2212 北岳

日程: 2022年12月28日(水) – 30日(金)
山域: 北岳(南アルプス)
参加者: 大江(L)・雨宮
行程:
第1日目: 奈良田駐車場(6:30) – 池山登山口(9:30) – 池山小屋(14:10)
第2日目: 池山小屋(4:00) – 北岳(11:00) – 池山小屋(16:30)
第3日目: 池山小屋(9:10) – 登山口(10:30) – 奈良田駐車場(14:00)

28日(水)

2時に東京大岡山で雨宮さんをピックアップ。6時奈良田着,トンネル前の駐車場にて車を止め準備。6時半出発、ここから長い長い林道だ。最初はトンネル核心。2人で乗り越えさあ出発。何度もトンネルを時には1キロあるものを越え、登山口には9時半到着。重さ200g程のスニーカーが役立ち軽快にここまで来れた。できるだけ体力を温存したかったのでこれは正解だった。休憩と準備をし10時、急登の始まりである。さあ次にここを通る時、何か結果を残しているだろうか、、とにかくずっと急登である。1時間程するとかなりバテてしまった。ほぼ睡眠がとれず山に登るとやはりバテるのが早い。ほぼ1時間おきに休憩を5分取りどんどん登っていくがなかなか足取りが重い。池山御池小屋に辿り着いたのが15時前。
あと300m程高度を上げる予定だったがこのまま登り続ける体力の低下と時間的に辿り着くのが相当に遅くなる事も考え、小屋で1日目を過ごす事に。小屋にはあと2人最初いたが、寝るのはテントという事で貸切状態。快適に寝れた。この避難小屋だが布団や寝袋まで緊急用にあり掃除も皆がしているようで非常に綺麗であった。晩御飯は雨宮さん特製のニラしょうがたっぷりの参鶏湯。これは本当に美味しかった!あまりにも疲れていたのか6時過ぎに就寝。

29日(木)

2時に起き、作戦会議。元々白峰三山を目指す予定でしたが体力的に難しいと判断し、重い荷物を小屋にデボしアタックザックにて北岳登頂を目指す事に。
4時出発。暗いが空は晴れている様で風もなく天気は最高であった。5時半頃ボーコン沢の頭までもうすぐの所で朝陽が上がり非常に綺麗な景色を映し出す。
しかしこの頃、不測の事態、、雨宮さん何か調子悪そうで、「登山道だから1人でも行けるから頑張っておいで」と。ここで1人、北岳を目指す事に。。心細い中、歩みを再開、、周りには人、1人いない、、こういう時、やはり色々とよぎる。強風、ホワイトアウト、8本歯、最後の雪壁、、大丈夫か、、、が行くしかない。そんな中、ボーコンの頭に出るととんでもなく綺麗な白峰三山の稜線が、、朝陽もまだ残り、山々が燃え上がっている。空は快晴。さあ行こう。だが農鳥岳、間ノ岳は見えるが北岳は見ず、、行く道は果てしなく続く登りの稜線のみ。ただとにかくひたすらに歩みを進める。時折強い風も吹くが基本穏やかだった。9時頃、8本歯のコルに到着。ここまでと打って変わる突然の急傾斜と急勾配。せっかく登ったのにハシゴで降りていくあの感覚、、しかし、巨大な山の手前はだいたい降りるのが常。人生と一緒なのか、、など考える。ここが、予想と違いほとんど雪が無い。風もない。岩を掴み淡々と降り、また登ることが出来た。やはり緊張はし過ぎた方がいい、のちにだいたい安心する。しかし、8本歯を越えると突然の強風。そして、上を見上げると、、そこには堂々たる南アルプスの王、北岳が。強風と共に眼前に迫る北岳が鼓動を高鳴らせる。岩陰に隠れ、装備を整えいざ向かう。だが近くにあるのになかなか辿りつかない。しかも風がどんどん強くなる。雪でないのが本当に幸いだが、風はやはり冷たい。しかしもう目の前、一歩一歩、歩みを進めた。そして直下に差し掛かったその時、最後の試練が待ち受ける。巨大な雪壁の出現だ。ここまであまり雪はなかったのだが突如として現れた白い大きな壁。直上。ただもう行くしかない。
雪壁にピッケルを刺しながらゆっくりと歩みを進める。落ちたら終わりの強風の中、一歩一歩。ゆっくりと、、そして、、雪壁をなんとか乗り越える、あとは山頂までの岩稜歩き。さあ、、いざ登頂。11時。すると、、強風が嘘の様にほぼ無風状態に。
静寂と絶景が私を包み込む。周りは快晴。富士山、北アルプス、八ヶ岳、日本の山々がなんでも見渡せる様な場所にただ1人…こんな贅沢は、、、ない。
人生でもなかなか出会えない。どっぷりそこに浸った。。11時半、風が吹いてきたので下山を開始。
降りると直下は更なる豪風。肌を露出していたら1発凍傷の極寒世界、足早に降りた。そして8本歯に戻り後ろを振り返ると、北岳の壮大なバッドレスが語りかける。またいつでも来い!そんな気がした。歩みを進め小屋に16時到着。12時間山行。本当に南アルプスは長い、が総じて穏やかだった。小屋でまた、生姜たっぷりのお雑煮を雨宮さんが作り、コレまた激ウマだった。小屋泊。7時就寝。本当に長い1日だったが最高だった。

30日(金)

6時起床、ゆっくりと下山準備をし9時下山開始。急登を降りに降りる。途中、「相棒と見る世界」YouTuberさんにお会いした。なんだかんだ、コレが相当に嬉しかった。雨宮さんと大興奮。凄い優しく温かい人だったし相棒も良い笑顔の人だった。3時間の林道歩きの末、、15時に駐車場へと到着。本当に本当に長いが充実した3日だった。2022年の登山終了。色々とあり過ぎた1年だったが最後、綺麗な景色で終われた事は嬉しかったし、安全に戻れた事に感謝です。2023年の最後はどの山に行ってるのか、、など考えながら帰路に。
あの堂々たる北岳の山容は、、忘れない。

(記: 大江)

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