日程:2016年5月3日(火)-7日(土)
山域:北アルプス
参加者:国府谷(L),五十島,高橋,雨宮
二度目の正直の北方稜線
今年のGWは2日休みとれば10連休、などとかなり無理のあるキャッチフレーズが
飛び交っていたが、ワタシは初めから10連休なのでノー問題。
問題といえば、行先とメンバーなのだが、このところやる気マンマンな会員が増加中で
これまたノー問題なのです。
3月には概ね計画は固まってきつつあったので、準備として西穂高岳北西尾根、谷川岳
西黒尾根、城ヶ崎、城山などをこなしつつ成功に向かっていった(と思う)。
初めの目論見としては、天候不順な場合の多い(気がする)連休前半を避けて、
より季節も進んだ連休後半の計画とし、チンネも雪氷のない状態で取り付けること
を狙ってのものでした。
計画のハイライトはチンネ左稜線だったのだが、これは初めから予備日扱いで、
状況次第で最初にカットされる予定だった。
結果的にはまずまず狙い通りであったように思う。
ずっと休みのワタシは2日にいろいろ最後の買い出し等の準備。
もたもたしていたら深夜の運転に備えて昼寝するつもりだったのが出来ずしまい。
2日夜に新宿集合して安房トンネル超えて馬場島まで。渋滞なしで案外早い。
駐車場が満車かと持ったらそうでもない。すぐに仮眠。
3日。いよいよ赤谷山へ出発。明日は雨予報だが今のところは快晴。いつまで
天気が持つか?パッと見、雪は劇的に少ない。上部はどうだろうか。
赤谷尾根下部は藪が出ていて大苦戦。通常の倍以上時間が掛かっている気がする。
頑張って1500mを越えたところで雪のある平坦なところにでたのでここまで
として幕営。夕食はホウレンソウ鍋。夕方から雨、風が強くなった。
4日は雨が治まった午後から出発するが再び藪と格闘。高度を上げても全然
雪が出てこない。それでも 何とか夕方に山頂に到着し山頂南側の岩陰で幕営。
今夜はキャベツ鍋。
5日は丸一日好天が期待される一日なので出来るだけ先に進みたい。
天気予報では6日は天気が崩れてくるらしい。
目標は小窓。あわよくば三ノ窓(無理か)。だったけど、結局池の平山の手前まで
進むので精一杯。また、藪に時間を取られた。
池の平山手前のほぼ同じ高さの尾根付近で幕営。思ったより池の平山は
遠かった。もう過ぎていると勘違いしていた。明日は長くなりそうだ。
夕食は麻婆春雨。
6日は午後から天候が崩れるので5日の分までなんとか出来るだけ
先まで進みたい。明日も雨だろうから残念だがチンネは諦めるほかない。
池の平山は東側に広い尾根が続いているのでここでもじゅうぶん幕営
できそう。小窓までの下りで三回ラペルする。雪がしっかりついていれば
尾根の東側を巻きながら下降できるのかもしれないが、今回はほとんど
出ている夏道(?)を辿っていく感じ。たっぷり3時間かかった。
小窓からは急斜面であるが、しっかり雪の着いた雪壁を登ってすぐで
小窓尾根に出た。池ノ谷、剱尾根がよく見える。
ところどころに幕営適地があり、小窓尾根登るパーティはここで泊るんだ、
などと感慨にふける。しかし、このころから空は明らかに雲が増えて
嫌な感じ。気が焦る。
小窓の王基部から三の窓へ斜めにラペル一回。とうとう三ノ窓に到着。
初めて来たけど、これが三ノ窓なのね。ここまで雄大な景色をずっと
見ながら来ているので狭いというかこじんまりとして見えるのは気のせい
でしょうか。というか天気が心配で落ち着かない。
しばらく休んでから池ノ谷ガリー登る。トップの五十島君が頑張って
ステップを作ってくれているので最後のワタシはこれまで随分楽をさせて
もらっている。左手に長次郎雪渓を見ながらさらに約1時間。
剱岳に到着。祠はちょっぴり顔を出している。
皆で記念撮影。やあやあよかったよかった。
さてどこまで下降出来るかな。早月小屋まで行けるかな。
しかしここでみるみる天候が悪化。すっ飛ばされそうな猛烈な風。
下降を急ぐ。分岐からすぐ下あたりから 雪が少なく岩混じりの部分を
ラペルしながら降りるうちに横殴りの雨も強くなってくる。
ここでも雪が少ないせいかさらに二回ラペルで降りる。
2600mくらいでギブアップ。それらしき雪面を整地して幕営する。
ずぶ濡れながらも下山の目途は立ったので一安心。
燃料もたくさんあるので、ガンガン焚いて少しでも乾かす。
(乾かないけど)
7日は小降りになったお昼前から行動開始。雨はすぐにほとんどやんだ。
12時過ぎに早月小屋に着き馬場島には16時ころ到着して無事終了。
有名な石碑の前で記念撮影。早月来たらこれを撮らないと、と思ってた。
これといったトラブルもなく下山出来たのでなにより。とても立派な
アルプスの湯で寛いでからすぐ前のスーパーで買い出し・食事を済ませて
また安房トンネル経由で翌朝帰京しました。
今回の計画は数年前に廣岡さんと計画して、連休初日に馬場島入りしたところ
上部では1m近い積雪があったりしてその場で敗退していました。
2回目で完登できたので満足ですが、あの時に行けば行けたのではないか
と考えると弱気になったことは今でも少し残念な気がします。
ルートの感想としては、クライミング要素はないのでひたすら体力勝負の
感じです。
天気も予想より悪くはなかったのである程度予定をたてて行動出来ました。
やっぱり富山からの剱は良いです。
(記:国府谷)