HOME >>沢登り

南八幡平 葛根田川溯行

日時  : 2005年9月17日(土) ~ 19日(月) 前夜発

参加者 : CL清水清二・塩足京子

報告者 : 塩足京子

9月16日(金)

東京駅20:04発の東北新幹線に乗車、盛岡駅22:27着。今宵は、ここで仮眠を取る。駅裏の駐輪場に出る人通りの少ない出入口のシャッターの外で、シュラフカバーを広げる。高層ビルを眺めながら、屋根のないところでのお休みである。

9月17日(土)(曇りのち晴れ)

いつの間にかシャッターも開き、盛岡駅5:22発の田沢湖線で雫石に移動する。雫石駅5:37着。予約してあったタクシー1台が待機。計画書を提出する為に、交番に寄って滝ノ上温泉に向かう。滝ノ上温泉の駐車場を通過し、県道終点地である葛根田地熱発電所のゲートまで入る。6:10着、タクシー代¥5,860。滝ノ上温泉の駐車場には、掛川さんの車が置いてあるはずだ。

ずっと続く地熱発電所のパイプと噴出する蒸気に驚きながら、橋を渡り葛根田川を左手に見て歩く。堰堤を2つばかり見送り20分程歩いたところで入渓点とする。沢靴に履き替え7:10発。ゆったりした川幅の葛根田川をのんびり歩く。せいぜい膝上までの渡渉に緊張は無い。8:00秋取沢着、10分程休み8:40大ベコ沢(698m地点)着。出合いの、カモノハシの鼻先の様な形の大岩を流れる水のラインに声が出る。ここでも10分程休む。実はこの2ケ月程、私の腰の調子が悪い。こんなに重いザックを背負っていては、治るものも治るものではない。が、行きたい時には行きたい。爆弾を抱えているようなものであるが、爆発しない様に騙し騙し行くだけだ。腰痛がひどくなる前に、休ませてもらう。この先から深い淵が見られるようになる。

一枚岩が釜状に深く掘られ、誠に美しい造形だ。お函と呼ばれるゴルジュ帯は、ゴルジュではあるが人一人が通過するのに問題無い張り出しを持って形成されている。ゴルジュ帯のお釜を覗くのに作られたような天然の通路だ。青い筋を持った岩に魅せられる。9:45ゴルジュ帯の中で左から20m程のナメ滝が入る。大石沢10:05着。掛川夫婦が2日前、ここで幕営したはずだ。今日は3~4人用のテントが一張あった。後に、この持ち主と出会うことになる。ここで40分程ついのんびりしてしまった。流石にそんなにゆっくりしていたら、すっかり寒くなってしまった。晴れているのに、又、大して濡れてもいないのに、真夏とは違う空気の冷たさである。そういえば虫にも悩まされることもない。1ヶ月も経つとこうも変わる。11:15滝の飛沫を浴びながら、沼ノ沢を横切る。11:20中ノ又沢通過。11:35葛根田大滝を確認する。大滝はしっかりした踏跡のある左岸を高巻くが、高巻きの下り口が大滝のやや真上にあたり、重い荷物を持って振られると15mスコンと落っこちることになる。4m程のクライムダウンを、清水さんに荷物を持ってもらって私は空荷で降りる。ここまで来れば、今日の宿泊予定地である滝ノ又沢との出合は目と鼻の先、暫し滝上からの滝壺の景観を堪能する。滝ノ又沢との出合は、絶好の幕営地と聞き及んでいる。岩魚を釣るのも楽しみに先を行くのであったが、釣り下ってくる人影を見て厭な予感がした。3人パーティーの内の1人の網びくを見て驚いた。20匹位の岩魚がそこにあった。先の、大石沢出合にテントを張ったパーティーである。3人でその岩魚どうするの!岩魚づくしの晩餐もやり過ぎじゃないの

滝ノ又沢との出合には13:00前に着。左岸に真平らなグランド状の台地であった。先の大石沢パーティーから、既に1パーティーが入っていると聞いていたので、網びくの岩魚に加え更にブルーな気分でいたが、真平らな、しかも誰もいない幕営地に小躍りしてしまった。数箇所の焚き火の跡がある。3パーティー位あっても何とかプライバシーは保てそうであるが、心の狭い私は独り占めの快感を味わいたい。しかし間もなく男2人のパーティーが入ってきた。我々が焚き火を作って「冷し中華」の遅い昼食を作り始めた頃、この男性2人は釣竿を持ち、それぞれ滝ノ又沢と北ノ又沢に入って行った。「あぁッ!もう岩魚は絶望的!」私の心が叫んだ。それでも暗くなる前、気を取り直しハンゴー炊飯を清水さんにお願いして北ノ又沢に入った。如何にも岩魚がいそうな滝壺が直ぐにあったが、散々掻きまわされたところなど、私如きがヒットできるはずも無い。もう少し上に行く。やがて左から6m程の滝の掛かる沢が落ちている二俣に来た。明日はこの滝沢を登る。釣竿を持った今日の私は、そのまま水量の多い右を行く。傾斜は無くなり釜も無いが、それでも小さな落差のところに竿を入れてみた。来た!‥‥。小さな命を二ついただいた。小さな命に卵も詰まっていた。その夜、清水さんに作っていただいた「ちらし寿司」と「ハーブソーセージのスープ」「岩魚の卵の酒醤油漬け」そして「岩魚の燻製」。これが今年最後かなと思いながら、いつまでも小さな岩魚を焚き火であぶっていた。チビリチビリと飲やりながら燻製が出来るのを楽しんだ、秋の冷え込みを感じる夜であった。!

9月18日(日)(曇りのち雨)

5:30過ぎ、明るくなって起床。空はどんよりしている。朝の焚き火で暖を取る。8:00溯行開始。直ぐに昨日確認した左の滝沢に入る。水量比1:2でこちらの方が少ない。ここを越えると平坦な歩きが続き、間もなく3:2の二俣(934m地点)になる9:00着。ここも水量の少ない右を行く。前回の白神山地の藪コギを反省し、今回はしっかり下調べをしてきた。快適なナメ沢を40分程も歩くと20mの滝にぶつかった。右岸を急斜面の直登で高巻く。続いて10mの滝、右の壁に立て架かってあった木を利用して尾根に上がり、藪コギで難無く突破する。その上の二股を左に入り、その後、右、左からの沢は、水量の多い方を選んで源頭を目指すことにした。やがて水が涸れる辺りで水筒の水を補給。間もなく藪に入ったが、5分位の藪コギで道に出た。1,168m地点である。ドンピシャであった。思わず清水さんと握手を交わす。11:00前であった。

ここまで、私の腰はおとなしかった。藪コギも物足りないくらいで終わってしまった。後3時間も歩けば大深山荘である。しっとりと雨も降り出した。松川温泉に下って極楽気分を味わうのもいい。起伏の無い山道の深い森を抜けると、山上湿原が点々と広がる。魅力的な湿原の花々を愛で、晴れていれば岩手山が見える筈だ。今回の山行の余裕に満足感を覚えた。しかしそれも束の間、歩き出した早々緊張感から解き放たれた私の身体は、我が儘を言い出すように私を困らせ始めた。30分の歩きが1時間に思える。2時間も歩き通したかのような疲れを腰に感じ、私の歩きは1時間が限界であった。地面に額を付け「アッラーの神」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です