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中央アルプス 西横川 沢登り

12.30mの大滝日時 : 2004年10月17日(日)夜行日帰り
参加者: CL掛川義孝・飯田平八郎・清水清二・牧田達也・塩足京子・和内優子
   : (静岡山岳会) 掛川浩世・小野田和世
報告者: 塩足京子

今年の秋は、台風や秋雨前線のおかげで全く憂鬱な天気が続く。先々週10月9日も、近年に無い勢力を持つ台風22号が静岡に上陸した。(この原稿を書いている正に今も、上陸したばかりの台風23号の被害の大きさを盛んにテレビが伝えている)おかげで体育の日の連休、楽しみにしていた山の計画は中止。散々なものであった。天気予報もあてにならない長雨が続く中、いい加減にせよと祈りながらこの日を待った。その日10月17日、雲ひとつ無い朝を迎えることができた。

夏前から秋の沢を計画していた。秋晴れの中、紅葉の美しさでは定評のある中央アルプス千畳敷カール近くに突き上げる西横川沢をである。今年最後となるであろう沢山行を彩るには、良い沢であろうと思われた。山行メンバーに、今月入会したばかりの和内優子さんが参加された。沢は始めてとのことであったが、至極積極的な様子に是非参加してもらいたい。しかしである。この沢に入渓したことのあるもの者が、我々の中には誰もいなかった。そうなると、初心者を連れていくのはいかがなものかとなる。そこでお助けマン、掛川夫妻の参加をお願いすべく、当初は金曜日夜発であった計画の調整を行うことにした。ご夫婦はこの夏(2004年7月11日)この沢に行ってきたばかりである。掛川婦人であるURAN女史の参加で、静岡山岳会の小野田女史にも参加していただけることになった。リーダーには掛川さんになっていただき、飯田さん、清水さん、牧田さんと私、男性4人女性4人の総勢8人のパーティとなった。

前日16日(土)夜、我々関東組5人は、新宿午後8時30分発の高速バスに乗って駒ヶ根に向かった。深夜0時過、駒ヶ根駅前の駐車場で静岡組3人と合流する。軽く仮眠前のお酒をいただき、早朝4時起床。4時30分、予約していたタクシーに乗車し、掛川車をデポする為、菅の台経由でしらび平に上がる。今日の天気の良さを保証するかのような、冷え込んだ朝である。さっきまで頭上には、満天の星が輝いていた。入渓点はしらび平直ぐ下の横沢で、歩き出すには未だ暗く、ここで朝食を摂る事にする。寒さを防ぐのに格好の、なぜか出入り自由の据え置き型のロープウエイ・ゴンドラがあった。

6時発。とても沢に入りたいとは思えない寒さである。沢靴こそ履いてはいるが、ウエアー装備はまるで冬山。靴もぜったい濡らしたくないと思いながらの入渓である。それでも2時間程経ち陽が高くなるに従がって、着ているものを次々に脱いでいくことになる。当初、駒ヶ根駅発6時の始発バスでしらび平に行くことを計画していたが、今回は人数も多い上に初めての方もいるということで、タクシーを使って1時間30分早い行動とした。おかげでのんびりと天気の良い秋の沢を満喫できるのかと、暖かくなった陽射しのもと8時30分ゆっくりと休憩を取る。下界の緑の樹林帯をバックに、赤く紅葉した一枝が印象的に輝く。遠くには青い空の下、南アルプスが幾重にも重なって霞む。

慎重を第一としたペースで遡行する。今回初めて沢靴を履く和内さんの緊張振りは、誰の目にも明らかである。小滝を幾つか越えていくが、怪しそうなところでは、ことごとくザイルを出しプルージックを取る。そのペースで行く為か30mの大滝を越えた10時を過ぎた頃、前に続くナメの状態を見ながら先頭を行く掛川リーダーが『 前回こんなに悪かったかな…。ルートを間違えたかもしれない』との声を上げた。ここでしばし検討が行われることになる。1時間程前に通過した二股まで下ろうかとか、偵察に行こうかということが言われたが、最終的には-ここに残置シュリンゲがあること、ここで下降した場合もはや登り返す時間は無くなるであろう-との判断でこのままこの沢を遡行することとなる。少し歩を進めた所でURAN女史の『渓状に覚えがある』の言葉に安堵することになる。シーズンやペースが変わると、山の印象は随分変わってしまう。沢の場合はことさらであろう。

それから以後も、掛川リーダーの慎重振りは変わることなく、確実な確保を第一としながら連続するナメ状の滝を越えて行った。陽が当たるとはいえ、時々浴びることとなる沢水はやはり冷たい。奥の二股で12時になる。天気は相変わらず上々で、少々ペースは遅いが焦ることはない。ここで左の沢に入り、間もなくゴルジュの中の30mの大滝。前回掛川夫妻は、ここの大滝が他のパーティで混んでいたため右岸を巻いたとのこと。しかし、この巻きがかなりヤバかったらしい。今回は入渓時より他のパーティには会っていない。最後までこのルートは我々の独占であった。この沢のハイライトであるのこの滝を直登することを、URAN女史は楽しみにしていたようである。果たして落ち口を抜けたところで袖口から水が入ったらしい。私が遅い順番でかなり時間が経過したところで見た彼女は、谷の早い日陰の薄い陽射しの中で、心持震えて待っていた。

ここを過ぎると間もなく水は涸れ、長谷部新道は近い。ここからURAN及び小野田女史と私の3人は、先に長谷部新道に上がって靴の履き替えを済ますことにする。特徴的な人物写真入りの遭難プレートのある長谷部新道に着いたのが2時30分。30分程待って全員揃う。ここからトラロープが張られた道を、千畳敷に向かって行くことになる。谷を出るとまだまだ暑いくらいの秋の陽射しを浴びながら、白い樺の幹の続く登りも下りも無い水平な道を行く。さすがに和内さんは、初めての沢にいささか疲れた様子で歩かれていた。懲りちゃたカナ…。少々彼女の心情を心配したりもしたが、後に帰りの電車の中で伺うと、この長谷部新道を歩いている間、今までに無い充実した時間を持てたことに深い感動を覚え、その感激に浸りながらの行程であったらしい。普通の山の下山時は、辛い下りにやがて泣きが入ることとなることも多いものであるが、今回はロープウエイを使っての下山である。平和的なこの道が彼女にそういう時間をもたらしたのかもしれないが、こういう感想を持ってくれたことがうれしい。やがて4時30分、ゆっくりと歩き、たっぷりと秋の陽射しを浴びることのできた秋の沢山行は、千畳敷のロープウエイ山頂駅で終わることになる。5時30分、最終のロープウエイから見る駒ヶ根の夜景がきれいであった。和内さん、また御一緒しましょうね!

今回のこの山行に、清水さんが出かける当日に発売されたばっかりの新製品、オリンパスのデジカメを購入されてきました。とっても小さくて軽いこのデジカメは、文字記録の他にボイス記録もでき、何と優れものかと。写りの結果はホームページでね!

◎交通費
ハイウエイバス 新宿~駒ヶ根      ¥3,150(回数券使用)   
 タクシー    駒ヶ根駅~しらび平   ¥5,670(1台 早朝割送迎代含)
しらび平~駒ヶ根駅   ¥4,860(1台 送迎代含)
ロープウエイ  千畳敷山頂駅~しらび平 ¥1,180
 JR      駒ヶ根駅~新宿     ¥6,620(スーパーあずさ使用)

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