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錫杖岳

日時: 2006年8月12日(土)~2006年8月15日(火)
山域: 錫杖岳(北アルプス)
参加者: 坂田(L)・国府谷・後藤・廣岡・坂本・平野
行程: 8月12日(土) ベース設営
         8月13日(日) 3ルンゼ(国府谷&坂本・坂田&廣岡)
                           1ルンゼ(後藤&平野)
          8月14日(月) 左方カンテ(国府谷&廣岡・坂田&後藤・平野&坂本)
          8月15日(火) 1ルンゼ敗退(国府谷&廣岡・坂田&坂本)
                             3ルンゼ(後藤&平野)

今回で夏合宿は3度目だが、初めてリーダーをやらせてもらうこととなった。今期は強力な新メンバーをたくさん迎えることとなり、いよいよ自分の希望を実現するときがやってきた、とばかりに張り切るところまでは良かったが、反省点が多かった。

それでもチームとしては素晴らしい団結力を発揮し、天候にも恵まれ、大きな事故もなく錫杖岳のクライミング計画は成功に終わった。メンバーの方々に感謝!!

当初は、沢好きのメンバーが揃ったということで双六谷を計画していたのだが、今シーズンの北アルプスは雪渓が異常に多いということで、直前に計画を変更した。釣竿やらウエットスーツやらの投資を伴う準備がほぼ整ったところでの変更であったため、メンバーには迷惑を掛けてしまった。さらには錫杖岳のクライミングということで、急遽全員にダブルロープを購入してもらうことになった。

錫杖岳はメンバー全員が初めてということで未知数なところもあったが、いざ登ってみるとお勧めできる熱い山であった。

・アプローチ良し(ベースまで重荷でも1時間半・取り付きまで30分)
・見栄え良し
・見晴らし良し
・日当たり良し
・水場良し
・グレード良し
・岩良し(◎)
・支点良し

と初めての本チャンとしても適当であり、週末に取り付く本チャンとしても適当であり、先鋭クライマーも注目のハイグレードを求める人にも適当なのである。

8月12日(土)

前夜発のさわやか信州号にて上高地へ向かい平湯へ。先行して霞沢岳へ登っている平野さんと合流し、さらにバスにて中尾温泉口へ移動する。槍見館の裏側にある元公衆電話ボックス(現在は計画書投函ボックス)が目印の登山道へ入る。双六谷計画の際は、いかに軽量化するかということが話題になったというのに、皆の荷物が重量級だ。しかも暑い!先頭を歩く国府谷さんが珍しくのろいというのに引き離され、30分ごとにレストを要求した。

迷うことなく錫杖沢出合いに到着。既にテントが3~4張程度設営されており、スペースがほとんどない。錫杖沢を登ったところに岩小屋があるはずなので偵察に行く。なかなか良い場所なのだが、思ったよりも狭く、2張はきつい。それに荷物を引き上げるのもイマイチなので、出合いに張ることとする。スタードームはでかいのでやや高台にある通り道を占拠することになった。

通常、ベース設営地のもう1つの候補はクリヤ谷の岩小屋だろう。翌日の3ルンゼの下山で通過したが、なかなか広く、錫杖沢の岩小屋よりも良い感じだ。しかし、クリヤ谷の水質は評判が悪い。見た目は清水で飲めそうなのだが…。

関西支部の丸尾さんから安達さんに届けられた素麺を差し入れしてもらったので(ありがとうございます)、今日は流す気満々だったが、雲行き怪しく間もなく雨。テントの設営がギリギリ間に合った感じ。初日からついてないと思ったが、間もなく上がった。無事に素麺大会を始められたが、ざるを持ってこなかったこともあり、流すことは叶わなかった。しかし、うまい!やっぱ夏は素麺だ。やたらにうまかった記憶があると思ったら、坂本さんがみかん缶を3缶も担いで来てくれたのだ。今回の食材は何も言わずともみんなが気合いを入れてくれて、生々しいもの・肉々しいもの・重々しいものでてんこ盛り!それでいてアルコールも切らすことがなかった。ベース方式、なんだか癖になりそうだ。

さていよいよ、と言いたいところだが、この日は雨に降られて偵察すらせず、飲み食いだけで一日が暮れたのだ。1日目の食当は祐介。十分に発酵した納豆の臭いの記憶が残っている。

8月13日(日)

ガスっているがまずまずの天気。全日3時起床でこれが辛い。入会以来始めて炊テンから外れたためか起こされる羽目となる。うまくて黄色いリゾットを平らげて6時前出発。昨日の反動か軽すぎるサブザックに体が軽い。なんとアプローチは30分ほど。踏み跡もしっかりしていて、これはおいしい。

今日は1ルンゼ・3ルンゼ。1ルンゼのレポートは後藤・平野パーティに任せるとして、ここからは3ルンゼについて。錫杖沢を詰めると左方カンテの取り付き部に出るが、3ルンゼへは10分くらいトラバースすることになるので、アプローチはクリヤ谷経由の方が良いようだ。また、グレードが手頃な3ルンゼだが、1ルンゼと比較して人気がないらしく、支点の劣化が激しいように感じられた。記憶にあるピッチを挙げると、

3p: 傾斜があってやや細かく、前日の雨で濡れていたので1ムープに思い切りが必要だった。
5p: 人工用残置が多い。坂本さんには大変だったかも(出だしで腕力消耗&トラバースが難)。
6p: 醜態をさらしたところ。必死で狭いチムニーを抜けようと頑張っていたのに、廣岡さんのアドバイスで右側を見ると難なく抜けた。
7p: 廣岡さん初トップ。II級の草付きでバケツっぽいし大丈夫だろうと思ったが、意外に苦戦。支点もないし、つまらないところをお任せしてしまった…。こういうところは坂本さんが得意のようだ。全体を通して二人のキャラが良く表れて面白かった。

想像していたよりもずっと快調でスピーディに登れた。今年入会したばかりの廣岡さん・坂本さんの力量が高いからだろう。気合いも十分(重要)!

3ルンゼは懸垂支点が充実していないこと、緩衝部にガレが溜まって落石を引き起こしやすいことから同ルート懸垂には向いていない。ここは、ガイドブック通り反対側を降りることにする。1ピッチ15メートルくらい降りた後は へ向かってトラバースし、ひたすらFIXに従って下降。ややしょぼいFIXなのだが、体重を預けるところもありスリリング。一度でかい坂本さんがスリップしてビックリしたが、自らの判断でしっかりプルージックで確保していたので何事もなかった。感心感心。

FIX地帯が終わると後はガレ場下り。途中クリヤ谷沿いの一般道と合流してベース到着。1時間余りだったと思う。

この日も夕立があったが軽いものだった。食当は廣岡さんでスパイシーシュリンプカレー(隠し味は期限切れのきのこカレー)。ここで豚の角煮が3パックも登場!ボリュームたっぷりでうまかった~嗜好品担当のこーやさんからは丸ごとキャベツ。つまみには事欠かない。なんと丸ごとキャベツは坂本さんも持参していたのだ。1升の鏡月に泡盛・焼酎を前にして幸せであった。素晴らしい山岳会だと、自画自賛。

8月14日(月)

朝食はラーメン。干し椎茸がうまかったので次回からの参考にさせてもらうことにしよう。早朝は少しどんより感があったが、日の出の後は日差しが照り付けてきた。今日はこのエリア人気No.1の左方カンテ。早速京都の山岳会とバッティングする。僅差で先着出来て良かった。全メンバー同じルートに取り付くということで、待たされる方はイライラしたかも。それでも前日に続いて快調に登ることができ、追い立てられることはなかった。こんなに大勢で登るのは初めてだが、賑やかで楽しい。取り付くパーティも多くて記録が豊富なので詳細は省略するが、印象に残ったのは何と言っても8p目。でっかい一枚岩の中で、抜けて回り込んでからもぐずぐずした。ハーケンを打った。

後続パーティが登って来ていたので料理店の方に懸垂下降したかったが良く分からず、2ピッチは同ルートを懸垂させてもらう。後続パーティには快諾してもらい、感謝。3ピッチ目以降は後続パーティが多そうなので反対側を下降。結果的に当初予定した下降ルートとなった。3ピッチで下降完了。1ピッチ目はトラバース気味の短い下降。2ピッチ目は50m一杯。最終ピッチは40m程度か。最終ピッチの支点は怪しげだったので、国府谷・平野・坂田の3名が残ったところでハーケンを打つ(平野さん寄付)。

この日は夕立もなく星空に恵まれた。星が明るい。平野さん十八番の豪快な焚き火。この日は坂本さん食当でマーボーナス(キャベツ・ナス・ピーマン・玉ねぎ、全てが生)。発泡酒がうまい!

8月15日(火)

朝から快晴。朝食は蕎麦。早くも最終日だ。1ルンゼ・3ルンゼをメンバー入れ替えで登ることとなった。

1ルンゼは3ルンゼと比較して全体的に傾斜が強い。そこそこの人気があるようで支点類はしっかりしていた。2p目の核心を抜けるところでで坂本さんが膝を強打。痛みがひどいようなので国府谷さんと下山。結果的には大事にいたらず良かった。廣岡さんと残りを継続したが、7p目でルート取りを誤ってしまいセミとなって張り付いてしまった。1時間も格闘。1ルンゼは3ルンゼと違って素晴らしい日当たりに恵まれ、その間廣岡さんは暑さとの戦いとなったことだろう。何とか降りることが出来たが時間切れ。廣岡さんには申し訳なかったが敗退を決めた。ベースに戻ると既に3ルンゼを登った平野・後藤パーティが待ち侘びていた。

下山は1時間ほどだったが、軽くなったはずの荷物が重く感じられヨタヨタ。暑い。先行して下山した国府谷さん・坂本さんと槍見館の前で合流。ここは外来の受付時間外だったので、平湯の森で入ることとなった。うまい具合に新宿行のバスに空席がありラッキー。ただ出発まで時間がないので風呂も食事も大慌て。けど生ビールのうまさが全身に浸透した。ビールといえば車内用の買い上げ済みのものを廣岡さんが店に頼んで直前まで冷やし続けてくれていた。その労力を惜しまない姿勢に感動。今回はマメなメンバーが揃ってかなり楽させてもらったなぁ。

ここでみんなとお別れ。明日から久世さんと屏風岩なのだ。17:05のバスで上高地へ向かった。

One thought on “錫杖岳

  1. 錫杖岳には数多くのルートが開拓されており、アプローチも比較的手軽な事から関東近辺からも多くのクライマーを迎えている。
    近年登攀ルートは注文の多い料理店と、左方カンテ・1ルンゼに人気が集中しているようだ。
    今回人気の高い1ルンゼを8月13日に後藤・平野ペアが登攀したので感想をコメントしたい。
    1ルンゼは全体に日当たりも良く、背後に焼岳から穂高連峰の稜線を眺める事が出来、展望に恵まれた明るいルートである。
    フェース・カンテ等変化も多く、また濡れている箇所もほとんど無い事から、ルンゼの名前から思い浮かべる暗いイメージはない。
    ビレーポイントも適度にしっかりした支点があり、途中の切り方やルート取りをいくつか選択出来るので、ルートファンデングも楽しむ事が出来る。
    核心部は8P目のかぶり気味のフェースであり、途中フィフィで一息入れた後A0で越えたが、高度感も味わう事が出来、非常に快適なルートだった。
    終了点からは、3ルンゼを登攀している坂田パーティーと合流すべく2ルンゼルートを懸垂下降したが、ルート上の懸垂支点が良く分からず50M一杯伸ばし、手頃な潅木で2回目の懸垂支点とした。その際セルフビレー用のハーケン1枚を残地した。
    3・4回目の懸垂支点に残地されたテープ等から今シーズンは登られた形跡が無いように感じられ、やはり雪のシーズン以外は人気が無いらしい。
    1ルンゼの登攀終了後はそのまま同ルートを懸垂下降するのが一番良いと思う。
    全体の印象としては、週末の土日を利用して再度訪れたいと思える程、ベースへのアプローチやしっかりした岩の状態など、とても楽しいルートであった。
    坂田リーダーには500ccのロング缶ビール18本の荷揚げに感謝したい。お陰で毎晩楽しい酒の席を今回も皆で満喫出来た。

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