キュウハ沢遡行記

2005年5月22日  

記:掛川 同行:坂田

秦野駅で、朝7時半頃坂田君を拾い、一路キュウハ沢出合を目指す。ヤビツ峠を越え、狭い林道を行き

9時前に塩水橋に着く。丹沢山を登る登山者の車でいっぱいだった。車を止め、本谷川沿いの林道を歩く事約1時間でキュウハ沢の出合に着いた。10時10分遡行開始。堰堤を4つ越える。まったくこんな山の中に良く作ったもんだなと感心する。最後の堰堤を越えた先のゆるやかな流れの中に岩魚の姿を見つけた。すっと岩陰に隠れてしまったが、そんなにあわてて隠れようとしないところがいかにも岩魚らしかった。けっこう釣り人にいじめられているはずなのに、おそらくいや、間違いなくといってもいいかもしれないが、放流されたものとはいえ、丹沢で岩魚を見れたのはうれしかった。これから先にももっと岩魚がいるかもしれないと期待したが、魚影を見たのはこの一回きりだった。水量は多く、釜を持った小滝が続く。人もいない、久しぶりに沢らしい沢に来たなと思う。二人で色々自由にラインをとりながら登っていく。四町四反の沢出合の手前の5メートル滝が少々手強かった。最初少しへつって、そのあとはつるつるで手がかりがなくなるので上部に逃げた。坂田君はへつりにこだわっていたが、案の定どぼんとなる。足がつかないほど深い釜だったそうだ。四町四反の沢を過ぎると大滝10メートルが出てきた。ここは僕のガイドブックには高巻いたほうがいいと書いてあったが、坂田君は僕の心配をよそに登ってしまった。ハーケンはべた打ちなのだが、岩がもろい。悪いのは落ち口へトラバースする時だった。ノーザイルだったので、落ちたら怪我するなと緊張する。そこから先も美しい小滝が続く。ザイルは一度も出さずにペース良く登って行く。大ガラシ沢出合に12時20分。ここで左の涸れ沢に入る。10メートルの涸棚を越え、ガレ場をつめて行く。新緑の緑が美しい。秋の紅葉の時に来てもいいだろう。

やがて稜線が近づいてきて、鹿に歩きやすい道を教わりながら、鹿道をたどっていくと、みやま山荘に着く。13時20分。辺りは霧が出て幻想的な景色だった。山荘で「ヒルは出なかったか、めずらしいことだ」と言われた。どうやらこの沢はヒルが多いようだ。これからかな?15年ぶりぐらいの山頂でビールで乾杯してから、天王寺尾根を辿り、塩水橋へ降りた。帰りも駆け降りたので下山も一時間ぐらいしか掛からなかった。同角沢の足慣らしにはいい沢だった。

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