小室川谷遡行記

日程: 2007年6月2日(土)~3日(日) 前夜発1泊2日
参加者: 掛川(L)・塩足・坂本・芳野・掛川浩
行程:
第1日目: 7:45 泉水谷林道 小室川谷出合付近~10:30 S字峡上~13:30 中ノ沢出合付近(ビバーク地)
第2日目: 8:00 ビバーク地~13:40 稜線~17:30 泉水谷林道 小室川谷出合付近
装備: 9ミリ45メートルザイル×1・8ミリ20メートルザイル×1・ライフジャケット(小室の淵の通過にはあると心強い) 

金曜日12時ごろ、丹波山村の、「のめこいの湯」の駐車場にて、テントを張り、仮眠する。
翌朝、泉水谷林道の、小室川谷出合付近まで車で移動。落石多く、「帰ってきたら、大きな石が車の上にあったりしたらいやだね」など話す。坂本氏が釣り人に小室川谷を尋ね、林道の脇に駐車する。
7時45分入渓。先ほど親切に教えてくれた釣り人に、会釈を交わし追い越す。先行する僕らに驚いた魚は隠れてしまって,しばらくは釣りにならないだろうな、すみませんな、庄助どんと心の中で詫びる。明るい谷で、天気も良く、新緑がきれいだ。型は小さいが、魚も時々さっと走る。まだ、朝早いので、水は冷たい。あまり、濡れたくないなと思い、雨具を着る。
1箇所、ほんの5メートルぐらいだがみんなのヤメロヤメロ視線を感じつつ、泳ぐ。泳ぎもそれぞれ個性があり、見ているとおもしろいものだ。芳野さんは、うまい。ライフジャケットの塩足さんは、背の高いザックに頭を押さえつけられて、顔が水面に沈んでいる。息をしてない!目はしっかり開いているのが見えた。軽量化か、シュノーケルの使用を検討すべし。坂本さんは、スマートとは言い難いが、豪快に泳いできた。終わりかなと思っていたら、上がり口の所で水に流され、また戻って行く。そんなのをもう一回繰り返して、なに一人で遊んでるのと爆笑を買う。沢のエンターティナーだ。夜の部、テント場でした飯田さんの真似はさらに磨きがかかっていた。
S字峡という、4メートル、3メートル、4メートルという滝の続くゴルジュに着いた。今回、水量も少ないようなので、再び背後で湧いた、え~、行くのお、巻く?という声を聞こえぬふりをする。釜の左をへつり、落ち口に着く。何度か水流の中をさぐるとフットホールドがある。ここで、足がすくわれるぐらいの水量だとここの突破はきびしい。右岸の巻きは、ガイドブックにあるように5メートルぐらいの空中懸垂になる。ここを越えれば後は楽だ。
石門ノ滝を越え、小室ノ淵に着く。今回、みんなそれぞれ、遡行記録を持って来ており、それぞれ違うので役に立った。芳野さんはインターネットから拾ってきてた。ほとんど巻く記録を持っていた、塩足さんは、巻いてるよと言うし、私の記録では泳げば突破できるとある。まず、空身で左寄りに泳いでいくが、沈みそうになり引き返した。2回目にライフジャケットをつけて、アタック。今度は、難なく落ち口脇にたどり着き、滝の左に上がる事が出来た。ライフジャケットのおかげで、沈まないので落ち着いてホールドを探ることが出来た。45メートルのロープを使い、ザックピストンで、荷物と人を引き上げる。ロープで引かれるとかなり楽に泳げるようだ。塩足さんも、2年前の大荒川谷の時に比べるとずいぶん上達していた。前回は、ザックが左右にぶれていたが、今回はぶれずに来た。安達さんのスイミングクラブで特訓でもしたんかな?
小室の淵を越え、あたたかい日の光を求めて、寒さに震える一行は、中ノ沢出合を過ぎた所で右岸にビバークした。
フライとツェルトを張り、私は釣りに出掛けた。前回同じ秩父の竜喰谷で斉藤さんから、ハサミムシのような川虫がいますよ、と聞いていたので石をひっくり返すと、りっぱなやつがいた。それをえさに釣り上がる。しかし、この谷はアマゴの谷で、岩魚と違い難しく感じた。釣り人もけっこう入っているのか、魚も少ないようだ。25センチぐらいのと、20センチ弱のをキープしたが、後、小さいのは2匹放す。
幕場に戻ると、りっぱな焚き火が出来ており、魚は塩焼きにした。芳野さんに教えてもらったマイ串焼きは、それぞれ木の枝をけずって自分の焼き串を作り、それに刺したソーセージを炙って焼くというシンプルなものだったが、とてもおいしかった。

翌朝、8時に出発。
3段30メートルのナメ滝は、最後の出口がいやらしい。残置のシュリンゲ、ピンはあるが、ホールドがいいのがない。慎重に行きましょう。
日が高くなるにつれ、沢も明るくなっていく。ここまで来ると釣り人も少ないのか、陽だまりで水面近くまで浮いていた魚は、私に気づいてもゆらゆらと沈んでいく。蛇抜沢を越えると、沢は俄然倒木とガレで荒れてくる。長いつめを終えて、大菩薩の稜線に藪漕ぎなしで出る。時刻は1時半を回っていた。
計画では、大黒茂谷を下降する予定だったが、沢の下降だと時間が読めないので丸川峠を越え、林道経由で帰ることにする。
駐車場に着いたのは、5時半頃だった。長い1日だった。
広葉樹の自然林に囲まれた奥秩父の沢の美しさを発見できて良かった。
最後は疲れたが、楽しい山行だった。

(記: 掛川)

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