11aが見えてきた!?

日程: 2007年12月1日(土) – 2日(日)
山域: 鷲頭山・城山(伊豆)
参加者: 坂田・鈴木夫妻
行程:
第1日目: 鷲頭山にてフリークライミング
第2日目: 城山にてフリークライミング

ちょっと成果が上がってきたので、大袈裟な見出しを書いてしまった。5.10dの初RP・5.10cのOSを達成し、久々にガッツポーズ!!

12月1日(土) 晴れ

初めての鷲頭山。周辺のビッグエリアに押され、マニアックなエリアというイメージが強い。沼津の海岸線に車を停め、沼津アルプスへ目をやると、ようやく紅葉のピークを迎えた樹林の中で目立っている岩の塊に引きつけられる。わずか標高100m足らず。海岸からのんびり歩いたところで30分と掛からない。けれど体は重く、この100mがしんどい。つい先週末に穂高を縦走したとは考えられないくらいだが、身体がフリーモードに切り替わるとこんなもんである。

到着するとメインエリアの壁が目に飛び込んでくる。振り返ると海が広がり、岩場の前は城山南壁よりもさらに広く快適なスペースだ。iPodからポップな音楽が流れ、広げられた何枚かのレジャーシートにはガスコンロやらカップラーメンやらガチャやらが転がっている。既に地モティな若者達が6人くらい取り付いていたのだ。海の家にでも転がり込んだような、陽気な雰囲気である。盛り上がるバカ話に、ついついツッコミを入れたくなってしまう。各人のグレードは幅広く、5.12を登る山ヤから初心者が入り交じり、ルートの核心部で全身を震わせるクライマックスを迎えると、威勢のいい「ガンバ!」コールが響き渡る。誰も来ないような静かな場所でのクライミングが好きだが、活気ある妙な一体感がすっかり気に入ってしまった。今回の成果の原動力の1つだったと思う。

まずはウォーミングアップのため、カッチンロックへ移動し、ショートルートを上った。

おすましミーちゃん(5.10a)
ボビー(5.9)
メリールウ(5.10a)

の3本を登る。おすましミーちゃん、見た目は5.7じゃないの?というくらい階段なのだが、薄かぶりで意外にホールドが甘く、最初から全力投球でいきなりパンプ。連続してボビーを登ったが、おいしいホールドがことごとくぐらつくところはまるで本チャン?ここでもパワーを使いながらの危ういクライミングを展開してしまった。ここまで取りあえず全員ノーテン。メリールウはパワーに加えて微妙なバランスを取らなければならず、とうとうテンション(RPはした)。鈴木夫妻はノーテン、さすがだ。どうやらこのエリア、パワーもテクニックも必要なスパイシーなルートが揃っているようだ。

ここでランチタイムとなり、メインエリアを物色しつつ飲み食いするが、5.11/5.12がほとんどが占め、数少ない簡単なルートは既に取り付かれていたこともあり、ここは思い切って、

メイズ(5.10d)

を登ることにする。1本目までがかなり遠く、特に最後の立ち込みがかなりスリリング。下部は容易だが、核心部のシンクラックで様相は一変。かなり粘ってビレーヤーの鈴木(知)さんをいつものごとく泣かせてしまった割にはあえなくテンション。ここからはほとんど各駅停車。シンクラックを抜けた後もガバガバかと思いきや甘いホールドに腕が限界に達して終了点。続いて知さん。わずかなテンションで華麗に登ってしまった。ここで正さんに手本を見せてもらう。知さんは二度目で見事RP。自分の二度目は、腕に来てしまって指が勝手に開いて勢いよく墜ちてしまう始末。開きつつある実力差…。三度目をトライするには余りにも憂鬱なルートだったが、負けず嫌いが勝った。たくさんの「ガンバ」やら怒号やらの後押しと根性でRP!!このルートが5.10dのスタンダードグレードであることや、5.10cと5.10dの壁は厚いけど5.11aとの壁は薄いという話しを聞いて嬉しくなる。これまでのRPの中でも最高の気分を味わった。

最後に正さんが、

ETハング(5.11a)

を再登。このルートはみんながたっぷりの時間を掛けての悪戦苦闘を強いられていたことや、この日のフィナーレの様な雰囲気も手伝って、この日最高の盛り上がりを見せた。

海を見ると夕日が1/5を残しているだけで、下山する頃には薄暗かったが、気分は最高だった。そして、次はETハングにトライしようと決めた。

12月2日(日) 晴れ

今日は城山南壁。さすがに身体の節々に違和感があったが、たっぷりと寝られたことや、朝マクドでのんびり過ごしたことで、昨日よりもずっと調子がいい。

明らかに影の薄くなった人面岩を見ながら南壁へ到着すると、空いている駐車場とは裏腹に既にザイルが何本か垂れ下がり、騒々しかった。最初に、

グラシアス(5.9+)

でウォーミングアップ。意外に滑りやすく、慎重さを求められる。おばちゃん達がうるさいなぁ、なんて思わないでいたところへ、「坂田さんじゃないですか」と声を掛けられる。以前に唐幕を一緒に登った立川山岳会の菅原さんだった。立川山岳会の会山行のようだ。人数が多く、初めてのオンサイトをものにした新人らしきメンバー居たが、皆があるレベル以上のスキルを持っていることに驚いた。鵬翔もこうあって欲しいと思っている。

続いて、

アミーゴス(5.9)

を3回登った。1回目はリードで、2回目はトップロープで手への荷重を最小限にして登り、3回目はスピードを意識して登った。

自分にとってフリーは目標のアルパインルートを登るためのトレーニングの1つであるので、限界グレードを伸ばすつつ、墜ちずに登れるグレードも上げたいのだ。鈴木夫妻がこのようなトレーニングを取り入れてくれることに感謝!

ランチを食べ、ちょっと欲が出てくる。

タナバタノタナボタ(5.10c)

へ取り付く。核心のハング、股関節が硬すぎるのか足が上がらない。やむなく、ちょっと右から上がってRPとした。柔軟性を上げて再トライしたい。

アナザステップ(5.9)

をクールダウンで登るが、

スクールゾーン(5.10c)

が気になる。もう15時半を過ぎていたが、ワガママを言って登らせてもらった。無事OS!!5.10cは二度目。一度目のはお買い得すぎて後ろめたかったのだが、これでスッキリした。OSトライとしては珍しく30分程度で済んだことも良かった。

せっかく調子が上がってきたのだが、アイス強化月間へと突入するため、外岩はしばらくお預け。心配だが、ジムで維持出来るのかどうか試したい。

鈴木夫妻にはいつもお世話になりっぱなしで、大変感謝しています。今後ともよろしくお願いします。

(記: 坂田)

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