2309 瑞牆山 3 「一粒の麦」他

日程: 2023年09月15日(金) – 17日(日)
山域: 瑞牆山
参加者: 齋木・江戸(9月16日から+坂田・林)

トラッド・マルチの修行の場を求めて瑞牆へ(今季8回目)

3連休を1日早めての瑞牆3連荘。全日程とも夕方雨予報だったが、終わってみれば日中に降られることは殆どなく。よー遊ばせていただきました。

9月15日(金)

6時過ぎには駐車場に着いたので、マルチでもやろうかという話を齋木さんとしながら十一面岩方面へ歩き出す。調和の幻想か一粒の麦か少し迷ったが、この日は後者に決定。
一粒の後は時間が余ったのでクラック地獄エリアへ初進出。

○十一面岩奥壁
・一粒の麦 5.10c ○

取付きは、ズルムケチムニールート直前にあるフィックスロープの手前を壁伝いに左に行った先の狭いテラス。今回は偶数ピッチをリードした。

1p(5.9 ○):簡単なクライミングから始まり、短いクラックと緩いスラブの下り歩き。

2p(5.10a OS):ハンド?オフィズスの見事なロングクラックをひたすら直上する。上部は少し辛いが右側がフレーク状になっていてレイバックの誤魔化しが効き、レストもしやすい。登り応えがあり、かなり面白かった。

3p(歩き ○):正規ルートではピナクルの上に登るが、今回は2p目終了点から右のバンドを進んだ。最初以外ほぼ歩き。ピナクル側を見返すとそれなりに楽しそうだったので、やや後悔。

4p(5.6 OS):チムニーを直進し、突き当りを右折。プロテクションは取れないが、落ちる心配はあんまりない。右折後は結構狭く、身体の分厚さで通過速度が変わる。このピッチは隣りのルンゼを歩けば飛ばせる。

5p(5.10a ○):ルンゼ右側の壁の上部に見えるワイドクラックを目指す。下部は色々ラインがありそうに見えたが、我々はルンゼをある程度進んだ先から壁に取付き右上気味に進んだ。ワイドのパートは数手で終わる。

6p(5.10c OS):ガリー傍に聳える大岩のハング右のカンテから右上し、その後はひたすらクラック沿いを行く。最初のカンテ部から右上クラックに移るまでが核心で、後は気持ちいいハンドクラック。頂上では、終了点用にC4の#1前後をいくつか使用。下降は、頂上を越した先をクライムダウンしていき洞窟に降り、あとは歩き。
終わってから振り返ると、2p目以外は核心部を数手で通過してしまうので、グレードの印象よりは優しく感じた。

○クラック地獄エリア
・B1フィンガー 5.11a A0

フィンガークラック。ジャムの掛かりが甘い上に若干しっとりしていて取り付く島もない。今の自分では対応できないと感じた。

9月16日(土)

坂田・林ペアと合流。この日はクラック地獄エリア周辺で遊んだ。前夜の雨で壁もクラックもテカテカ。

○クラック地獄エリア&周辺エリア
・Kクラック 5.9 OS

奥地獄エリアのコーナークラック。ハンド~フィスト。濡れがいくらかマシそうに見えたので取付くも、実際は中まで濡れていた。フェースは所々に苔トラップ有り。ジャミングはしっかり効いた。

・ジャイアント・ジャム・サンド 5.10a OS
リアス式エリアの星付きハンド~フィスト課題。相変わらず全体的に濡れていたが、苔トラップが無いだけ有難い。ハンドが決めにくい所がたまにあるが、フットジャムはしっかり効くので安心して登れた。

・オリジナル1-2p 5.10a ○
クラック地獄エリアのマルチピッチのルート。1・2pともリード。

1p(5.9 OS):クラック地獄地下一階に並ぶ3本のクラックの内の真ん中。ルンゼ状のライン。地下一階は殆ど日陰のため午後になっても濡れており、特に1p目終盤は濡れていると怖い。

2p(5.10a OS):コーナー沿いのハンド&チムニーのダブルクラック(5.10a)。こちらは風通し日当たり共によく、岩肌もクラック内もカラカラ。チムニーが狭まる辺りで体勢変えして、ハンド&フィストで上へ。
この日は時間制限もあったのでここで終了。

9月17日(日)

最終日は調和の幻想をやろうと思っていたものの、出遅れのため4パーティ待ちという体たらく。調和は諦めてクラック地獄エリアへ転進。

○クラック地獄エリア
・N字ハング 5.10d OS

クラック地獄の地下の3本ラインの左側。フィストメインで抜け口はワイド気味。昨夜の雨でまたしても下部が濡れていた。
基本はフィストや握り拳で上がれたが、やや幅広な箇所や小ハングを超える箇所の処理が厳しかった。クラック内部で作るフリクションと、フットジャムへの全幅の信頼が必要。
プロテクションはC4の#4を4つは欲しい。#4が足りないなら#5があると安心かも。終了点には#3を使用。

・オリジナル(2-4p) 5.10b ×
N字ハング後はオリジナル2p目に繋げて頂上を目指した。2p目以外リード。

2p(5.10a ○):コーナー沿いのダブルクラック。今回はフォローで上がる。

3p(5.10b OS):ハンド?オフィズス(5.10b)。フットジャムがしっかり決まるので不安は少ないが、クラック奥の泥が少し気になった。

4p(5.9 ×):3p目終了点から壁伝いに20-30m程右に歩いた先に聳えるチムニー。最初は左上するフレーク状のクラック伝いに登り、後にチムニーに移る。チムニー上部にはチョックストーンがあり、チムニー内を歩いて奥から抜けることもできるが、パーティーが全員細身体型でも無い限りは手前から抜けた方が良い。
実はチムニーに移る前で右上する派生ルート(5.10b)もあり、当初はそちらに進もうとしたものの、クラックが次第に閉じて無くなり苔生したスラブと格闘する羽目になり、最終的にフォールした。この時は#0.2と齋木さんが墜落を止めてくれた。
頂上からは60mダブルで垂2回で下まで。

○思うこと
・次の瑞牆は1ヶ月後。今回調和の幻想をやれなかったのは残念だが、一粒の麦とクラック地獄エリアのマルチを楽しめたのでそこそこ満足。
・ジャミングの技術が全体的に上がってきている実感がある一方で、唯一フィンガーだけは不安が残る。どこで練習するべきか…

(記: 江戸)

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