日時: 2012年2月21(火) – 22日(水)
場所: 天狗岳(八ヶ岳)
参加者: 掛川・他1名
北八ヶ岳の天狗岳に行ってきました。パートナーはクライミングしていたときの山仲間Sさんで、怪我が治ったらテントでいっぱいやろうやと言っていたのがやっと実現しました。
幸い天候に恵まれて、久しぶりにアイゼン、ピッケルを使う本格的な冬山を楽しんできました。今年の冬は雪も少なく、2月にしては暖かい天候だったと思います。アタックした日の小屋付近標高2400メートルではマイナス8度。東天狗岳の頂上は2640メートル。風はやや強いぐらいだったので、体感温度にしたらマイナス10度ぐらいになるのでしょうか。足はやはりアイゼンをつけたせいか、ジンジンとしてきましたし、手もアイゼンを付ける時などは冷たくて、やはり一度凍傷になった部分は寒さに弱くなってるんだろうなと思いました。
天狗岳には渋の湯から入りました。今日は黒百合ヒュッテまでなんでのんびりコメツガやシラビソなどの針葉樹の林を登っていきます。空は雲ひとつない快晴です。唐澤鉱泉からの道と合流してしばらく緩やかに上がって行くとシャクナゲが出てきました。寒さに耐えるため、葉はしぼんで垂れ下がり、余分な水分の蒸発を防ぐためか、内側に丸まっていました。小さな谷間の間を通り、小屋に3時過ぎについてテントを張りました。まきを積んで壁のようになったところを風よけにしてテントを張りましたが、テントは私たちだけだったようです。ですが、小屋には平日にもかかわらず10名程の登山者がいました。
翌日太平洋側に前線があり、伊豆では雨が降っているとラジオでは言ってました。ところが、ここは昨日同様素晴らしい好天です。もっと天気が崩れるだろうと思っていたので景色が楽しみです。
頂上まで約1時間半。さすがに森林限界を超えたら稜線は風も強くなってきました。雪は堅くしまっていてアイゼンが良く効きます。先月の岳人で入門コースと紹介されていましたが、中山峠付近の樹林から見上げた天狗岳は頂上へのスカイラインをすっと伸ばして、なかなか迫力がありました。あの斜面を登っていくのかと、ちょっと不安な気持ちになります。取り付いてみたら、岩場も特に難しいところもなく、高度を上げるにつれ広がるパノラマを楽しみながら頂上に着くことが出来ました。360度の絶景が広がります。浅間山、妙高、長く白い峰が連なる北アルプス、乗鞍、木曽御岳、中央、南アルプス。私の心はやはり南に一番惹かれました。仙丈、甲斐駒、中でも北岳は別格の感があります。すぐそばには硫黄岳の向こうに阿弥陀と赤岳が見えています。また再びあの雪をまとった山々に行ってみたいと思いました。
テントをたたんで、下山して渋の湯に入りました。天下の霊湯と看板がかかっていましたが、この辺りには、辰の湯とか、明治館とか歴史を感じさせる名前の温泉が多いです。源泉は26度の白濁した硫黄泉のようですが、加熱したら透明になっていました。いい湯でした。
諏訪に下る舗装路のあちらこちらに石仏がたくさん立っていました。昔の人が温泉への感謝を込めてたてたそうです。で、今は道路に寸断されているでしょうが、湯への古道をたどりながら、一つ一つが個性的な石仏を訪ねて歩くのも楽しいだろうなと思いました。
(記: 掛川)