大同心大滝

日時: 2009年2月22日(日) 前夜発
山域: 大同心大滝(八ヶ岳)
形態: アイスクライミング
参加者: 国府谷(L)・広岡・土井

Daidosin_4s  今シーズン3回目のアイスは日曜日に夜行日帰りで八ヶ岳へ。
土曜日22時すぎに美濃戸口の駐車場に着いてそのまま車中泊。
エスティマに3人寝るのは結構シンドかった。
翌朝は頑張って4時起床5時出発。途中美濃戸までに何台かのクルマに抜かされながら7時すぎには赤岳鉱泉に到着。
支度をしたらいざ大同心大滝へ。
大同心ルンゼはトレースがばっちりで先行Pがいる様子だが、やっぱり5人パーティの一人が左のラインをリード登攀中。
ホントは、一番易しそうな左側のラインを登りたかったん
だけどな。
仕方無いので一言断ってから右のラインを登ることにした。
ビレイ点は大滝のナメが始まるところの右側にすこし陰になっているところ。真ん中は危なくて居られない。
初めのナメを登って大滝の垂直部下部でまず1本スクリューを入れる。
Daidosin_1s見上げると、おもいっきり立ってる!!
おいおい、大丈夫か? おまけに少々ツララ状だし。
最初は1mも登らないうちにヤバくなりクライムダウン。
と思ったら、リーシュから手首がスッポ抜けて訳が判らず
テンション。膝打った。(1週間経った今でもまだ痛い)
もうこの時点で小同心は無くなった
もうこれは、格好は考えずとにかく抜けなくては、と思い直して
バイルにテンションをバリバリに掛けて登る。
しかーし、3本目のプロテクションを取ったところでギブアップ。
この間、どれくらい時間が経ったのか…。
2m位しか上がってないじゃん。
下には順番待ちのクライマーが10人くらい増えてる。
仕方ないので、右岸から高巻いてトップロープの設置をすることにした。Daidosin_2s
このまま終わったら一緒に来てくれたDさん、Hさんに申し訳ない。
でもこれも思ったより悪かった。一応ロープをだした。
まだ他のパーティも登っているので空いている部分をぬって左のライン
と右のラインを順番に1回づつ登って終了。
午後になって陽があたるようになり、気温が上がったのか、水が滴っていて、
Daidosin_3sサングラスに水滴が付いて見辛かった。
Dさんはサングラスを投げ捨ててた。
少しだけ、左のラインのほうが登り易いようだが、傾斜の違いよりも氷結状態の違いのようにも感じた。
急いで撤収して、美濃戸口の駐車場に戻ったときは5時になっていた。
その後はいつものコース!?で帰宅。
ガーン…大同心大滝ってこんなに難しいんだ。
いままで登ったIV+の滝と全然ちがった。
センスなさ過ぎだな。また来シーズンはイチからやり直しだよ。

(記: 国府谷)

尾白川刃渡り沢

日時: 2009年2月1日(日) 前夜発
山域: 尾白川刃渡り沢(南アルプス)
形態: アイスクライミング
参加者: 国府谷(L)・広岡・土井

Hawatari_1s 1月31日(土)の天候が悪く、当初の駒津沢から日帰り可能な刃渡り沢に計画を変更した。中央道韮崎インター下りて20分ほどにある道の駅の駐車場にテントを張り仮眠。夜中、風が強くテントを打ち時々目を覚ます。2月1日午前6時過ぎに出発。林道の、車で行けるところまで行きそこから歩きで約1時間少し、途中右手に見えるガンガノ沢、岩間(ガンマ)ルンゼの氷結状態を確認しながら林道の終点へ。突き当たり左にある尾白川への急な下降路を下る。

尾白川はこの季節にしては水量が多く、渡渉にやや難儀した。渡渉点から登り返して10分ほどナメやトレースのある雪道を行くと約15メートルの滝に突き当たる。ここは足慣らしをかねてゆっくり登る。ヤスリでギンギンに研いだバイルの刃先を狙い定めた氷に打ち込む。一発でビシッと決まる。次にアイゼンの前爪を蹴りこんでぐっと体を持ち上げる。とても快適だ。これがアイスクライミングの喜びだ。

Hawatari_2s そこを抜けてしばらくのところに長さ約60mの氷瀑が現われる。大きな緩やかな滝で中段ぐらいまで気を使うことなく登れる。滝の出口までの最後の5mが垂直に近い傾斜だがそれほどの難しさはない。国府谷さんのリードで難なく上がる。

Hawatari_3sそこから左上して20分ほどで「双翼の滝」に行き当たる。登攀ルートである左側の滝の状態を見るが融け出していて上部はシャワー状態だ。下部の氷の状態もあまりよくない。バイルを打ち込むと氷柱が壊れてしまいそうだ。この先もあるのでここはやむなく右岸を高巻くことにした。

少し行くと最後の大滝が現われる。しかし、ぐるっと見渡しても氷はどこも薄く、ルートである左側の滝は細く頼りない。見ると途中氷がなく岩が出ている。ここまで上がってきて残念だがちょっと登れる状態ではない。仕方がないので下部の緩傾斜エリアでバイルの打ち込みやクライムダウン、トラバースの練習を30分ほどして撤収した。

Hawatari_4s 下降途中にある60メートルの滝で今度は私のリードで2回目のクライミングをして、この日は終了とした。
帰りの林道からは甲斐駒ヶ岳がよく見え、稜線に雪煙が舞っていた。上空は相当風が吹いているのだろう。途中、珍しいものを見た。道端にカモシカの足の一部と思われるものが落ちていた。熊にでも襲われたのだろうか。

帰りは土井さんおススメの老舗の饅頭をみやげに買い、それから温泉にのんびりつかって新宿に戻ったのは午後10時すぎだった。

(記: 広岡)

奥三ノ沢アイス

日程: 2008年1月4日(金) – 6日(日) 前夜発
山域: 滑川奥三ノ沢左俣(中央アルプス)
参加者: 国府谷(L)・坂田
装備: アイススクリュー6本(F2にてビレーアンカー2本・ランナー4本)
行程:
第1日目: 上松2合目(8:15) – 二俣1550m(11:58) – 奥三ノ沢出合(14:55)
第2日目: 奥三ノ沢出合(6:41) – F1(7:05/8:02) – F2(8:18/10:00) – 雄滝(11:12/11:50) – 奥三ノ沢出合(13:30) – F1で遊ぶ
第3日目: 奥三ノ沢出合(6:45) – 二俣1550m(7:45) – 上松2合目(9:42)

Img_1094s_2 アプローチですっかり惨めな気分になった。自分に負けた。あろうことか気持ちで負けたのだ。自分のこんな惨めな姿をこの程度のところで見ようとは…!河原での踏み抜きの連続・凍った石でのスリップの連続・1500mを超えた位から膝上のラッセル・大小15回の徒渉(大きいのは半分くらい)…。確かに大変なのだが、いつものようには気持ちも身体も乗ってくれない。谷間に見える想像していた以上に素晴らしい稜線は奮起するに十分なものだったし、視界にちらつく泰から借りたブラックジャケットはライバル意識を呼び起こしてもうひと踏ん張りさせてくれるのだが、出合いまでもう200mか、というところで、国府谷さんに「ワカン履きます」と宣言した。敗北宣言に他ならない。もう1回は徒渉があるだろうし、もうゴールはすぐそこだというのに…。

出だしは快調だった。河原沿いの林道を足首程度の雪を快適に歩いた。有名な沢の割に、入山する人が少ない。この年末年始も誰も入らなかったようで、ノートレースだ。怒濤のごとく赤(+桃)テープが張り巡らされ、余計に混乱させられるくらいだ(工事用?)。バカ正直に追うと徒渉回数が増えてしまう。このテープも1420mを過ぎると突然途切れ、落ち着いた風景を取り戻す。テープが全くない有名ルートも珍しい。

このアプローチの難関は数多い徒渉だろう。水量はたっぷり。岩は氷が張ってちょっとしたジャンプすら躊躇してしまう。踏み抜いて脚が水につかることはしばしばだったが、さすがはプラブーツ、素晴らしい防水能力だ。13回目の徒渉ではとうとうでかい踏み抜きをやってしまい、慌てて靴を脱いてひっくり返すとたっぷりの水が流れ出した。革靴だったらアプローチ敗退になるとこだったが、プラブーツのインナーなら頑張れば十分乾かせる。ガスは多めに持って行った方が良いかも?特に今シーズン購入したスカルパのオメガは極薄インナーなので更に都合が良い。しかも国府谷さんが驚くくらいの軽さでフレックスもあり、ムーブをこなしやすい。さらにはシェルも極薄なのでつま先感覚も抜群だ。広河原沢で初めて使った時には足形が合わず違和感があったが、今回はシェル出しをしたので快適そのもの。スカルパの回し者かというくらい宣伝してしまったが、難点は何と言ってもこの色!アルファの黒からなんでこんな風にしてしまったのか、買うときにはかなり妥協させられた。

ついでにジャケットの話。視認度No.1のPAINEの蛍光色のアウター(雨具だが…)、正月合宿の初日にファスナーがイカレてしまった。ファスナーは山道具の弱点のようで、大抵ここから破壊が始まる。最近は止水ファスナーむき出しのデザインが当たり前になっているが、フラップは必須だと思う。ホックやマジックテープでしっかり留められるものが良い。入会して最初の冬山前に、こーやさんに連れられて買いに行ったこともあってお揃いになってしまったが、こーやさんの方も最近はムーンストーンのジャケットが勝負用になっているようなので、鵬翔公式ウエアもここらが寿命だったのだろう。相当に使い込んだとは言え、まだ寿命の半分くらいかと思っていたのだが…。代わりに今回、泰から借りたジャケット(雨具)、余りの軽さに驚いた。この軽さが動きやすさやフィット感につながっていい感じだ。新しいアウターを買う時は重量もファクターの1つにしようと思う。

ルートガイドにはアプローチ4時間、とある。どれほどの強靱さを持ってすればこれが可能なのだろうか?夏の沢登りのコースタイム?戸台のアプローチもかったるくて好きになれなかったが、その比ではない。

Img_1101s 整地の楽な小さいテントを張り、F1を偵察。水は本流からゲット(徒渉は避けたいがこれは楽)。夕食は火鍋。このメンバーにしては肉も入って久々に豪華だ。辛過ぎやしないかと心配したが、うまかった。

おっと、沢の概要くらいは書いといた方がいいかな。奥三ノ沢は滑川支流最大でF1・F2が核心の三沢岳へ一気に突き上げる豪快さ!1959年3月に芳野さん出身の名古屋山岳会が積雪期初トレース。ちなみに三沢岳、(予想を裏切って)カッコいいっす。中央No.1!主稜線からちょっと外れてるばっかりにマイナー扱いなのが残念。

翌朝4時半起床。正月合宿辺りから目覚めが良い。寝起き悪い度No.1の汚名を着せられてきたが、そろそろ返上か!?朝食は例によって湯を注ぐだけのぜんざい。

Img_1117s 早速のF1(40m・IV+)はこーやさんリード。弱点を突いた、ここしかないっしょ的ラインを登っていく。スクリュー4本。途中、ちょっと足を滑らせてヒヤッとしたが、快調だ。途中、水がしたたっているところはあるが、氷結は十分だろう。氷は柔らかいので楽。前回の広河原沢は薄くて神経使ったが、今回は快適だ。なんだかうまくなった気分にさせられる。新しいターボスクリューの効果は絶大で、回収をあっという間に済ませられる。広河原沢では実感薄かったエムテンも今回はいい感じ。ビレーは灌木(懸垂下降にも利用可能で50m・1ピッチでOK)。

初日とは打って変わって楽しい気分だ。ガンガン登るっす。

F1からF2はすぐ。途中で踏み抜いて膝を強打したのは痛かった。もうちょっと凍っててくれればいいのだが。F2(50m・IV+)はでかい!自分の数少ないアイス経験でも最大級。初めてのスクリューによる中間ビレーを経験した。ほんのちょびっと垂直っぽい部分もあり、F1よりもずっとスパイシーだ。2ピッチ目は右岸の灌木でビレー。懸垂下降は左岸のしっかりした灌木を使えば50m・1ピッチで可能だった。

Img_1123sF2からすぐに二俣になるのだが、これはルート図に載っていない。15mナメ滝などとおに埋まってしまっていてただのラッセルだ。

次の二俣は広い雪原となっていてビバークポイントなのだが、さすがに沢筋はデブっているので右岸の岩陰などが良さそうだ。稜線へ出るためには初日にこの辺りまで登っておく必要があるだろう。

この二俣はそれぞれに滝が掛かっていて雄滝・雌滝と呼ばれる。見栄えのいい雄滝(20m・IV+)を登る。なんだか調子がいいのでリードしたくなる(単に荷物が軽いだけ、なのかもしれないが)。こーやさんに目で訴えると、「リードしてみる?」(待ってました~)「いいんですか?」「お腹いっぱいだし」(ラッキ~)。これまでに経験したたった一度のリードでアックステンションに失敗してから苦手意識の強いアイス。どうやら克服しつつあるようだ。ここも灌木でビレー可能。懸垂下降支点も兼用。

Img_1140s もうランチタイムだ。到底稜線へ抜けることなど無理なので、取りあえず行けるとこまで先へ進むかどうかなのだが、F1をリードしてみたかったのでこのまま下降することをお願いした。ピークハントは次の課題だ。

さすがに2回目ということだけあってF1はリラックスして登れた。スクリューもフリーハンドで決められて良かった。

夕食はこれもお馴染みご飯にスープ。あっという間に終わって18時に寝袋へ。さすがに途中で目が覚めてしまうので、写真を眺めながら一日の余韻に浸った。寒い夜だった。

朝食はお馴染みの雑煮。超ローカロリー。

下山はトレースがあるので快適だ。登りとは打って変わって身体が前へ前へと乗り出してしまうので、つんのめって何度も転んだ(岩は相変わらず滑る)。下るだけなので徒渉も思い切ってやれる。何度もはまってしまったがジョークの一環のようなものだ。3時間掛かった1550mまで1時間で済んでしまった。4時間掛かった下流部も2時間と掛からなかった。トレース1つでこうも違うとは!

アイスは楽しい、と思えたことが今回の最大の成果だ。来週末の駒津沢・奥駒津沢も楽しみだ(軽量化は頭痛のタネだが)。ピークハントするつもりでいる。こーやさんには今回もお世話になり、ありがとうございました。

もう1度、ピークを目指して来ることになるに違いないが、その時はもっと強くなった自分でありたい。

(記: 坂田)

氷結はイマイチ

日程: 2007年12月8日(土) 前夜発
山域: 広河原沢三ルンゼ(八ヶ岳)
参加者: 国府谷(L)・坂田
行程: 舟山十字路(7:04) – 二俣(7:59) – 三ルンゼ(10:59) – 稜線(13:20) –
阿弥陀岳(13:40) – 舟山十字路(16:23)

Img_0960sいよいよアイスシーズンの到来である。国府谷さんはバイルを一新し、自分は
オメガ(コフラックがエムテン付かなかったので)とエムテン(サルケンがリコ
ールされてしまったので…気に入ってたのにな)をゲット。これらの道具慣ら
しとクリスマスの奥三ノ沢へ向けての足慣らしのため、広河原沢へ入った。三
ルンゼは初めてなのだが、ガイドブックには「最も面白い」と書かれてあり、
期待が膨らむ。アイスは2年ぶりでかつアイス歴1シーズン(数回)とほとんで素
人なので、道具への期待も大。メインディッシュであるドーナツのクリスマス
セットを食べるのも楽しみだったが、国府谷さんに「これからは行動食もこっ
ちで用意するから」と言われてしまった。

表題にも書いたが、みんなが最も関心あるであろう氷結状態はイマイチだった
。氷は薄く、近付くと水の流れが透き通って見えて心臓に悪かった。アプロー
チ中には何度か踏み抜いて水に浸かった(特にトップの国府谷さん)。しかも中
流部より上は意外に雪が溜まり、ラッセルもさることながら、大滝のバンドに
は雪が溜まって見栄えもイマイチだった。Img_0971s その分、体力トレにはなったのだが
…。ほぼ同時に進んでいた別の2人パーティは面白くないと悟ったのか、いつ
の間にか引き返してしまったようだ。先シーズン程ひどいとはいえないが、今
シーズンも外れとなってしまうのだろうか。

モチベーション低下&カメのようなペースではかどらなかったので、氷結悪く
敗退、という言い訳も頭によぎったが、何とか登り切れて良かった。結局ハー
ネスやザイルは出番がなく(大滝も雪が溜まってプレッシャー減退)、三ルンゼ
へ入ってからコースタイムよりも早足で登れたのが幸いした。それでも氷の状
態もイマイチだし自信も無いしで緊張を強いられたが、良いトレーニングにな
った。

Img_0972s 体力的にはきつかったので阿弥陀岳を予定通りゲットした時は嬉しかった。八
ヶ岳の中で大好物の旭や権現がきれいに見えて満足したが、赤岳の方はガスっ
ていて時折顔を出す程度。八ヶ岳は(苦しい?)思い出が多いのでいろんな記憶
が頭を駆けめぐる。Img_0977s

中央稜経由で下山。今回も日没ギリギリ。

今回は国府谷さんに甘えてほとんどトップをやってもらってしまった。ありが
とうございました。先の丸いバイルは役立たず、ちゃんと砥がないとダメ。オ
メガはシェル出しが必要。ノーロープだったのでアイススクリューのセットな
どが出来なかったのは残念だったが、次の奧三ノ沢への課題が見えた。

(記: 坂田)

アイスクライミング阿弥陀岳広河原沢右俣・三叉峰ルンゼ

日程: 2006年12月16日(土) – 2006年12月17日(日)
メンバー: 国府谷(L)・廣岡(記録)
行程: 文中に記載

今回のアイスクライミングは会山行の八ヶ岳計画の一部として行った。会山行は同時に鵬翔第55期の掛川さんが一年間の海外生活を終えて帰国したそのお祝いを兼ねて計画された。
我々の計画の他に赤岳登頂、石尊稜登攀が計画された。

  • 阿弥陀岳広河原沢右俣

12月16日(土)
くもり時々晴れ

前夜、東京を発ち午前2時半小淵沢の道の駅駐車場に八ヶ岳山行の参加メンバー全員が集合した。ここでテントを張り2時間半ほどの仮眠を取る。
午前6時30分、掛川さんの車に同乗させてもらい国府谷さんと私だけ船山十字路まで送っていただく。

午前7時10分、船山十字路を出発。雪のない林道をウォーミングアップをかねてゆっくり歩く。林道の先を見上げると雪を被った阿弥陀岳が姿を見せていた。その頂から右下に阿弥陀南稜が長く伸び、岩峰P1、P2、P3が特徴のある稜線を形作っている。

午前8時30分に広河原沢二俣に到着、ここから右俣に入る。途中まで我々の他に2名のパーティが少し前を歩いていたが、彼らは本谷から第3ルンゼに向かったようだ。右俣に入ってしばらくして最初の小滝が現れた。高さは3メートル弱程度。ここは足慣らしという感じで軽くフリーで登る。今シーズン初めてのアイスだったからアックスとアイゼンの効きを確かめた。まずまずだ。この小滝を越えると雪が以外に多く、いきなりラッセルとなった。国府谷さんがトップで進むが、サラサラの雪で歩を進めるたびに上から崩れてくる。

次も4メートルぐらいの短い滝だった。しかし、深くて細かい雪のために取り付くのに苦労する。国府谷さんが背丈もある雪を書き落として踏み降ろし、ようやく滝の下に入り、アックスを打ち込む。しかし、氷が薄く下の岩に当たってしまう。小さな滝だが結氷状態が悪く、不安定なところもあったので国府谷さんが上からロープを出してくれた。

この先で谷の分岐が現れた。雪でそれまでの滝が埋まっていたのだろうか、ルート図を見てもどっちが右俣ルートなのか確信が持てない。国府谷さんの判断で左側の谷に入る。(しばらく行って正しいルートだと確認できた。)正面に20メートル程度のナメ状の滝が出ていたが、滝つぼの状態が悪くここは右側斜面を巻いた。滝の上に降り立ち、そこから膝上までもぐるようなラッセルをしながら進む。

やがて、5メートル程度の滝が出てきた。滝の落ち口でザックを下ろし、小休止。朝方曇っていた天気が回復して日が射してきた。谷は寒いが太陽の光があたると急に暖かさを感じる。この滝は少し立っていたが、さほど難しくなくフリーで上がる。滝上からまた深い雪の中を進む。ここからトップを交代してラッセルを続ける。吐く息が荒くなり汗が吹き出てくる。

一ヶ所氷が出ている斜面があったが滝なのかよくわからないまま登る。30分ほど行くと再び谷が左右に分かれる所に出た。どうしたものかと振り返って国府谷さんを見ると、「この先も同じような感じだろうな。このまま上がってもラッセルばかりになりそうだから、もう稜線に上がりましょう。」という指示が出た。

今回の計画は、初日は南稜の稜線でビバーク、二日目に阿弥陀岳を経由して行者小屋に下り、会山行の他パーティと落ち合って美濃戸口に下山の予定だった。しかし、今日のアイスクライミングではなんとも不足感が残る。

時間は午後12時を過ぎたところだった。稜線に午後2時頃までに抜けることが出来れば、今日中に行者小屋に着けるだろう。そうすれば明日は予備計画としていた三叉峰ルンゼでアイスクライミングを楽しめる。

谷の分岐から草つきの尾根筋に上がり、急坂を一気に登る。斜度はきついがダブルアックスの威力は凄い。こんなところで新品のアックスを使いたくないが仕方がない。明日のクライミングに望みをつなげるために稜線までの最短距離を狙ってガンガン登る。途中から国府谷さんにトップを交代してもらう。私は少々バテ気味になってきたが、国府谷さんはさすがに強い。遅れがちな私を気遣ってくれながらも息も切らさず安定したペースで上がっていく。ようやく稜線が見えてきた。それまで伝ってきた小さな尾根からはずれて、右側の谷に切れ落ちた雪壁を慎重にトラバースしていく。雪壁の途中から今度は稜線に向かって真上に上がる。かなり立った斜面だ。アックスを氷まじりの雪壁に打ち込む。傾斜が緩いところはアックスをダガーポジションにしてアイゼンの前爪を効かし、体を持ち上げるように一歩一歩這い上がる。

国府谷さんが待つ稜線に出たのが午後2時半だった。場所はP2に近いP3との間だ。風が強い。オーバー手をちょっとはずすだけでバリバリに凍ってしまう。「この時間なら行者小屋まで問題なく行けますよ。」と国府谷さんが体力消耗気味の私を勇気付けてくれる。

「ここからは散歩みたいなものだから。」と国府谷さんに促されて先頭を行くことになった。前方にはP3が大きく迫ってくる。稜線上からは鉛色をした曇り空の彼方に富士山、南アルプスが良く見えた。厳冬期のモノトーンの世界だ。素晴らしい。
P3の左上には阿弥陀岳の頂上が、右側には間近に赤岳が見えた。この角度から見る赤岳は初めてだった。冬の赤岳は八ヶ岳連峰の盟主らしい荘厳さを感じさせる。

P3の岩峰基部のバンドを左に回りながら少し下ると、凹状のルンゼ(岩溝)の上り口に出る。ここが南稜の核心といわれるところだ。P3を巻くルンゼで稜線まで2ピッチの距離だ。出だしは3メートル程の岩で最初の一歩がやや難しく感じる。しかし、左足のアイゼン前爪を岩場左側の氷に刺し、右足はわずかな岩の出っ張りに立ち込み、バランスを保ってから肩を伸ばして右手でホールドをつかめば難なく上がれる。岩の上の安定したところで、少し頼りなく見えるフィックスロープにカラビナとスリングでビレイを取る。

後はアックスをダガーポジションにして、所々氷が出ている50度~60度程度の雪の斜面を直上する。この日の昼過ぎに右俣から南稜に上がった斜面に較べれば易しく、慎重に行けば問題ないのでロープを出さずそのまま登って行った。1ピッチ目終了点で国府谷さんを待つ。上がってきた国府谷さんに「この先もロープは要らないでしょう。」と言われ、同じように登攀を続ける。稜線に出たところで左に歩を転じ、間近に見える阿弥陀岳を目指す。途中、東側の谷に落ちる雪壁をトラバースするところは注意が必要だが、それを過ぎれば易しい岩稜を登っていくだけだ。

午後4時10分、ようやく阿弥陀岳の頂上に着いた。すでに暗くなりかけていたので、すぐに中岳のコルに向かって降りる。このくだりが結構いやらしい。数ヶ所だがクライムダウンで降りないとちょっと危ないと感じるところもあった。一般道とはいえ油断できないルートだ。アイゼンの爪をちょっとでも引っ掛ければ左右どちらの谷にも落ちる可能性がある。中岳のコルから行者小屋までは谷筋を殆ど直線に下る。阿弥陀岳の頂上から1時間、午後5時10分に行者小屋のテン場に到着した。朝からの行動時間は丁度10時間であった。

すでに鵬翔のテントでは掛川さんの帰国祝いの宴が盛大に行われていた。道具の片づけを済ますと、早速、国府谷さんと一緒に大賑わいのテントに入り、「遅れ」を取り戻すようにお酒をいただいた。
なぜか、お祝いされる側の掛川さんご夫妻が食当で、お二人でせっせと美味しい食事を作ってくれていたのには恐縮してしまった。でも、これがざっくばらんな鵬翔のいいところだなと思う。タフなこの日の山行を無事に終えて、充実感に浸りながら床に就いた

  • 三叉峰ルンゼ

12月17日(日)
くもり時々雪

午前7時10分、行者小屋テン場を出発。中山峠を越え、赤岳鉱泉まであと15分ほどのところにある橋の手前を右へ入る。石尊稜へも同じアプローチだ。最初ここの入り口がわかりにくく少し行き過ぎたので時間をロスした。トレースはあったのだが雪が深く、ここから三叉峰ルンゼのF1まで約1時間もかかってしまった。

午前9時、F1取り付きに到着。12時にテン場集合となっていたので、時間計算して稜線に抜けるのを止め、行けるところまで行って懸垂で戻ることにする。ザックをデポし、空身で登る。F1の大滝は雪で埋まり、上部3メートルほどしか出ていない。ここはフリーで問題なく登る。滝を越えてしばらくはやや傾斜のある雪原を進み、傾斜がきつくなったところで右にトラバースしながら斜上するとF2に着く。

F2も滝の下部が雪で埋まっていた。国府谷さんのリードで登る。出だしはほぼバーチカル(垂直)で3メートルほど上の小さなテラスまで登り、そこから左に回り残り2メートルを難なく上がる。アイススクリューの打ち込みはテラスと滝の左側の2箇所。特に難しいところはなかった。

ここから40度程度の雪壁をダガーポジションで登り、F3に行き当たる。高さは5メートル程。国府谷さんに「今度は廣岡さんがリードしてみてください。」と言われ、やってみることにした。アックスの効きは良い。モノポイントのアイゼンも良く刺さる。いい感触で3メートル上がり、幅10センチメートルほどのテラスで安定を保ちつつ1本目のスクリューを打ち、クリップ。アイスのリードが初めてで緊張したこともあったが、縦走用の分厚い手袋だったのでスクリューを入れるのに時間がかかってしまった。手袋も検討だが、ギアセットのスキルをもっと上げなければいけない。

残りはほぼバーチカルだったがアックスが一発で決まり、アイゼンを蹴りこんで気持ちよく滝上に上がる。この滝は2段になっていて、ナメを少し上がるとさらに一段2メートルの低い滝があった。ナメの終わりで念のためもう一本スクリューを打ち込む。そこから確保支点を探しつつ50度の雪壁を上がっていった。しかし、ちょっとした吹雪に惑わされたのかなかなか支点が見つからない。

止む無くそのまま上がっていくとF4が見えてきた。傾斜の緩そうなナメ状の滝だ。おかしいなと思いつつ支点を探しながら結局50メートルロープ一杯まで行ったところでストップ、下で待つ国府谷さんに大声で状況を報告し指示を仰いだ。すぐに国府谷さんから足場を安定させるようコールがあった。早速、柔らかい雪を踏み固め、スペースを確保しボディビレイの態勢を取る。風が強くなり、吹雪いてきた。国府谷さんを待つ間、よく見ると10メートル下、左側の岩壁に支点があった。私の不注意だった。

国府谷さんがその支点のところまで来て、ビレイを取る。時計を見ると午前10時30分だ。テン場に帰る時間を考え、ここで撤収し懸垂で降りることになった。F1下に戻ったのが午前11時20分。小休止してギア類を片付け、行者小屋に向けて下山。テン場帰着は午後12時20分だった。すでに帰還していた赤岳登頂組がテント内で私達を待っていてくれた。すぐに入れてくれた暖かいお茶を飲みながら石尊稜登攀組(坂田L、平野)の帰りを待ち、午後1時30分テン場を出発した。南沢の下山道が凍っていて時間がかかり、美濃戸口駐車場に着いたのが午後5時であった。

三叉峰ルンゼでは稜線まで行けなかったものの、メインの滝はほぼ登ることができた。積雪量が多く滝の露出が少なかったが、今シーズン初めてのアイスを楽しめたと思う。
また、初めて経験したことも多く大変勉強になった。国府谷リーダーに心から感謝したい。

(記: 廣岡)

八ヶ岳広河原沢

日時: 2005年12月17日(土)~2005年12月18日(日)

参加者: 鵬翔山岳会: 坂田・静岡山岳会: 伊東・古川・鈴木

山域: 八ヶ岳広河原沢

形態: アイスクライミング

行程: 第1日目: 舟山十字路~二俣~左俣~10m大滝~中央稜~二俣・第2日目:二俣~ポストクリスマスルンゼ~クリスマスルンゼ~二俣~舟山十字路

12月16日(金)

ようやく古川さんと調整が付いて一緒に行くことが出来た。1ヶ月前くらいから誘われていたのだが、会の行事や個人的都合から延び延びになってしまったのだ。昨シーズンのこの時期、広河原沢はぼろぼろでろくでもなかったようだが、今シーズンのこの冷え込み!氷が呼んでるぜ!

22時頃、韮崎駅まで迎えに来ていただく。昨シーズンに芦安アイスでご一緒した古川さんが現れたとき、誰だか分からず失礼してしまった。伊東さん・鈴木さんとは初顔合わせ。車は伊東さんのフォレスター。

実は電車の中で、スパッツを忘れたことに気付いて愕然とする。今シーズンは12月から大雪のニュースが流れているというのに。でも、八つだからな。でも沢やし…。しかも革靴。広河原沢は初めてなだけに不安が増す。

道路はほとんど積もっていない。美術館近くから舟山十字路方面へ入るが、さすがに雪が10cmほど積もっている。昨シーズン2月に南稜を登った時並。混んでるかと思ったが、時間がまだ早いのか車がほとんどない。

前夜祭をして寝る。

12月17日(土)

06:30 出発

この時期としては雪はあるが、トレースがあってラッセルというほどでもない。120リットルザックが重い。何が入ってるのやら。日数当たりではアイスの時の荷物が一番重い気がする。のんびり歩く。伊東さんの体調がイマイチのようだ。

二俣

テントを設営。何張りかは既に設営されていた。

11:00 F1

ここが氷結具合のバロメーターになるかと思うが、例年になく状態が良いとのこと。釜は薄く氷が張っているだけなのでうまくへつらなければドボン。大滝まではロープを1-2度出したくらいだったと思う。リードは全て古川さん。手頃な滝が続いて気持ちが良い。氷結も問題なし。昼頃からは雲が出てきて冬らしいどんよりとした空模様。

13:00 10m大滝

良く発達していて、見た目には簡単に登れそう。けど先行のおばちゃんがひーひー言ってる。古川さんリード。真ん中から右へラインを取る。意外にてこずっていたが、登ってみて理由が分かる。取り付いてみると傾斜が強いし氷がもろい。回収の度に腕がパンプへとまっしぐら。最後はロープをテンションさせながらもう必死。登りきった時には腕の感覚もなく、カラビナさえ外せない。手に血が戻ってきた時に激痛が襲う。暖めようが噛もうが無駄。うずくまりながらひたすら耐える。フィフィをを使って楽に登れるようにならなければダメだ。フリーにこだわるのはその後。後続の鈴木さんも苦労していた。

15:00 中央稜へ

もういい時間だ。上部にもう1つ大滝があるが、ここから中央稜へトラバースして戻ることにする。出来れば阿弥陀まで抜けたかったが、次回の課題だ。さっきのおばちゃんを含む先行パーティは懸垂しながらそのまま右俣を下った。中央稜の方がダッシュで下れるから早いだろう。樹林帯のトラバースは時にはももまでのラッセル。この時期にしてはやっぱり多い。スパッツを忘れてきたのがここで響く。軽い雪だったのは良かった。

17:30 二俣

予定していたよりも上流で尾根から外れてしまい、方向が怪しくなったが問題なかった。到着した頃には薄暗くなり、雪が降り始め、風も出てきた。予報では天候が悪くなるとのことだが…。夕食は各自で用意したものを食べるが、たくさんつまみ食いさせてもらった。なんせ用意した食事が慌ててコンビニで買ったパンだけだっただけにありがたかった。アルコールも各自で持参。この辺は鵬翔とはちょっと違った雰囲気だ。面白い話をいろいろ聞け、他のメンバーにも会いたくなった。

12月18日(日)

起床

朝はカップラーメン。天気はまぁまぁ。気温は-19度だが、それほどには寒さを感じない。風がないせいだろう。古川さんが早めに帰る必要があるため、左俣を詰めずにクリスマスルンゼを登ることにした。まだクリスマス前だが、今シーズンの低温で期待大だ。伊東さんは膝の痛みがあるためテント番をすることになった。一緒に登れないのは残念。

出発

9:00 ポストクリスマスルンゼ

クリスマスルンゼはすごいボリュームに発達している。毎年通っているパーティが過去最大と言っていた。既にトップロープで取り付いていたので、まずはポストクリスマスルンゼを登ることにした。ルンゼは雪が詰まってラッセル。ところどころ氷壁となっていて慎重に登る。いざ上部に行ってみるとそこそこ立派な岩壁が目の前に現れたが、肝心の氷が付いてない。水が枯れてしまった?やむなく下降する。バックステップで慎重に。

9:30 クリスマスルンゼ

本命のクリスマスルンゼにトップロープを張ることにする。古川さんがトップで登る。上部で水を浴びてあちこちが凍り付いて寒そう…。ビレーも寒い。気温は-17度。時折風が吹き抜け、体が震える。いつの間にか増えたパーティも余りの寒さに耐え切れないといった風。ようやく出番。トップロープなんで思い切って登ろうと張り切ったのは良かったが、数メートル登ったところでロープが凍り付いて動かなくなってしまった。古川さんがプルージックでなんとか上まで行ってくれ、無事に登りきることが出来た。氷の目の前でぶら下がっていたのですっかり冷え切ってしまった。えらく時間を食ってしまったので、鈴木さんは取り付くことが出来なかった。申し訳ない。寒さから逃れるべく急ぎ足で降りる。ちょっと下るだけで寒さはすっかりましになった。

13:00 二俣

伊東さん、お待たせ。早速撤収して下山。こんな時に限って晴れ上がってくる。暑い。最後はほとんど駆け足で下ったのであっという間に舟山十字路へ着いてしまった。

3度目のアイスクライミングは楽しかった。大滝は散々だったからまた修行するぞ!

(記: 坂田)

南アルプス戸台川下流 アイスクライミング

 2004/2/15(日)前夜発

メンバー:(L)久世・国府谷

コースタイム : 戸台8:30~上ニゴリ沢出合9:30~小百合沢二股10:30~林道12:00~上ニゴリ沢F1  13:00~上ニゴリ沢出合15:00~戸台16:00(だいたいの時間)

土曜日から行くとか、八ヶ岳やらいろいろ話はあったのだが結局日帰りでアイスクライミングとなった。いいかげんである。深夜、諏訪から雪の積もった峠を越えて高遠の道の駅で車中泊。明るくなってから戸台へ向かう。天気は曇りでまずまずである。戸台の河原に駐車場があるのだが道が分からず部落の路肩にクルマを停める。ここから上ニゴリ沢出合までは戸台川沿いにほぼ平坦な道を1時間である。積雪は少ない。出合に着くと天幕が2張りあった。ここから上ニゴリ沢のF1へ沢を詰める。途中まではトレースがはっきりあるがなぜか間違えて右俣へ入るはずが左俣へ入ってしまい面倒なのでそのまま南アルプススーパー林道まで上がってしまった。そこから上ニゴリ沢に戻る。上ニゴリ沢はF2が林道に掛かっているのだが、結氷が悪いのでF1に左岸から歩いて降りてここで練習することにする。トポの写真ではF1はかなり幅が広いのだが今日はそんなに凍っていない。まず右寄りの傾斜の緩いところで練習する。国府谷リードで1ピッチ20メートルくらい。Ⅳくらいか?その後久世さんがトップロープで登る。その右のもう少し傾斜が強くなっているラインをそのままトップロープで何度か登ったところで風雪も強くなりスノーシャワーがザーザー降ってきて今日はおしまい。でも出合に降りると雪は止んでいた。あっという間に戸台に戻って仙流荘のお風呂(500円)に浸かって帰宅しました。アイスクライミングのメッカ?の戸台川へ始めて行きましたがアプローチが楽なので混んでいる八ヶ岳よりいいと思う。他にもルートがいろいろあるので楽しめそうです。

(記 国府谷伸幸)

甲斐駒ケ岳 黄蓮谷右俣

2003/12/29(月)~30(火)前夜発

メンバー:(L)久世・国府谷

コースタイム : 12/29 竹宇駒ケ岳神社7:30~五合目小屋11:30~黄蓮谷13:00~ビバーク地点17:00

12/30 ビバーク地点7:30~奥の滝8:30~甲斐駒ケ岳11:30~五合目小屋14:30~竹宇駒ケ岳神社14:45

(だいたいの時間)

年末年始の山行は当初前穂北尾根の予定だったが、坂田さんが体調不良で不参加となった為急遽黄蓮谷へ行くことになった。軟弱である。12月28日の夜に東京を出発して深夜に竹宇の駐車場へ着く。車の中で仮眠する。他にもそれらしきクルマが何台かあった。星が綺麗である。翌29日朝7時半頃出発。長い長い黒戸尾根の登りが始まる。前に来たときは最初から飛ばしすぎてすぐにバテたので抑え気味にペースを守って歩くことを意識する。でもまあまあのペースで五合目小屋に着く。黄蓮谷へ降りる道は所々分かりにくいが1時間掛からずに谷へ降りられた。他に4人パーティが一組あったがこの日はここまでで泊まりのようだった。我々は出来るだけ先まで進む事にする。このルートは全体には易しい部分が多い為、長い氷のすべり台みたいなところでフリーソロになる部分も多い。ビビリが入るが天気もいいし行かない理由は何も無い。あとは緊張感を切らさず登るのみである。最初に出合う坊主ノ滝は2ピッチロープを出す。あまり結氷が良くない。この先は全体に積雪が氷の上に乗っていてアイスクライミングというより雪壁登りのような感じで薄いトレースの跡を登っていく形が多い。その為千丈ノ滝なども判然とせず自分たちがどのあたりにいるかよく分からなかった。結果的にはビバーク地点は奥千丈の滝を過ぎインゼルの少し上あたりだったのだがその時点ではまだ左俣との二股を過ぎたあたりかな?と思っていた。まだ全然進んでいない、という考えでいたため、もっと先まで行かなくてはと思い、ビバークは随分遅くなってしまった。16時頃からビバークの良い場所を探しながらも、いい場所かな?と思った場所は近づいてみるとダメだったりで結局場所を決めたのは17時近くで大分暗くなっていた。上手くツエルトは張れずとも、なんとかねぐらを確保できてひと安心。軽量化の為暖かいシュラフもお酒も無し。燃料も少ない。氷を割ると水が採れたのはラッキーだった。

翌日は7時過ぎに明るくなってから出発する。改めて見るとツエルトから出たところはいきなりアイゼン無しでは歩けないようなところだった。登り始めてすぐにテントの中にいるパーティに出会う。随分のんびりしているなー、と思いながら現在位置を聞くと目の前が奥ノ滝とのお返事を頂く。なんだよ、昨日随分と頑張りすぎちゃったな、と嬉しいやら‥‥。我々はかなり悲観的な判断をしていたことになる。いつもあんまり自分を信用しないことにしているからかな。じゃあ今日中に下山できるな、ということで奥ノ滝、1ピッチロープを出して登りきり、後は浅くなった谷からハイ松帯をラッセルしながら終了点を目指す。頂上にいる人が見える。風が強いせいか、頂上に近づくにつれてだんだん雪が浅くなりしばらくして祠のある頂上に着いた。快晴だが風は強い。そそくさと記念撮影と腹ごしらえをしてからまた長い長い下山にかかる。八合目くらいからはポカポカ陽気でウエアをどんどん脱いでいく。五合目でアイゼンも外して大休止。明るいうちに降りることを目指して緩い斜面は駆け下りていく。なんとか日没前に駐車場に到着してホッとする。あとは寝正月だな、こりゃ。

今回は谷全体に雪が多く、本来ならばロープを出すようなところもダブルアックスの雪壁登りで通過してしまうことが多かったが、その分緊張感が大きかった。雪に覆われたその下が氷とは限らずスラブ状の岩の上をアイゼンの前爪だけで登るところもあった。相変らず我々の装備は最新式ではないのですが、最近の流行りはプラブーツでなくて革靴、縦爪クランポン(シャルレが多い)、バナナピックに前傾シャフトのアックス(これもシャルレ多し)のようです。(記 国府谷伸幸)