復活したカモシカ(丹沢を駆ける)

2005年5月28日(土)

丹沢縦走(塔ヶ岳~丹沢山~蛭ヶ岳~檜洞丸~大室山~畦ヶ丸)

坂田・後藤

今回はトレーニングの一環としてのカモシカ山行を計画した。カモシカ山行とは週休1日が一般的であった時代に、土曜日の夜行で出発して翌日の夜行で帰宅&出社という時間を最大限に生かした山行形態であり、一般的な行動時間は30時間ほど。今回は翌日に同角沢を遡行する予定が入っているため、そこまでの長時間行動は無理だが、夜間行動の長さからカモシカ山行と言っても差し支えはないと思われる。鵬翔からカモシカ山行が消え去って久しいが、トレーニングとして有意義なので、今後は年に2回は実行したい。

5月27日(金)

21:30 新宿駅集合

日々、これでもかと残業に勤しんでる二人にとっては、なかなか挑戦的な時間設定だ。小田急線で渋沢駅まで。駅を降り、さぁサンクスで食料でも買うかと向かったところ、いつもの場所に見当たらない。「おかしい、コンビニ消滅!?」いや、なんてことはない。そこは秦野駅だったというだけだ。気を取り直し、今度こそ渋沢駅へ。それにしても今シーズン、散々沢登りで来ていながら二人してなんたる失態!ま、このメンバーにしてはまずまずの出だしなのだろう。

5月28日(土)

0:15 大倉バス停着

渋沢駅から祐介とたわいのない会話を交わしながらゆっくりと大倉尾根取り付きへ向かう。風が生暖かい。曇り空。これまでは沢登りでしか丹沢へ入ったことがなかったため、大倉尾根すら初めてである。計画書を投函。

0:20 大倉尾根登山口着

樹林帯に入ると真っ暗となり、目が慣れるまでヘッドライトが頼りなく感じた。無風で間もなく汗が滴り落ちてくる。それでも、昼間に比べると夜間は快適だ。ただ「暗い」ということが不利なだけである。GWの縦走から間もないためか、沢道具一式が入った荷物の重さも気にならず、まずまずの調子。

1:20 R 1:25

60分1ピッチとする。暑い。今回は長時間歩き続けられるペース配分をコントロールすることに加えて、水分摂取量とカロリーをコントロールすることも(個人的な)目的1つ。がぶ飲みしたいところを抑えて慎重に飲む。行動食は最小限に抑え、行動中に飴などで糖質を少しずつ補給することで脂肪の燃焼を促す作戦。

祐介はと見ると2リットルのデカボトルでうまそうにゴクゴクと!あー、なんでこんなアホな作戦思いついてんやろ、とちょっと後悔。

2:30 塔ヶ岳 2:42

まあまあのペースか。振り返ると街灯りがキレイだ。薄雲に隠れる赤い月の光が足元を照らし、ヘッデンが要らないくらいである。パートナーの足音を聞きながら、トレーニング効果が高まるようにペースメークする。このペースメークがどうも苦手というか皆に不評なのだが…。

3:30 丹沢山 3:40

静かだ。静かな山は心地よい。丹沢エリアで増殖し続ける鹿の鳴き声だけは夜通し響いていた。夜明けの近さを空に感じつつ、踏み入れたことのない山域へと向かう。

4:50 蛭ヶ岳 5:05

丹沢にもこのようなところがあったのかと目を見張る。丹沢といえば植林の鬱蒼としたイメージがあったが、蛭ヶ岳までの稜線はそれとは無縁であった。眼下に広がる視界に山深さを感じる。まさに、夜明けの瞬間に立ち会う場所として最適であった。時々鹿の群れが駆けて行く。

蛭ヶ岳ももうすぐかという頃、「ヒルが居ますよ!」と祐介の声。見ると足元にはゴミ屑のような小さなヒル。念願のヒルに出くわしたことは喜びに堪えなかったが、あまりに貧弱な見た目にはガッカリ。これまで西丹の沢にもいくつか入ったが、ヒルにやられたことは皆無であったので、本当にヒルが生息しているのか半信半疑であった。さすがに朝方は気温が下がったためか、ヒルも大人しいようだ。せっかく餌がそばを通っているというのにもったいない。そうか、それでこの山名が…、今さらながら気付いた。後で知ったのだが、鹿の行動範囲の増加と共に、ヒルの生息範囲も急速に拡大しているらしい。

蛭ヶ岳山頂では長めに1本立てた。小屋から来たと思われる人達が写真を撮っており、今回初めて他パーティに出くわすこととなった。

5:55 臼ヶ岳 6:06

ちょっと早いがキリが良いので1本。トレイルランスタイルで身を固めた人に追いつかれる。すぐにライバル意識が芽生えてしまうのが悪いクセだ。下りをなるべくこっそりとペースアップを図ったのだが、さすがは勘の良い祐介。「勝てっこないですよ」と釘を刺される。何でバレたのか納得いかない。

檜洞丸への道は予想以上の斜度だ。丹沢も舐めたものではない。「やべ…、キツイ…、かも??」と思いながらペースが落ちないよう気をつける。祐介のペースは期待以上に維持されたまま檜洞丸へ。この調子なら体力面でもあっという間に俺を抜き去ってしまうだろう。このことはパートナーして嬉しく感じる一方、「そうはさせるか」という気持ちが自分自身への鍛錬へとつながるのである。なんて先輩面して白々しく書いてみたものの、実際は足を引っ張ることの方がしょっちゅうで、体力のなさを突き付けらてばかりなのだ。

7:10 檜洞丸 7:40

頂上は静かであった。60分で機械的にピッチを切って来たが、このような急登を伴う場合などは臨機応変にピッチを切るべきだったと反省しながらも、良いトレーニングでもあったとも思う。ここで初めての大休止。反対方向から年配の登山者がやって来た。どうやらツツジを観ることが目的のようだ。何でも、今年は何年か振りの当たり年らしい。しかし、この山頂での見頃はもう少し後とのこと。写真を撮ってもらう。

8:50 犬越路通過

大して人気のないルートだろうと思っていたが、多くのハイカー達とすれ違う。皆ツツジが目当てのようだ。確かに白・ピンクのツツジが枝一杯に咲いている。○○ツツジの○○が思い出せないのだが、自生している動物も植物もキノコも何も知らない自分はかなり損しているに違いない。このルートは意外にガレてて足場が悪く、鎖場などが登場する。今回のルートで唯一注意を要するところだろう。相も変わらず我ながら下手っぴな足運び。クライムダウンの練習でもするか。眠いのを通り越して二人ともハイテンション。

9:10 ?:??

犬越路を越え、藪の深い道を登ったところで1本。暑い!高度が低いためか植物が生い茂り、緑々している。ややペースダウン。

?:?? ?:??

思ったより急登。疲れた~もう1本!

10:30 大室山分岐

広々としており、何パーティかがたむろっている。躊躇なく

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