日程: 2025年1月3日(金) – 5日(日)
山域: 武尊山
参加者: 国府谷(L)・林(SL)・加藤・酒入
行程:
第1日目: 旭小屋付近駐車場(10:10) – 川場尾根不動岩 – 幕営地1800m(16:20)
第2日目: 幕営地(7:00) – 前武尊(8:00) – 武尊山(11:00) – 幕営地(13:24)
第3日目: 幕営地(7:05) – 前武尊(7:54) – 川場谷野営所(10:15) – 駐車場(11:00)
年始山行は武尊山へ。
曇り時々晴れ。旭小屋の前に駐車してスタート。登山口から雪はしっかりあったがトレースがついていたので、ちょっと残念そうな先輩方。
しばらく登るとトレースは無くなり、ワカンをつけて、さぁラッセル。大きなザックを背負った林さんが、先頭を力強く進んでいく。小柄で華奢な加藤さんも、軽快な歩きで元気いっぱい。できるだけ遅れないように、ふうふう息を上げてついていく。国府谷さんは急かすことなく、後ろで見守ってくれている。
長袖一枚でも汗ばむくらい暖かく、風もない。気温のせいか雪は重めだ。深さは膝下くらい。
途中でアイゼンに付け替える。鎖場の下りで2か所ロープを出してもらった。無くても行けるかな?と言いながら、手早く安全を確保してもらい、とてもありがたかった。
前武尊(2039m)をBCにする計画だったが、そこまで登ると暗くなりそうなので、250mほど下の樹林帯に設営。水を作り、夕ごはんは国府谷さんが準備してくださった鶏のお鍋。お肉も野菜もたっぷり、とても美味しくて元気がでる。加藤さんが赤ワインを2パックも担いできてくれて、一同にっこり。
2日目は4:30起床。ワカンをつけて7:00に出発。予報より天気は良く、時おり青空も見える。前武尊まで、急な斜面を登っていった。ラッセル交代しながら、自分も少し先頭を歩かせてもらった。真っ白な雪面にトレースつけるのはとても楽しく、どきどきした。
尖った剣ヶ峰が聳え立つ。剣ヶ峰はトラバースで巻いた。武尊山山頂に向かって、景色を楽しみながら登っていった。林さんは本格カメラで年賀状の写真を撮っていた。選ばれたのはどんな一枚だろう…
山頂は思いの外静かだった。リフトから登った方が2名おり、写真を撮っていただく。どこから登ったとしても、初めて武尊山の山頂に立てば、それなりに感激していただろう。でもこの日、自分達でトレースつけて山頂に立つ楽しさ、贅沢さを教えてもらった。
下りはあっという間だ。前武尊から各自好き勝手歩いていたら、国府谷さんから、明日登り返しのトレースつけて~との注意あり。
テントに帰ると中は凍りつき、雪が降っていた。防寒具をすべて着込み、お湯を沸かしてもらってお茶を飲んだりしていると、また快適で楽しい空間に戻り、なんだか嬉しくなった。まだ時間は早かったが、ちらつく雪は夕暮れまでやまず、のんびりお楽しみタイムが続いた。
4人分の水作りは結構時間がかかった。夕ごはんは、大きなジャガイモとキャベツ、食べきれないほどのソーセージが入ったポトフをいただく。テントは暖かく、2日目もよく眠れた。軽装備の国府谷さん、2日目も入り口ポジションで、寒くなかっただろうか…リーダーは弱音をはかない。はけない?
3日目も4:30起床、テント撤収して7:00すぎに出発。お天気最高で下山するのが惜しい。空の青が濃く、武尊山は白く輝いている。昨日つけたトレースが見えるって、ほんと??
自分のザックは食材もなくなり軽いので、前武尊への登り返しも苦にならない。ロープやテントの入った国府谷さんと林さんのザックは相変わらず重そうだ。3日間大きなザックの後ろを歩かせてもらった。
オグナ武尊スキー場を経由するルートで下山。こちらは緩やかで雪はふかふか。歩きやすく楽しいが、ルートがわかりにくいので、GPSを確認しながら下っていった。林道歩きが長そうだったが、実際はなんてことなく、前武尊から3時間ほどで駐車場に戻ってこれた。
下山後は、川場田園プラザの楽楽の湯へ。食事も済ませ帰路につく。お正月休みの最終日だからか、渋滞もなくスムーズに帰京。
武尊山は、まだ穂高も槍も知らない頃から、いつか登りたいと思っていた特別な山だった。まさかこんな風に登ることになるとは。山頂に立ったとき、とても嬉しかった。手っ取り早く登ってしまわなくて良かったと思った。
短い雪山シーズンが始まった。休むのを惜しみ、たくさん登りたい。帰りの車でも、雪山とクライミングの両立について、熱いトークが続いていた。
(記: 酒入)