谷川縦走

Photo_11 日時 2006年10月21日(土)~10月22日(日)
山域 谷川岳
行程
1日目・・・上野6:27発、水上着9:28-バス-谷川岳ロープウェイ着11:20出発-天神平-
      14:08肩ノ広場到着。肩ノ小屋脇にて幕営。
2日目・・・5:00起床-7:00出発-7:18トマの耳-7:38オキノ耳-9:06一ノ倉岳-(途中一時間程休憩)
      10:48茂倉岳-11:20〜12:00まで茂倉岳避難小屋付近にてテントを乾かす。-
      13:00矢場ノ頭-14:50下山-15:23土樽駅-18:00東京駅
参加者 (L)志村由美子、清水幸代(記)

昨年末の雪上訓練、雪洞山行に続き三度目の天神尾根。が、今回は雪が無い。無雪期の天神尾根を歩いてみよう!という閃きから、今回の計画は始まりました。そして、へなちょこ女子二名での初縦走。初幕営。初ルート設定と非常に達成感のある山行となりました。
初日の行程設定は、とにかく天神尾根の雪の無い姿を歩くことと肩ノ小屋付近から望む壮大な夕日と星空・流れ星?に焦点を絞り、距離を進むことよりも幕営地でのんびり&リラックスして過ごそうというテーマがあったのです。しかしながら、谷川ロープウェイ乗り場は激混み(紅葉のシーズンということを忘れていた!)、天神尾根も混み混み!そして、おまけに天気は悪く眺望ゼロ。真っ白なモヤモヤの中をひたすら登るという感じでした。また、なんとなく覚えのある場所?と思っても雪の無い尾根は全く様子が違うものでした。雪積もる中を進んだ時には見えたはずの山々が全く見えず、代わりに雪に埋もれていた熊穴沢小屋が登場。この辺で雪訓やったっけ??この辺で雪洞掘ったかも・・・と二人の曖昧な記憶を辿る。それにしても天気が悪い!高気圧よ、いずこへ?!この日は日帰りピストンでトマの耳までのハイキングを楽しむ人々でいっぱいでしたが真っ白な雲の中、紅葉も展望も全く楽しめなかったのではないでしょうか。ひたすら登り、そして下る。私達にとっても、ひたすら白の世界を登り続けるという修行のような一日でした。しかもザックには水やテントなど普段は誰かにおまかせしてしまう装備一式が入っていたので重くて重くて潰れてしまいそうなのです!格好つけて西黒尾根!なんて自分達の力量を無視したルート設定をしなくて良かったと休憩の度に何度も何度も思いました。「ウー」とか「フーッ」とか唸りつつ、なんとかザンゲ岩まで辿り着く。本日のゴールまで、あと少し!・・・でもでも遠い。行き交う人々の軽装備を恨めしく思い、なぜに自分達と同じ様な重装備の人々がいないのか不思議に思う。・・・が、それもそのはず。肩ノ小屋付近でテントを広げているのは私達だけ。その他大勢は身軽な装備で小屋泊まり。皆様の大注目を背にドギマギしながらテント設営。安達さんのアドバイスを思い出しながら、とにかく石を積み上げる!これでもかというくらいに積み上げる!皆の熱い視線を受けながら積み上げる!鵬翔のテントは飛ばされてはいけないのだ!幕営については小屋を管理している馬場さん御夫妻にご挨拶してから張らせて頂きました。この辺での幕営は暗黙の了解のようなものらしいのですが、ゴツゴツした地面は、どんなに整地してもゴツゴツしたままで、突風が攻撃してくる可能性も十分にありうる環境・・・というわけで、結局この日は私達の家だけがそびえ立っていたのでした。ザックからテントを取出し完成するまで30分。人々の好奇の眼差しの中、無事幕営!辺りは相変わらず白世界。モヤモヤの中、自分たちが今どこに居るのかさえ曖昧になる程に白。寒く、そして風は強く、夕日も星空も全く望みはなく、テントの中へ避難。しかし、このテントの中、狭いながらに快適な我が家!という感じ。今回はコッヘルの大きさも間違いなく二人用(前回の二人山行時には六人用のコッヘルで大量チーズ鍋を作ってしまった!という武勇伝があるのだ。)で、簡単ではあるが、なかなか・・・いや、かなり美味しい味噌そうめん(志村さん開発。)でホッと一息。そして、志村さんが持参したポップコーンを炙る。ジューっというバターの溶ける音とパチンパチンとコーンが弾ける音に二人とも萌える!水上駅で購入したビールをゴクリ!んまい!この時「んまい!」は「重い!」を征した!なんだか部屋の中に居るようにリラックス!な二人。久しぶりにテントの中での食事。やっぱり私は、この瞬間がとても好きだ。ヘコタレそうになりながら重い荷物を担いで来ても、私の中の頂きには、こうして仲間との粗末ながらにも高級料理店にも勝る食事、そして少しのお酒がある。そして、そんな一時が決して忘れること無く記憶に積み重なる。山の懐に抱かれるように、そして風の音と山の静けさを感じつつ19:30就寝。途中、フライが飛ばされてはいないかと心配したが、たくさんの石達が踏ん張ってくれていたようで非常事態にはならず!鵬翔テントは決して飛ばされぬのだ!
翌朝は5:00起床。雨の音と風の音で目が覚める。相変わらず外の様子はどんよりとしているのがテントの中に居ても感じる。眠りから覚めてない脳を、コーヒーと軽めの朝食で目覚めさせ身支度を整える。外に出ると辺りは白いまま。湿っぽい空気の中、テント撤収。トイレを済ませ馬場さんにご挨拶をしてから出発しようとしていたら、空にうっすらと太陽が現われた。そして風が白い雲を運び、時折、オジカ沢や茂倉岳が姿を現す。ほんの一瞬で白い雲に覆われてしまうのでカメラのシャッターが押せない!神様に悪戯されているようだ。それでも、みるみるうちに青い空が天に広がり、暖かい陽射しと眩しい光が小屋の周りの人々・私達を照らす。馬場御夫妻にコーヒーとおやつをご馳走になり、優しい朝を出発。目指すトマの耳へと続く道は、降り注ぐ太陽の光と共に私達を導いてくれた。
トマの耳へ到着し辺りを見回すと、稜線を境に白毛門方面は雲海で覆われ、まるで空中に雪が降り積もったようだ。反対側の万太郎谷方面は隅々まで姿を現している。雪洞山行の時にも同じ場所へ立って同じように辺りを眺めたけれど、雪山のそれとは全く別の景色が広がる。自然が織りなす変化に富んだ風景は、どんな絵画にも勝るものだ!と、つくづく思う。偉大だ!
感動しながらも足元に神経を集中させ、トマの耳からオキノ耳へ。そして一ノ倉岳へ向かう。途中、あまり右側に目を向けられず。目に入り込んでくる岩峰や、ばっさりと切れ落ちていている一ノ倉側は、見ているだけで足が震えてくる。吸い込まれそうだ!時折、チラリと切れ落ちている側を見てはブルンっと身震いする。その下が、どうなっているのか見てみたい気がするが体ごと吸い込まれてしまいそうで見て見ないフリをする(笑)オキノ耳からノゾキを通過する箇所が一番緊張した。クサリ場があったり、一ノ倉側ギリギリのところを通ったりすることで心は疲労。そして一ノ倉岳への急登では陽射しも強くなり肉体も疲労。この稜線を、雪積もる時期に歩くと一体どんなことになるのだろうか・・・。あぁー!!またしても、そんなことを想像してしまった!口の中は乾き、手の平に汗!額には冷や汗だ!一ノ倉岳に到着し、地図を広げる。烏帽子岩や衝立岩が、この下にあるのか・・・。真正面から谷川岳東面を眺めてみたいね!などと

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