2005年7月17日(日)~2005年7月18日(月)
大荒川谷(入川水系)遡行
掛川(L)・国府谷・坂田・塩足
掛川(浩)<静岡山岳会>
こーやさんと自分以外のメンバーは、先々週に大荒川谷の遡行を目指したが、残念ながら柳小屋の方へ遡行することになってしまい(これはこれで良かったとのこと。別記録参照。)、今回はそのリベンジの意味も含まれている。大きな目的は、夏合宿の上ノ廊下遡行へ向けて、水量の多い金山沢で渡渉や泳ぎのトレーニングをすることだ。もう少し付け加えるならば、今回は元々、湯檜曽川本谷を遡行する予定であった。しかし、谷川の指導センターに問い合わせたところ、昨冬は雪が多かったため、雪渓がまだ不安定な状態で遡行完遂パーティがまだ出ていない状況とのことだった。そこで、大荒川谷へと計画が変更されたのである。
7月16日(土)
21:00 塩山駅集合
蒸し暑い夜だ。徒渉の訓練にはもってこいかも。足首を捻挫して以来、1ヶ月余り振りの沢である。足のことを考えて出来る限りの軽量化を図った。実は、沢中泊もまだ2度目。2年前の釜の沢以来のことだ。
??:?? 道の駅
途中でコンビニに立ち寄り、行動食を買い出しする。今回はこーやさんの好意で、食事と行動食の一部を準備してくれた(前日は富士登山で準備が十分出来ないため)。こんなワガママな計画を実行できるのもこの様なサポートのお陰である。感謝。今回の食事は各自で準備することになっている。大勢で共同の食事をすることはひとつの楽しみでもあるが、各自による準備であれば、体力や好みに応じたものが準備できるので、山行に応じて使い分けるのが良いだろう。こーやさんと話しをしている塩足さんが慌てふためく。なんと食事は共同だと思い込んでいたとのこと。塩足さんは携帯電話でメールを受信しているので、肝心な部分が切れてしまっていたようだ。事前連絡の徹底が課題となった。
この道の駅も久し振りだ。車は少なく、広々と場所を取れる。ツエルトを設営し、寝床を作る。塩足さんに持って来ていただいた1人用のツエルトは、内側にドーム型にポールを取り付けることが可能でしっかりと自立した広い空間が確保可能なもの。快適に寝かせてもらった。これまで単独で山行をしたことがないので、ツエルトで独りで寝るのは初めてだ。ただポールを内側に取り付けるので、雨の日などは大変かもしれない。塩山駅の集合が早かったので、宴会も早く始められるが嬉しい。街灯の下にマットを広げてビールを飲む。うまい!今回、こーやさんは500ml6缶を担ぎ上げるつもりだ。何だかおいしいところを持っていかれた気分だが、足のことを考えると腰が引けてしまう。足が完治した際には任せてくれ。
7月17日(日)
5:00 起床
ほとんど睡眠を取れなかった富士山の疲れもあり、ぐっすり眠れた。ひとりだとついつい行動がのろくなり、ツエルトから這い出すのが一番遅くなってしまった。
5:50 道の駅出発
タクシーは6時に予約したはずだが、5時半には到着してしまい、慌ててパッキングをし、朝食を詰め込む。朝食は無理して詰め込まなくても良かったようだ。こーやさんを除いては食べていないらしい。雁坂トンネルを通過するのは初めてで、ちょっと興奮。しかし、これは理系的感覚であって、山にとっては人工物などない方が良いに決まってる。
6:?? 入川渓流感光釣り場駐車場到着
パッキング&朝食
6:50 入川渓流感光釣り場駐車場出発
林道を15分ほど歩くと赤沢谷出合への分岐点となり、左の方へ行く。ここからは、以前材木運搬に使われていたトロッコのレールが残っている。この辺の様子は先々週の記録に詳しい。いつもの調子でペースを上げてしまうが、URANさんだけがしっかりついてくる。歩幅は全然違うはずなのだが。
7:40 赤沢谷出合
発電所から近かった。赤沢谷も大きく、出合は顕著だ。ここから入川本谷へと入渓する。水は思ったほど冷たくない。今月初めの小川山の八幡沢の方がはるかに冷たかった。早速釜で泳ぎの練習。それでも、腰から上が水に浸かると一気に寒くなる。心臓への負担も大きい気がする。まずは「ザックピストン法」。これはロープをザックに結び、これを抱えて泳ぐ方法である。浮き輪感覚なので非常に泳ぎやすい。トップは掛川さんで、2番手で泳がせてもらう。寒い意外は快適なのだが、いざ滝つぼを越えて滝を目の前にした時、その後の処理は?取りあえず安定したスタンスに立ってザックを担ぐごとにするが、一旦確保を解除することになることや、ザックもウエアも重たくなる上に滝のしぶきが容赦なく降りかかってとても快適とは言えなかった。掛川さんと確保を交代した。次は塩足さんだ。泳ぎが苦手ということだが、頑張れ!最初は塩足さんが教わったというラッコ泳法にトライしてみるが断念。ザックピストン法もザックがひっくり返ってしまい、なかなかうまくいかないようだ。苦労しながらも釜を通過し、滝を登ろうかと言う時、ザックを担ぎ直す余裕などあるはずなく、ザックはロープで引き上げた。ナメ滝だったこともあって、パワーは要る物のクリアー。URANさんも問題なくクリアー。ザックの引き上げはやっぱりパワーを消耗するので改良の余地有り。最後はこーやさんだが、こちらはザックを背負い、泳者をロープで確保する方法を取った。ザックピストン法と比べるとビレーヤーへの負荷が高い。浮力の高いザックと人間ではやはり違う。その代わり、ザックを背負っているので登攀への切り替えがスムーズだ。全体の課題としては、一人ずつスタカットで行ったので、ビレーヤーは次の泳者にロープを投げなければならないが、大抵は釜の中へ落ちてしまい、その都度掛川さんに泳いで取りに行ってもらうこととなった。この負荷は相当高いと思われる。何よりも流れが急であった場合には危険ですらあるから、何らかの解決方法を見つけねばならないだろう。
第1のゴルジュは水が多いが、水線通しで行くことが出来た。積極的に胸まで、時には足をばたつかせながらのへつりや渡渉が続く。まさに鳥肌ものだった。気温は15度。下界は、30度はあるはずなので、沢に入るだけでこんなに涼しいものかと驚いた。豊富な水がこの涼しさをもたらしているのだろう。
10:10 R 10:25
取り付きから2時間経過したが、進んだ気がしない。どうやら泳ぎや渡渉のトレーニングを楽しみすぎたようだ。しかし、後から振り返ってみても、非常に有意義であったのでこれで良かった。
こーやさんに準備してもらったアーモンドとプルーン、干し芋がやけ