日程: 2024年7月14日(日) – 7月17日(水) 前夜発
山域: 野口五郎岳・真砂岳・ワリモ岳・鷲羽岳(北アルプス)
参加者: 飯岡・他2名
行程:
第1日目: 七倉山荘(4:01) – 七倉登山口(4:05) – 高瀬ダム濁沢登山口(5:20) – 高瀬ダム湯 – 俣登山口(5:32) – 高瀬ダム濁沢登山口(5:43) – 高瀬ダム テント場(5:53) – ブナ立尾根取付(6:21) – 権田落し(7:29) – 三角点(10:06) – 烏帽子小屋(11:38)
第2日目: 烏帽子小屋(5:42) – 烏帽子ひょうたん池(5:55) – 野口五郎小屋(9:15) – 野口五郎岳(9:48) – 真砂岳(10:24) – 真砂岳分岐(10:29) – 東沢乗越(11:51) – 水晶小屋(12:34) – ワリモ北分岐(13:57) – 岩苔乗越(14:06) – ワリモ水場(14:11) – 黒部川水源地標(15:34) – ワリモ水場(17:27) – 岩苔乗越(17:33) – ワリモ北分岐(17:54) – 水晶小屋(18:46)
第3日目: 水晶小屋(6:25) – ワリモ北分岐(6:58) – ワリモ岳(7:15) – 鷲羽岳(7:51) – 三俣山荘(9:29) – 三俣峠(10:49) – 双六岳中道分岐(12:29) – 双六小屋(12:57)
第4日目: 双六小屋(6:07) – くろゆりベンチ(6:57) – 花見平(7:12) – 弓折乗越(7:28) – 鏡平山荘(8:24) – 鏡池(8:36) – シシウドヶ原(9:13) – イタドリが原(9:47) – チボ岩(10:10) – 秩父沢出合(10:25) – 小池新道入口(11:29) – わさび平小屋(11:53) – 笠新道登山口(12:30) – 中崎橋(12:44) – お助け風穴(12:59) – 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)(13:16) – 新穂高温泉駅(13:27)
7/13(金)23:30竹橋発の夜行バス「毎日あるぺん号」にて出発。
出発の数日前は、梅雨明けが早まりそうとの予報に期待していたが、結果的には梅雨明けは山行の翌週になるとの予報に変わり、少し肩を落としての出発となった。
今回の山行は、北アルプスで6/30-7/1に降った大雨の影響により、当初の予定から直前のルート変更となった。(その後、山行中の大雨の影響で更なるルート変更も発生)
当初予定は、七倉登山口から入山して1日目はブナ立尾根から烏帽子岳を登頂し烏帽子小屋泊、2日目は野口五郎岳などを登頂して三俣山荘泊。3日目は西鎌尾根を経由して槍ヶ岳登頂後、槍ヶ岳山荘泊、4日目は槍沢経由で上高地へ下山という行程であった。
これが、前述した6/30-7/1の大雨により槍沢登山道が崩落して通行止めとなった為、下山ルートを槍ヶ岳→上高地から槍ヶ岳→新穂高へ変更。また、七倉~高瀬ダム間も、落石の為タクシー利用が制限されてしまった為、その区間は徒歩となった。更にはブナ立尾根登山口手前の濁沢の架橋も流出した為、渡渉を余儀なくされることに。
と、出だしから暗雲が垂れ込める気配の山行となった。
7月14日 雨時々曇
七倉登山道から高瀬ダムを経由して濁沢へと向かう。
濁沢の架橋が大雨で流失していることは事前に調べてあったが、実際に目の当たりにすると結構増水していて中々渡渉できそうなポイントが見つからず、時間を費やしてしまった。
何とか渡渉することが出来、日本三大急登の一つとされるブナ立尾根へと取りつく。
この時点では曇り空だったが、なにやら今にも降ってきそうな空模様であった。
登山道は出だしから急登であったが、思っていたほどのキツさではなかった。
一時間ほど歩いて権太落シに差し掛かったあたりから雨がポツポツと降りだしてきたのでカッパを着用。
と同時に、右足太ももにズキンッとした違和感を感じ、直ぐに足がつったと分かった。
このまま足のつりが治まらないと、前へも進めず、戻ったとしても濁沢の渡渉が厳しく、進退窮まるとはこのことだと痛感した。
しばらく足をマッサージしながら同行者からもらった漢方薬を飲むと、次第に足のつりも和らいできて、15分ほどで歩けるようになり胸をなでおろす。
そのあとは雨も本降りとなり、所々で休憩を取りながら昼前には宿泊地である烏帽子小屋へ到着する。
予定ではここから烏帽子岳に登頂する予定だったが、降雨のため中止とした。
また、現地の天気予報では翌日以降も降雨が続き、特に7/16は雷を伴う雨との予報だったので、槍ヶ岳への登頂はあきらめて三俣山荘から小池新道、左俣林道経由で新穂高への下山に変更した。
7月15日 雨時々曇
この日も朝から雨。
烏帽子小屋を出発して野口五郎岳を登頂し、水晶小屋で昼食をとってからこの日の宿泊地の三俣山荘へ向かう予定であったが、水晶小屋の先、岩苔乗越あたりから雨が酷くなってきて、登山道も沢と化してきた。
登山道を横切る沢も、普段は水量もさほど無いのであろうが、この日はかなりの水量となっていた。
ずぶ濡れになりながらも何度か渡渉を繰り返し、黒部川水源地標を過ぎて三俣山荘まであと500mくらいというところで、かなり流れの激しい沢にぶつかってしまった。
この沢を横切らないと三俣山荘には行けないので、渡るか否かを思案したが、ロープも無い中でこの急流を渡るのは危険と判断して、とりあえず水晶小屋まで戻ることを決断する。
この時点で15:50だったので、日没までに来た道(沢と化した登山道)を戻れるのか不安に駆られながらも速足で引き返す。
三俣山荘にも行けない旨を連絡したかったが、全員の携帯電波が繋がらなかった為に先を急ぐ。
やっと三俣山荘と連絡が取れたのが、岩苔乗越を登った先の尾根の辺り。
三俣山荘から水晶小屋へも連絡を入れてもらい、宿泊の段取りを取ってもらえて大変有難かった。
水晶小屋へは日没ギリギリの到着であった。
7月16日 雨時々曇
この日も雨の中の出発。
ワリモ岳、鷲羽岳と昨日のルートの東側を、尾根伝いに三俣山荘経由双六小屋へと向かう。
晴れていれば素晴らしい眺望であろうが、雨で全く眺望は無い。
昨日に比べれば歩きやすい(昨日ほどの雨ではない)為、割と良いペースで三俣山荘近くまで来ると、伊藤新道分岐の辺りで3人の軽装の女性たちとすれ違った。
すると向こうから、「昨日水晶小屋へ戻られた方たちですか?」と話しかけられた。
聞くと、三俣山荘の小屋番の方々とのことで、伊藤新道の登山道見廻りのあと鷲羽岳へ向かう途中で、この天気の中(殆ど登山者がいない)を3人で歩いてきたのですぐに分かったようだ。
昨日、色々と迷惑を掛けたり代替小屋の手配をして頂いた御礼をしてから三俣山荘へ向かった。
三俣山荘でも同様の御礼をしてから双六小屋へと向かう。
山荘から少し歩いたところに、昨日もう少しで到着しかけた黒部川源流からの登山道があり、少し複雑な気持ちになる。
7月17日 雨時々曇
最終日も雨の中での出発。
槍ヶ岳へ行っていたとしたら、右俣谷から右俣林道の険しい下山コースとなっていたが、幸いにも小池新道、左俣林道経由で新穂高への下山となる。
とは言っても小池新道も下りだから良かったものの、中々の急登である。
この日は翌日から天気が回復する予報となっていた為、昨日までとは違って、息を切らしながら登ってくる多数の登山者とすれ違った。
ワサビ平小屋、笠新道入口を過ぎしばらく歩くと、ようやくゴールの新穂高温泉へ到着し、雨天4日間50kmの山行も終わりとなった。
今回の山行を振り返ると、天気予報も連日雨模様であり、更に予想していたよりも雨の降り方が激しかったので、延期の選択肢をもう少し考えた方が良かったと思った。
結果的に無事だったとは言え、黒部川源流からの引き返しは、雨の中で日没と低体温症という危険を伴っていたので。
この辺は次回の課題としたい。
(記: 飯岡)