日程: 2021年12月27日(月) – 30日(木)
山域: 八ヶ岳東面
参加者: 林(L)・江戸
行程:
第1日目: 入山 上ノ権現沢偵察
第2日目: 上ノ権現沢 夢幻沢大滝
第3日目: 権現岳東稜
第4日目: 出合小屋付近の滝にてアイスクライミング 下山
今年の年末は八ヶ岳東面で出合小屋をベースにして周辺でアイス・雪稜と色々登ることにした。雪が多く当初の計画とは変更があったものの行程は上記の通りに。
27日
この日は入山。
出合小屋に到着後、上ノ権現沢の偵察に向かう。当初の予定では上ノ権現沢の夢幻沢大滝登攀の予定だったが、雪が多く夢幻沢まで行くのは早々にあきらめる。F1だけ足慣らしで登り終了。この日出合小屋は貸し切りだった。薪ストーブを使わせてもらったがどうも上手く使えず煙で燻される。
28日: 夢幻沢大滝
当初は上ノ権現沢を稜線まで抜ける計画だったものの、前日の雪の量を見て江戸君と相談。場合によっては夢幻沢大滝で遊んで下降しようということになり結局そうなった。この時期でも雪で小さな滝はほとんど滝は埋まってしまっていたので、ラッセルでなくアイスをやろうとしたら正解だったと思う。谷の中に突然現れる夢幻沢大滝は迫力満点。2段になっており下部20~30mくらいの傾斜が強い。
中央の凹角部が傾斜がゆるく段状で登りやすそうなのでまずはここから。ちゃんとしたアイスは2年ぶりなので傾斜がゆるくても下手くそで腕パンパン。下部を上ったところでスクリュー支点でトップロープをかける。左は傾斜が少し強くなり結氷はよさそう。右は垂直のツララ状で水が垂れている状態。グレード感はよくわからないので自信はないけれど、右のラインは少なくてもⅤ級はあるかと。それぞれ中央・左・右と3本ずつ登り全身びしょびしょからカチカチに凍ってこの日は終了。帰りはあっという間。
29日: 権現岳東稜
谷沿いはラッセルが大変すぎるので次は尾根。旭岳東稜も検討していたが情報収集の結果、この日は少なくとも他に2パーティーが入るとのことだったので気合を入れて権現岳東稜へ。
権現沢を詰めるところから尾根上、上部の斜面まで雪が多く場所によっては腰程度のラッセルになり手間取る。時間切れも濃厚に脳裏をよぎっていたけれど、この日の権現ではマッスルが躍動する。後続に希望と雪をぶちまけつつ、マッスルがハッスルしてラッセルを続けたおかげで、何とかバットレス基部までたどり着いた。自分はただ後ろをついていっただけ。
この時点で12時を回っており、時間的にギリギリなので中止か継続か相談をしたが、天気の良さにも後押しされて登攀を継続することにした。
マッスルはバットレス正面に登攀ラインを見ていたけれど、私は無事に帰りたいので左のリッジに向かってもらう。「…自分…行ってもいいですか。」との彼の要望を断れる道理もなく江戸君リードでスタート。
最初は少し上ったところから左寄りにラインをとる。その先がたぶん核心でホールドが乏しい一か所を頑張って体をあげる感じ?その後直上。少し被った部分もあるけれどガバがあるので思い切って行ける。最後は草付き。途中2箇所ほどピッチを切れそうなペツルボルトがあったけれど、1ピッチで抜けてしまった。50mロープだと厳しいけど60mだったら屈折はするものの1ピッチで届くみたいだ。ここでも自分の出番はなし。
岩場を抜けて頂上までの雪稜を詰めているあたりから天気は急変してきて、権現岳頂上に着くころには完全に吹雪いてきた。一般道に出てほっとしたのも束の間で、疲れた体にはここからツルネ東稜下降点までが辛かった。ツルネ下降の途中からヘッデンを点けて小屋に戻るころには真っ暗になってしまった。マッスルの後ろをついていっただけの1日なのに疲れた。
30日: 出合小屋近くの滝
前日が十分に充実したことと帰りの時間を考慮して、この日は出合小屋近くの滝を登ってみることに決定。初日から気になっていたのだが、出合小屋から上流に5分くらい、赤岳沢との分岐を左にいった対岸にそこそこ立派な滝が凍っていた。近くで見ると3段10mくらいの滝で1段目の上には残置スリングもあり登られている形跡もあった。2段目正面は3mくらいだけど垂直に近い。
氷が結構固く、ぐだぐだな登りでトップロープをセット。最初3段目にスクリューで支点をセットしたけれど、滝を抜けた先の灌木でも支点がとれそうだったので、江戸君に抜けてもらい奥の灌木で支点を取り直す。別パーティーもいたので2本ずつ登って終了。アイスだと特にトップロープの時とリードのムーブが違い過ぎる。リードだとビビり過ぎ。アックス・アイゼン、何をどこまで信じれるのか。課題です。
雪が多く、当初の予定から変更は多々あったものの出来る範囲で出来ることをした4日間だった。あとは出合小屋が有難すぎる。管理してくれている高根山岳会さん感謝です。
(記: 林)