうなアイスが何本かあるみたいなので、黒戸尾根との折り合いをつけてまた行きましょう。

(記:林)