岳沢の準備とあとがき
南アルプスを代表するビックルートと言われる岳沢。
去年、はじめてその話を聞いたときはこんなに早く訪れる事になると思いもせず。
今回の岳沢にあたっては、自分のアイス経験の少なさもあり相応?の準備と作戦をかけて挑みました。
1.作戦編
登攀そのものは黄連谷左俣のスケールを大きくした感じと予想。
しかしネックは下降路が異なる点で装備を担いでの登攀or荷上げを考えなくてはならない。
ザックを背負ってⅤ級がリードできれば1番いいのだけれど無理そうなので今回は荷上げをとる事に。
登攀ラインはどれも直線的なのでシングル60m1本のみでその他の装備もそれなりに切り詰めた。
そうめん流しでのビレイ点作成があるのでスクリューは多めに12本程度。
2.感想戦
そうめん流しより手前の氷に関しては核心部が短くかつ出だしにあるので、
空荷で核心リード→傾斜緩んだ所でセルフ→荷上げ→ザック背負ってロープいっぱいまでという形でシングルでも荷上げは行えた。
フォローの荷上げはしない前提になるので、セカンドが荷上げせずフォローできるPTであれば有効?
問題はスクリューで標高があがっても気温が高い為スクリュー内で凍結してしまう事があった。
一度凍ると溶けるまで使用できないのでランニングをとる位置にはもっと気を使うべきだったと反省。
最大4日の行程を考えて準備していたが、個人的には2日で抜けられたらというあわよくばな期待もあった。
岳沢出合からトレース無くラッセルで苦戦したものの2日目に北沢峠までは降りてこれたので良かった。
アイスクライミングの右も左もわからない自分がクラシックルートに来れたのは、熱意あるパートナーに恵まれての事。
スッキリとした山はそれだけで美しいのですが、見上げる人がいてより際立つものだとおもいました。
(記:五十島)