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西ゼン単独遡行

日程: 2007年8月24日(金)
山域: 西ゼン(上越)
参加者: 坂田
行程: 仙ノ倉林道ゲート(6:00) – 平標新道吊り橋(6:11) – 西ゼン出合(6:53) – 6mチムニー(8:14) – 第一スラブ帯 – 2段8m(8:40) – 第二スラブ帯 – 6m黒滝(9:28) – 稜線(11:18) – 平標山頂(10:35/10:45) – 仙ノ倉林道ゲート(12:35)

この週末は赤石沢を予定していたのだが延期となったため、思いつきで西ゼンを計画した。この沢は、全くの初心者として入会した際に計画してもらった新人歓迎山行として遡行したことがあるのだが、強烈なインパクトを残した。80%を占めるスラブ帯のスケールもさることながら、東ゼン出合い付近でスリップして前歯を3本へし折るという体験が忘れ得ぬ沢として、トラウマと共に記憶に刻み込まれたのだ。ナメ滝に足を踏み入れようとする度に全身を戦慄が貫く感覚に襲われるトラウマ。あれからもう5年。トラウマの精算と自分の成長ぶりを確かめたい気がした。

前夜22:30頃に自宅を出発。レンタカーで仙ノ倉林道ゲートへ向かう。単独行は久々、沢では初めてだ。これまで二度(11月の富士山耐寒訓練&12月の五竜岳)経験したが全て敗退。今回はどうなることやら。2:00頃到着したが、金曜日のためか駐車している車はない。シートを倒してそのまま寝る。

6時まで寝てやろうと思っていたのに、5:00頃、車の音で目が覚める。ガチャガチャいわせているところを見ると、西ゼン狙いのようだ。5:30頃にはチャリ(!)で林道を駆け抜けていった。早っ。周りを見渡すと赤い橋が。5年前の記憶とピッタリ一致した。掛川さん、この出発時点で迷ってたな~と懐かしく思い出す。なんでこんなとこで迷ったんやろ~(笑)。つられて予定より早く6:00に出発。

平標新道は所々で水が流れており、すぐに靴がずぶ濡れ。西ゼン出合は道標があるので明瞭だ。水がかなり冷たい。お盆に遡行した双六谷より冷たいかも、と驚きつつも出合い付近はどうってこともない渓相。ほんとにこれが西ゼン?と疑いたくなるくらいだ。けれど30分も遡行するとナメ滝が現れ、スラブ帯がまでずっと見通せるようになりいよいよ、という気分になる。今日はなんだかいつもよりずっこけが多い気がする。独りでテンションが上がっているのか、足が空回りしているのか…気を引き締めねば。

Nisizen1 スラブ帯までの滝は多くが釜を持つきれいなナメで、ウォータースライディングを存分に楽しめそうだ(楽しまなかったけど)。特に水流沿いは良く滑る。想像していたよりはずっとフリクションが効いて快適に登れるのだが、いかにも、という感じのところでは一気に滑り出しそうだ。水流の右側(左岸)をたどりながら、不安を感じたら草付きの方へ寄っていけば良い。草付きへ入り込む程に高度が上がるすり鉢状のため、スリップするなら水流に近い方が安心感あり。ただ、一ノ倉のような悲劇的(?)な草付きではなく、頼もしい草付きだ。

東ゼンの出合いまで来ると視界が広がった感じで、スラブに取り囲まれる。この臨場感はこの沢の特色だろう。東ゼンに見える滝も素晴らしく、きっと何人もの人が「次回はこっちだ」と考えていると思う。前回スリップしてしまったところは…何でもないところだった。今なら10回登ったところで滑りはしないだろう。顔面を強打した時の衝撃や、冷静な周りの反応なんかを思い出しつつ進む。

6mチムニー滝・2段10mを左に小さく巻くと第一スラブ帯へ突入!今回、どれほどスラブ帯が小さく見えるのだろうと思っていたが、この広がり感は大したものだ。さすがに、幅が200mもあるダムが目の前に現れたと以前に感じたほどではないが…。個人的には第一スラブの方がすっきり感があって好きだ。左側から取り付き、適当なバンドを使って右側へ。振り返ると高度感がある。Nisizen2 縦横無尽にクラックや襞が走っており、手掛かりや足掛かりには困らない。見覚えのあるクラックに出くわし、記憶がよみがえった。URANさんとロープにつながれて登ったところだ。ほんとにへっぴり腰だった。なかなか一歩を踏み出せず、かなり時間が掛かったと思う。痛みで頭が朦朧としている中で、掛川さんの「早く安全地帯へ移動しろ」という怒鳴り声を聞いた。先輩達は安全に対して厳しい。自分はどうだろうか、などと思っている内に登りすぎたようだ。第一スラブ帯の落ち口へ下がり気味にトラバース。

第二スラブはかなりでかいが、草付きに覆われているためか、広がりよりも長さを感じる。どこでも登れそうだが、傾斜があるので慎重にルートを選びながらゆっくり登る。最初は水流の右側、途中で水流を横切ってすぐ左側を登っていったのが、ツルツルヌメヌメで2歩分くらい手掛かりのないところへ出た。最も嫌いなシチュエーション。意を決して二歩踏み出すが、トラウマにスイッチが入ってしまった。2歩分だと思ったのは乾いた岩での話しで、ヌメヌメなのでほとんどすり足でしか進めず、6歩分くらいあると分かって動けなくなってしまったのだ。後退し、より水流沿いを選んで突破。怖かった~。

Nisizen3 第二スラブが終わると3m程の滝が現れる。ここも懐かしい。第二スラブの恐怖から解放され、ここへ来る前に登った初めての沢(初めての山行)、小川谷廊下のような快適さを味わったところだ。かつ、掛川さんがロープを置き忘れたところでもある(後で取りに戻った)。6mの黒滝を迎えると西ゼンの遡行は終わったも同然。クマザサの藪へ突入だ~今から思うと早すぎたかも。前回はもっと水がなくなるくらいまで遡行した記憶がある。何より笹が太すぎ!もちろん背丈よりも高い。踏み跡があるから良いものの、途中で折れた笹は竹槍のごとく体に突き刺さり、半袖の腕なんかは傷だらけ。お気に入りのジャージが10cmも引き裂かれてかなりブルー。頑丈な笹は2本くらいまとめて持つだけでスゴイ保持力を提供してくれるのはありがたいが…。

登るにつれて笹は細くなり、踏み跡を見失ってもガンガン進める。笹が首から下というだけでこんなに楽とは!目の前に池塘が現れ、平標新道へ出た。15分ほどで山頂。ガスって来てあまり視界がない。ちょうど先行の人が降りてくるところだった。遡行中に抜けなかったのは悔しい~。再び晴れてきたので苗場なんかの景色を堪能しつつ、せっかく持ってきた行動食に手を付ける。

平標新道からはスラブ帯の全体像が見渡せる。これは最高!やっぱでかい!!ただ、山頂付近では刈られていた笹は途中からそのままにされ、足下が見にくいのが難点。写真を撮っている先行者を抜いて駐車場へ。前回の下山は20時になっていたかも。終電ギリギリだった。今夜から北鎌尾根へ向けて出発せねばならないので、半日で終えられたのは良かった。ちょっとは成長したかな。

(記: 坂田)

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