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2607 北岳バットレス(ピラミッドフェース〜第四尾根)

日程: 2026/7/24.25
山域: 北岳
参加者: 斎木・石井

(記録:石井)

1日目

行程:
1日目 6:20広河原-8:30白根御池-12:00取付き-13:40白根御池

今年の目標ルート北岳バットレス(ピラミッドフェース、四尾根、中央稜継続)登攀に向けて1日目はアプローチとベース設置、偵察を行った。

23:00発、1:30に芦安着。芦安駐車場で車中泊。乗合タクシー真横に駐車したため、乗合タクシーの案内の声で起床。(元々眠りは浅かったが)予約なしの最後の2枠を勝ち取った。

少し早めに出してくれて、広河原には6:00前くらい着。1人1400円+300円。

歩き始めは少し肌寒く丁度良かったが、流石に滝汗。止まって少し休憩すると涼しくて心地良かった。睡眠不足に久しぶりのしっかりとした登山はきつくて、ゆっくり登った。(明日が本番なんで!)

白根御池に着いてささっと幕営し、バットレスへのアプローチの確認、偵察、登攀具のデポをしに取付きへ向かった。白根御池から二股、8本歯のコル方面へ。そこから順番にA沢、B沢と来て、C沢からバットレス方面へ。踏み跡がいくつかあって、トポには「明瞭な」踏み跡と書いてあったのではじめC沢を渡った先にある踏み跡を辿ったが、草木が生い茂っていたので、違うか~となり、C沢手前にさっきよりは明瞭な踏み跡を辿った。これを詰めると徐々にB沢へと誘われた。実際B沢の踏み跡からもバットレスの下部岩壁には出れるが、だいぶ右側の方へででしまい、ピラミッドフェースの取付きへは左にトラバースする必要がある。このトラバースが急なガレガレで慎重に歩いても落石を起こすので全くお勧めできない。C沢の尾根まで来ると、トポにあるおすすめの踏み跡とぶつかり、ピラミッドフェース取付きまで。取付きでDガリー大滝と顕著な十字クラックの間の浅い凹角が1P目。スタート地点にハーケンとリングボルトが打ってある。今までにない規模の壁に圧倒される。これを登るのかという緊張があったが、よくよく観察すると登れそうなラインが見えてきて、早く登りたい感情に変わっていった。夕立が来る予報だったのでザックにビニール袋をかけてデポした。ここまで来るのにも重い荷物を背負ってなかなか登ったので、すっごい疲れた。クライミングばっかやってたからアプローチがきつすぎた…。バットレスの壁が見えてから全然近づかなくてすごい長く感じた笑。

帰りはガレていない明瞭な踏み跡を辿った。その結果、はじめに違うなと思ったC沢を超えたところの踏み跡に出た。最初が少し悪いが圧倒的にこちらの踏み跡の方が良かった。アプローチはC沢左の踏み跡の方が快適。 

もうくたくたで、コーラとアイスを食べてしまった。アプローチ頑張った身体にはよく沁みた。14:30に夜飯を食べて15:30に就寝。23:30起床とした。疲れすぎて2秒で寝れたが、夕立で一時起床。時計を見ると18:00前。あんまり寝てないのになにこのスッキリ感。ものすごい質の高い睡眠だった笑。かなり激しい雨が降って、あ、これ明日濡れ濡れで登れないやつ?と思って、とても悲しくなりながら、とにかく今は明日のために寝た。準備の1日目終了。

2日目

行程:
2日目 0:40白根御池-2:30〜3:00ピラミッドフェース取付き-13:00北岳山頂-15:45広河原 

予定通り23:30起床。夕立の影響で断眠だったが、思いの外スッキリしていた。朝ご飯はチキンラーメンとカフェラテ。昨日デポしたおかげで雨蓋に入りきる程度の荷物を持って0:30頃にテン場から出た。空は快晴。期待が持てる。嬉しかった。

心地良い涼しさと軽い荷物と空一面の星空で昨日とは比べ物にならないくらい軽快に歩けた。梅雨明けの空はとてとよく澄んでいて天の川らしきものも流れ星も見えた。

昨日の偵察のおかげで、すんなりと取付きまで来られた。ささっと準備して、じゃんけん。勝ったので1P目リード権ゲット!真っ暗な中登攀開始。

ザックを1つにまとめ、リードは空身、フォローが背負うスタイル。つるべで登った。

1P 浅い凹角~バンド状(35〜40m)(石井リード(以降I))

岩は乾いてるが、草が濡れてて結局ソール濡れ濡れで登る。草付きで足があるのかわかりにくいし、踏めるのかすらわからないのが嫌らしいところ。これがアルパインかとさっそく洗礼を浴びたピッチ。ヘッドライトが普段気にならないけどクライミングになると暗い。光量がないと登れないと思い知らされた。ハーケンが並んだバンド状でここかなとピッチを切った。

*2P~4P目は迷ってます。

2P 左へ草付きトラバース(40m)(齋木リード(以降S))

直上はプロテクションの取れないラインのためハングを左へ巻く。最後悪いところを直上。立木でピッチを切る。

3P 右上する踏み跡を辿ってトラバース(50m)(I)

明瞭な踏み跡を進む。そーするとCガリーまで出てしまった。とりあえず立木で終了。トポをしっかり確認しないとミスって余計時間かかってしまうと思い知らされた。

4P 左へトラバースし修正(20m)(S)

ボルトの打ってるあるフェイスに当たったのでピッチを切る。

5P フレークっぽいクラック(15m)(S)

15mほどフレークっぽいクラックを登攀。ビレイ支点があったため短いがピッチを切る。

6P ハンドクラックフェース(15m)(I)

クラックやっといて良かった。0.75~2番で支点がとれる。フットジャムもハンドジャムもサイズ的には効くが、岩質的(ツルツル)に心配で痺れた。声出た。楽しいピッチ。 

7P 横断バンド。テラスまで。(25m)(S)

正面の垂壁を巻くように踏み跡を右上。その後草付きスラブを直上し左にトラバース。人2~3人くらいのテラスがあった(写真)

*ここからの数ピッチは記憶が曖昧。順番が曖昧。

8P 汚いフェース(I)

小テラスは覚えてるけど、それ以降覚えてない。最後ブッシュ上がって大きいテラスだったと思う。おそらく正規のピラミッドフェースは左側にあったのだと思われる

9P リッジ登攀(15m)(S)

リッジぽいラインを登った。トポと一致しないため、ここ違くねとなってた。露出感あって、なかなかに怖くて面白い。リッジ上でかわいい小鳥に道を譲ってもらった記憶はある。

10P 草付きスラブ(15m)(I)

コーナークラックまで草付きのスラブを登攀。

11P コーナークラック〜スラブ(25m)(S)

フィストサイズ。足がなくて、レイバックで足上げて、フットジャム入れれば安定。ここに来て4番カムが活躍。面白かった。

12P ピラミッドフェースの頭までスラブ登攀(25m)(I)

スラブを20mほど上がって三角形の岩下でピッチを切った。 

13P 横にトラバース〜白いクラック(50m)(S)

50mギリギリまで伸ばした。10mほどトラバースの後、白いクラックを40m登り、尾根まで。

14P 三角形垂壁まで尾根歩き(20m)(I)

超快適というかほぼ歩きだった気がする。

15P 三角形の垂壁~マッチ箱(20m)(S)

四尾根の核心。ここが核心だと言わんばかりのハーケンの数。ツルツルのスラブに小さいスタンス。面白かった。

マッチ箱で懸垂。古の懸垂支点と安心のペツルボルトあり。この高度感と露出感での懸垂は気持ち良すぎる。

16P スラブ、チムニーからリッジ(25m)(I)

最初のスラブも足がなくて、側面のマッチ箱側面を使いつつ。チムニー使ってもいい。チムニーの下にピカピカのカラビナが落ちてたのでもらいたかったが無理だった。

17P カンテorルンゼ(20m)(S)

我々は草ボーボーのルンゼの方へ。草で支点が取れそうで取りにくいような感じ。カンテに出て、リッジ前にペツルボルトがあった。ピッチを切った。

18P リッジ~チムニー~四尾根終了(25m)(I)

本来はチムニー前でピッチを切るみたいだが、リッジからそのまま終了点まで。少し曇って、風も 出てきて高度感を感じれて爽快なリッジをトラバース。気持ち良かったので声が出た。ほんで最後のチムニーもなかなかしっくりくる手がないなか、身体ねじ込んで、スタックさせて休憩しながら探って登った。少し離れたところでビレイしてた斎木さんが応援してくれるくらい、吐息出ててまーまー奮闘した笑。最終ピッチでこのチムニーが出てきてくれて最後ものすごいやり切った感を得られた。ありがとうチムニー。

本来はここから中央稜を継続する予定だったけど、すでに12時半。下山タクシーの時間も考えると、残業はなしとした。

登り切った気持ちさに酔いつつ、装備をザックにしまって、スタコラ山頂へ。山頂で写真を撮ってすぐ下山。帰りは登りの人に注意ながらトレラン下山。アルパイン赤本のひろけんさん参考タイムは完全に走ってます笑。肩の小屋でのコーラを我慢して白根御池で死ぬほど美味いコーラを飲みました。スタコラ畳んで、広河原まで1時間。なんとか16:00までに下山完了。やり遂げてとても誇らしい気分。15時間行動で、情け無い事を言いながら降ったのも良い思い出です。

この日は自分達以外バットレス登攀をしているパーティーは見かけなかった。

3000mの山で17ピッチ出すスケールの壁を登れたことが嬉しいし、楽しくて怖くて痺れて気持ちよくて爽快だった。また、プロテクションに関しては基本的に茶色のサビ気味なハーケンとリングボルト。たまにペツルボルト。カムで取れるところは取った方が良さそう。あんまり落ちれないという緊張感と高度感、岩の脆さ、濡れた草付き下部岩壁、ルーファイの難しさ。基本的に安心なボルトの打ってあるスポートとは違って、リスクだったり、ルートだったり、プロテクションの強度だったり、支点構築だったり、アルパインは創造力が求められると思った。 

今回、中央稜に継続できなかったのはルーファイ力がなくて下部で時間がかかった事もあるし、単純に登攀とロープワークに時間がかかってしまったのは伸び代だなーと思いながら、まーまた来よって思えたが、家帰って他の人の記録みてるとなんか違うな…ってなり、ピラミッドフェースすらちゃんと登れてなかった。悔しかったので、よりまた行きたい気持ちが強くなった。そしてちゃんとピラミッドフェース-四尾根-中央稜の北岳バットレスを完成させたい。

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