日時: 2009年2月1日(日) 前夜発
山域: 尾白川刃渡り沢(南アルプス)
形態: アイスクライミング
参加者: 国府谷(L)・広岡・土井
1月31日(土)の天候が悪く、当初の駒津沢から日帰り可能な刃渡り沢に計画を変更した。中央道韮崎インター下りて20分ほどにある道の駅の駐車場にテントを張り仮眠。夜中、風が強くテントを打ち時々目を覚ます。2月1日午前6時過ぎに出発。林道の、車で行けるところまで行きそこから歩きで約1時間少し、途中右手に見えるガンガノ沢、岩間(ガンマ)ルンゼの氷結状態を確認しながら林道の終点へ。突き当たり左にある尾白川への急な下降路を下る。
尾白川はこの季節にしては水量が多く、渡渉にやや難儀した。渡渉点から登り返して10分ほどナメやトレースのある雪道を行くと約15メートルの滝に突き当たる。ここは足慣らしをかねてゆっくり登る。ヤスリでギンギンに研いだバイルの刃先を狙い定めた氷に打ち込む。一発でビシッと決まる。次にアイゼンの前爪を蹴りこんでぐっと体を持ち上げる。とても快適だ。これがアイスクライミングの喜びだ。
そこを抜けてしばらくのところに長さ約60mの氷瀑が現われる。大きな緩やかな滝で中段ぐらいまで気を使うことなく登れる。滝の出口までの最後の5mが垂直に近い傾斜だがそれほどの難しさはない。国府谷さんのリードで難なく上がる。
そこから左上して20分ほどで「双翼の滝」に行き当たる。登攀ルートである左側の滝の状態を見るが融け出していて上部はシャワー状態だ。下部の氷の状態もあまりよくない。バイルを打ち込むと氷柱が壊れてしまいそうだ。この先もあるのでここはやむなく右岸を高巻くことにした。
少し行くと最後の大滝が現われる。しかし、ぐるっと見渡しても氷はどこも薄く、ルートである左側の滝は細く頼りない。見ると途中氷がなく岩が出ている。ここまで上がってきて残念だがちょっと登れる状態ではない。仕方がないので下部の緩傾斜エリアでバイルの打ち込みやクライムダウン、トラバースの練習を30分ほどして撤収した。
下降途中にある60メートルの滝で今度は私のリードで2回目のクライミングをして、この日は終了とした。
帰りの林道からは甲斐駒ヶ岳がよく見え、稜線に雪煙が舞っていた。上空は相当風が吹いているのだろう。途中、珍しいものを見た。道端にカモシカの足の一部と思われるものが落ちていた。熊にでも襲われたのだろうか。
帰りは土井さんおススメの老舗の饅頭をみやげに買い、それから温泉にのんびりつかって新宿に戻ったのは午後10時すぎだった。
(記: 広岡)