2013三つ峠クライミング

三つ峠クライミング
日時: 2013年10月12日(土)
山域: 三つ峠
参加者: 久世(L)・五十島
行程: 前夜東京発- 裏三つ峠- 木無山- 天狗岩(ロープワーク練習) – 屏風岩- 裏三つ峠- 帰宅

今回は三つ峠にクライミングへ行ってきました。とは言っても私は全くの初心者なので、ロープワークの基礎から教えて頂きました。
前夜発の裏三つ峠駐車場で仮眠のち出発。登山道は危ない所もなく木無山へと登って行きました。天狗岩についてから、まずはハーネスの付け方、ザイルの結び方など教わります。2013三つ峠1

エイトノットを教わってやって見ますがどうもうまく行きませんでした。自分、ぶきっちょです。。。
なんとかできるようになり、次にセルフビレイやビレイデバイスの使い方等を説明してもらい、ここで実際に登る事になりました。最初にリードで久世さんに登ってもらい、僕がビレイしました。もしもを考えるとビレイはとても緊張します。もしかしたら自分で登るより緊張するかもしれません。
久世さんが登り終え、降りてくると次にトップロープで私が登ります。人生初のクライミングチャレンジはビレイよりよっぽど緊張しませんでした。登っている時は緊張よりも楽しさのほうが大きいです。
その後は懸垂下降やビレイ等何種類かの練習をしましたが、途中で写真同好会の方に練習を撮られながらの場面もあり、これは多少やりにくさを感じました。写真は撮るのは慣れてるつもりですが、撮られるのはまだ慣れない。。。。
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その後は屏風岩へと移り、一番易しいルートから練習です。やはりまず久世さんのリードを見て、次に登らせて貰います。
最初は天狗岩と対して変わらないように見える岩が実際登ってみると完全に諦めそうな場面も多く、トップロープでほとんど上げて貰ったような状態でした、それでも登れた達成感はひとしおです。宙吊りになりながら体の動きを考えるのも山歩きとはまた違う楽しさがあります。
最後に登ったルートは、腕の疲れさえなければテンションなしで登れたのにという悔しさも残りましたが、これを次の糧にしてゆきたいと思います。
ありがとうございました!
(記: 五十島)

八ヶ岳縦走

日時: 2013年7月20日(土) – 21日(日)前夜発
山域: 八ヶ岳
参加者: 廣岡(L)・五十島
行程:
前夜発夜行バスにて白駒池6:20到着
第1日目: 白駒池登山口(7:00) – 中山展望台(9:00) – 黒百合ヒュッテ(10:40) – 東天狗岳(12:10) – 根石岳(13:00) – オーレン小屋(14:00)テント設営
第2日目: オーレン小屋(5:00) – 夏沢峠(5:20) – 硫黄岳(6:00) – 横岳(7:00) – 赤岳(9:00) – 行者小屋(10:00) – 赤岳鉱泉(10:30) – 美濃戸口(12:00)
ちょっと前の山行になりますが、五十島さんが初の山行報告を書いてくれましたので、下記にアップします。
「20130720.pdf」をダウンロード

上高地アイスクライミング

日時: 2013年3月23日(土) – 24日(日)
山域: 上高地周辺(北アルプス)
参加者: 国府谷(L)・久世・廣岡

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上高地のアイスエリアの存在を昨年知り、時期も3月いっぱいまで楽しめるという事と、坂巻温泉に車を駐車出来る事も判り、是非行きたいと思っていた。私自身としては、本当に久しぶりのアイスで、バイルは完全に時代遅れの代物で、ピックは念の為ヤスリで磨いでおいたが、若干不安が残る山行となる。

今回、土曜日は上高地トレッキング(なぜか?)、日曜日にアイスという行程にて中千丈ノ沢に取り付くこととする。金曜日の夜、東京を出発し、沢渡にて幕営。翌土曜日の朝、坂巻温泉に移動し、駐車場代を支払い、いざ上高地へ、釜トン入り口にて計画書を提出し、真っ暗なトンネルを進む。3月末という時期だからか、工事のトラックがトンネルを行き来していて、そのたびに飛行機が来たような爆音が響き、結構緊張する。トンネルを抜けても、道はきれいに除雪してあり、アスファルトの上をしばらく歩く。工事車両が梓川の対岸へ道を離れていくと、雪道となる。しかしすぐに大正池前に出て、眼前に穂高連峰が姿を見せてくれる。この日は大正池・帝国ホテル・河童橋など、狐につままれたように思い切り普通の観光をして終了。私自身も冬の上高地は初めてであったので、それで良とする。

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翌日曜日は待望の中千丈ノ沢でアイスとなる。初見ゆえにアプローチが心配であったが、思った以上に近くてビックリ。降雪直後を除けば、ラッセル等もそんなに問題ではないと感じられる。逆にこの土日は天候が良く、気温も高めであったので、結氷状態に不安があったが、「Z」や一角獣、ジョーズなどはしっかりしていた。(ミルキーウエイなどは、部分的に薄く感じた)
我々は一角獣に取りつくこととする。一角獣は2段の滝になっていて、下段はやさしく、上段が垂直に近い傾斜である。下段を久世トップで取り付くが、久しぶりだったせいか(言い訳がましくてすみません)何だかんだ必死で終了点まで辿り着く。上段は国府谷さんにトップを任せて登る。かなり苦闘し登りきり懸垂で下ると、他のパーティが軽々登っているのを見てテンションが下がった事と、他の滝には先行Pが取り付いていた事もあり、一角獣のみで下山となる。

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最後に大正池からの雲ひとつ無い穂高連峰を堪能して、坂巻温泉に下りました。この中千丈ノ沢エリアはアプローチも良く、アイスゲレンデとしては易から難まで揃っていると思う。またそれぞれの滝が至近距離にあり、移動も本当に楽で、また来年も行きたいと思います。

(記: 久世)

懇親スキー山行

日時: 2013年3月2日(土) – 3日(日)
場所: 菅平スキー場
参加者: 安達(幹事)・平井・久世・牧田・平井和樹・久世想太朗・他1名

今年も安達さん幹事にて、菅平にて懇親スキーを行ないました。名古屋から牧田君が参加してくれ、唯一のボーダーとしての参加となりました。

前夜の金曜日、安達車にて安達・鈴木さん(安達さん友人)・久世親子は東京を出発、上信越道のSAにて仮眠。
翌朝、のんびりSAにて朝食を摂り、上田菅平のIC近くの西友で懇親会の買い出しをして、一路宿泊地の市川村を目指す。

この数年お世話になっている市川村は、朝早くからの到着に関わらず、親切に対応していただき部屋にも通してもらう。荷物の整理と、ウエアに着替え、この日は峰の原スキー場に行く。この峰の原スキー場は手頃なファミリーゲレンデのため、難しいコースが少なく子供たちも楽しめます。また広くない故に、平井さん親子や牧田君との待ち合わせにも適しております。今年から小学生になった息子も、リフトに乗って滑れる様になったので、全員で同じコースを楽しめるようになりました。

午後に平井さん親子・牧田君も合流し、夕方まで目一杯滑った。

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スキー場からすぐの市川村に戻り、お風呂にて体を温め、お鍋など盛り沢山の夕食をいただいた後、部屋に戻り懇親会を始める。今日のスキーの話から、はては世界情勢の話まで、毎度の如くですが、収拾のつかない盛り上がりにて夜遅く就寝となりました。

翌朝、朝食の後、菅平スキー場に行く。これも毎年の如くだが奥ダボスに車を置き滑り始める。一通り菅平の殆どのエリアを滑って、昼食を食べていると、菅平のリフト券で大松スキー場も滑れる事が判り、車で大松エリアに行くこととする。菅平スキー場からは菅平市街を挟んで、反対側の山肌にある大松エリアは、今まで見ていただけであったが、リフト券が共通エリアとなった事で、今年から滑れる事になったらしい。大松は特別広くは無いが、うまくコースが作られており、林間コースなどもある面白いエリアでした。この日も夕方の暗くなる直前まで、休み無く滑り、充実した懇親スキー山行でした。

スキーの後は、いつもの真田の里の日帰り浴場に寄り、平井さん・牧田君と別れ、帰京いたしました。

この数年、安達さんのお陰で宿泊させていただいていた市川市の保養施設の「市川村」が残念ながら、この3月31日をもって閉鎖となってしまった為、次回からの懇親スキー山行は、この菅平では無くなってしまうかも知れませんが、幹事の安達さんは次回以降も頑張ってくれるとの事なので、期待したいと思います。

(記: 久世)

春(夏?)の懇親山行

日時: 2013年6月29日(土) – 30日(日)
山域: 箱根周辺(明星ヶ岳・金時山)
参加者: 安達(幹事/孫)・南・平井・久世・牧田

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今回の懇親山行は、以前企画して台風に阻まれた、箱根強羅に泊まって温泉と山を楽しむをコンセプトにした懇親山行の再トライでした。残念ながら参加者が少なかったですが、普段なかなか行かない山に登れるのも、この懇親山行の良い所であります。

28日(金)の夜8時半に、安達さんとお孫さんが亀戸まで車で来てくれ、一路箱根を目指す。今回宿泊する所は、久世の会社が所有する強羅のリゾートマンションなので、前夜泊が可能で、早めに行ってゆっくり温泉に浸かってのんびりする事が出来ます。首都高速で方面を間違えるアクシデントもありましたが、予定通り10時半に強羅に到着。その後すぐに名古屋から牧田君も到着し、何はともあれ皆で温泉に入る事にしました。お風呂は24時間(午後に清掃時間があるが)入浴可能な大浴場があり、泉質の異なる2つの源泉からお湯を引いているので、マンションとはいえ、なかなかのお風呂だと思います。

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翌29日(土)、朝ゆっくり起きれるという事が、前夜泊のもう一つの良い所ですが、また朝から温泉に入り、箱根大文字焼きで有名な明星ヶ岳に登る事とする。その前に皆で大涌谷を観光し、有名な長寿の温泉玉子を食しました。朝早く行った為、人も多かったですが、駐車場待ちなどせず、すんなり観光できました。

明星ヶ岳は、マンションから車で僅かの場所が登山口、という裏山感覚ではありますが、登山者の姿も見かけられます。木が鬱蒼として湿度が高く、意外に急勾配の登山道を皆でゆっくり登り、一時間後にようやく景色の見えるところに出ましたが、何とそこが大文字焼きの「大」の字の一角でした。そこで大勢の方が休憩していていたが、日差しが強くあまり休まず頂上を目指す。すこし登ると頂上らしきのっぺりとした稜線上に着く。そこには分岐の標識しかなく、ずいぶん寂しいななどと言っていたら、他の登山者より本当の頂上は100M先だと教わる。稜線上は8月16日に行なわれる大文字焼き用に、竹が切り揃えられたものが沢山並んでおり、もう夏である事を実感できる。頂上といっても鳥居と石碑がある寂しいところで、眺望も無い。ちょっとした隙間から相模湾が見える程度でした。それよりも稜線上を大勢のトレランのランナーが走っている事に驚いた。しかも殆どが若い人たちで、女性も多く見られた。金時山から明星ヶ岳などの箱根外輪山を走るのが人気だとは聞いていたが、予想以上に大勢の人が走っていた。我々は来た道を戻り、ワンピッチで登山口まで行けました。


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下山後、仙石原に夕食の買出しに行き、3時くらいにマンションに戻るとちょうど南さんが着いたところでした。その後4時過ぎに電車で強羅に着いた平井さんを、車にてピックアップして、全員が揃いました。まだ明るい夕方5時くらいから、牧田君盛り付けの夕食を食べながら、懇親会をスタートしました。部屋からは正面に今日登った明星ヶ岳と大文字焼きの大の字が見え、南さん・平井さんに説明する安達さんの顔が少し誇らしげでした。その後、安達さん・南さんの若い頃の話などが聞け、懇親会は大いに盛り上がりました。
翌30日(日)、まずは朝から朝風呂に入り、南さんはお客さんと御殿場でゴルフがあるため部屋で別れ、その他は金時山に向かいました。
今回は金時神社から登り、頂上からは乙女峠まで縦走し、そのから仙石原方面に下りるルートにしました。金時神社からのルートは人気があるらしく、既に駐車場は満杯で何とか駐車する事が出来ました。小さなお子さんのいるファミリーから、山ガール、熟年グループまで様々な方々が金時山にハイキングに来ていて、改めて最近の山ブームを実感した。


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たいして趣の無い金時神社を見学し登り始めるが、人気のハイキングコースらしく登山道が綺麗に整備されている。既に降りてくる人もいて、場所によっては待ち時間が生じてしまう。昨日同様、頂上直下まで眺望が得られないが、登る事自体は非常に楽であり、子供が多いのも納得できるほどであった。頂上には本当に大勢の人がいて、2つある山小屋も盛況で、有名な金時娘も見る事が出来たが、唯一富士山が見えなかった事だけが残念でした。仙石原方面の景色を堪能し、乙女峠方面に縦走すると頂上の喧騒も嘘のように人が少なくなり、静かなハイキングを楽しめる。若干道の悪い所もあったが、問題なく下山。

マンションに戻り温泉で汗を流し(今回2日間で計5回お風呂に入りました)、牧田君とはマンションで別れ、箱根湯本と厚木で多少渋滞しましたが、早めに東京に戻る事が出来ました。箱根は近く、非常に楽でした。

次回秋の懇親山行も安達さん幹事にて、大鹿村の一日一組の限定宿や、または箱根も良いとか、色々なプランが出てましたので、乞うご期待です。

(記: 久世)

久世君の会社の箱根強羅温泉の、リゾートマンションを、お借りしての懇親山行でした。
夜だけでしたが、南会員も駆けつけてきて、夜は買ってきた酒さかなの懇親会でした。
温泉も2種類の温泉が楽しめ、サウナ、打たせ湯、泡風呂、マッサージ付きジェット風呂もあり、とても広くて良い気持ちでした。
久世さんにはお世話になりました。

懇親山行は、日ごろ自分たちの行きたい山や沢登りをしていますので、集会では一緒ですが、
年に何回か、全員で参加でき、ある程度足の弱い人も参加できるような、山を登り、
そして、夜は懇親を深めるという趣旨です。

遠く、名古屋から、牧田君が参加してくれました。
久松さんが、参加表明されていましたが、奥様のお具合が悪く、残念ながら不参加になりました。

明星ガ岳と金時山と登り、所期の目的を果たしました。
懇親会も南君が参加され、昔の話に花が咲きました。

強羅、仙石原と、素晴らしいリゾート地です。

生憎天気は曇りで(豆御覚悟の山行でしたが、降りませんでした。)、
富士山を拝む事はできませんでした。

孫も喜んでくれて、また秋には企画したいと思っています。

(記: 安達)

2013剣岳

日程: 2013年6月9日(日) – 10日(月) 前夜発
山域: 剣岳(北アルプス)
参加者: 土井
行程:
第1日目: 新宿バスターミナル(23:10 高速バス) – 扇沢(4:45/7:30 仮眠) – 室堂(9:45/10:15)-別山乗越(12:45) – 剣御前(14:00) – 剣御前小屋
第2日目: 起床(2:50) – 出発(4:13) – 長次郎谷出合(5:15) – 熊の岩(7:30) – 長次郎のコル(8:10/8:20) – 剣岳(9:00/9:20) -平蔵のコル(10:00) – 平蔵谷出合(10:30) – 別山乗越(13:15/14:20) – 室堂(15:35)

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人っ子一人いない剣岳に立った。風に負けないぐらい、自分の鼓動が荒く音を立てている。長次郎谷から最後の登りがミックスクライミングだったため、まだ胸がバクバクしているのだ。「興奮さめやらぬ」というやつかもしれない。


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高さにしたら100メートルもない普通の登りだと思う。6年前の5月に登った時は、雪の斜面をサクサク登ったという記憶しかない。それだけ印象の薄い場所だ。「今回も何とかなるさ」と高をくくっていただけに、コルから見上げた岩場に微妙に雪が張りついている光景は、嫌らしかった。

今日中に室堂に戻って帰京しないと、仕事に穴を開けてしまう。悠長に眺めている余裕なんてない。

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「さあ、登ろう」と意気込んだのに、いきなりコルと岩場をつなぐ雪を踏み抜いてしまった。柔らかい雪が張りついているだけ、という印象は間違っていなかった。気を取り直して再スタートだ。アイゼンをガリガリ軋ませながら、慎重に登る。長次郎雪渓が股の間から見えて高度感が素晴らしい。怖いのが2割、ワクワク感が8割。「このために、登ってきたんだから楽しまないといかん」と自分に言い聞かせる。

実は一か所、迷った。左の雪壁を登るべきか、右に逃げるべきか。雪壁には踏み跡があったので少し登ってみると雪はシャリシャリと腐っていて、ピッケルもすぐに抜けてしまうほど。う~ん、滑ったら「どんぐりコロコロ、雪渓までコロコロ」と、シャレにならない。

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そこで右手に移動して登ってみた。最初こそ快適に登れたが、カンテ状で行き詰まる。正確に表現すると、「次のホールドが見えない」「アイゼン前歯で踏み込む勇気がない」という情けなさ。迷うこと数分、腐った雪の上を登るのと天秤にかけ、結論は「このまま登る」。えいやっ!と這い上がったら何とかなりました。やれやれ…。

頂上には午前9時着。午前2時50分起床だったので、このまま一眠りしたい気分だ。ザックを下して休んでいると、足元の雪面を小さいクモがカサカサと横切った。その先には、カワゲラのようなユキムシがゆっくり移動中だ。「クモに食べられてしまうよ」と警告したが、もちろん言葉は通じない。天敵が接近しているというのに、どうもノンビリ屋さんのようだ。食物連鎖を邪魔するようで申し訳ないが、クモの進路をブーツで阻んでみた。すると、奴さんは方向転換して西に進路を変更。カワゲラに貸し一つ!

さて、こんなバカなことを、いつまでもやっているわけにはいかない。何たって今日のゴールは室堂なので、気が気ではない。腰を上げると、源次郎尾根の右手に雪のルンゼが伸びていた。平蔵のコルまでの積雪期の巻き道だろう。踏み跡もある。

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トレースを追ってみたが、かなり急な斜面。しかも、ルンゼは右へとカーブして、行く先が見えない。「さっきは一か八かうまくいったけど、無理は禁物」という心の声が聞こえてくる。頂上まで戻ることにした。

平蔵のコルまでは夏道が出ていたのでアイゼンを外した。平蔵谷はビニール袋を使ってシリセード。登りに3時間近くかかったのに、下りは30分。あっけないものだ。

ここから剣沢の登り返しが辛かった。テント場にはホースが通してあり、冷たい水が飲み放題。それだけを目標にして頑張る。さらに、剣御前小屋でオレンジジュースを1本消化。室堂ターミナル15時30分のトロリーバスはタッチの差で逃したが、45分発という臨時便?に乗ることができた。

仕事の関係で前夜発1泊2日となったが、無理が効かない年齢だと痛感した。次は2泊3日、ゆっくり楽しみたい。

【反省】テントポール1本を忘れるという失敗をやらかした。扇沢で仮眠した際に気づいたのだが、ああ手遅れ。ザックに詰めてきた幕営装備が泣いていた。結果として山小屋に泊まってみたが、その禁断の快適さに衝撃を受けた。何年ぶりだろう、山中で布団にくるまって寝るなんて…。

(記: 土井)

GW仙丈・甲斐駒記録

日程: 2013年4月26日(金) – 29日(月)
山域: 仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳(南アルプス)
参加者: 中村(L)・土井
行程:
第1日目: 調布駅(21:00) – 沢渡駐車場(0:30) 小雨、仮眠
第2日目: 起床(5:10) – ミゾレで二度寝 – 沢渡(7:15) – 上高地BT(8:10) 大雪のため入山規制、南アルプス転進を決める – 上高地BT(9:20) – 沢渡 – 戸台口バス亭(13:55/14:15) – 歌宿(15:00) – 北沢峠(16:50)
第3日目: 北沢峠テン場(6:05) – 仙丈ヶ岳(10:50/11:15) – テン場(14:40)
第4日目: 北沢峠テン場(5:20) – 甲斐駒ケ岳(10:00) -テン場(13:00/14:30) – 歌宿(16:00)

27日(土)

今回の山行は数年来の目標としてきた横尾尾根。核心と思われるルンゼ取り付きも研究して、やる気満々の中村さんと共に沢渡入りした。ところが、仮眠から目覚めたら小雪。天候はどんどん悪くなり、釜トンネルを抜けたら本格的な雪に一変してしまった。最後のとどめは、上高地バスターミナルでのお知らせ。「大雪のため入山規制」だって。うそでしょ…。

入山規制がかかったのは①横尾大橋から先②岳沢③槍沢。規制を説明するガイドと登山者たちの会話に耳を傾け情報を収集する。「明神東稜もダメですか」「雪崩にやられるよ」とか、「霞沢岳も危ないですか」「ダメダメ、沢筋は一番ダメ。涸沢は80センチも積もったんだよ」。要は、山は登れないということだ。

しばらくすると、「食い物も酒もあるから、横尾で宴会しようや」「横尾で様子見だね」といった声が上がりはじめる。みんな、宴会のため3時間も吹雪の林道を歩くんですか…。それに、規制が解除されても、我々の場合はルンゼに入らないといけない。新雪が1メートル以上もあるルンゼなんて登る気にはなれないなあ…。

そこで、中村さんとしばし談合。南アルプスへの転進を決め、4時間後には長谷村の戸台口に到着した。車から降りると、青空をバックにそびえる鋸岳が出迎えてくれる。お土産屋のおばちゃんによると、長谷村も朝まで吹雪いていたが、昼から晴れたのだという。捨てる神あれば拾う神あり。南アルプスの神様に感謝する。

GWは標高1680メートルの歌宿までマイクロバスが出ている。で、えっちらおっちら、南アルプススーパー林道を登り、北沢峠を目指した。駒仙小屋前のテント村の仲間に入れてもらったが、我々のテント番号は27番。この日、テントは31番まで増えたが、涸沢と比べたらささやかなものだ。午後8時には大半のテントの灯も消え、星の瞬く夜が静かにふけていった。

28日(日)

午前4時15分起床。空身で仙丈ケ岳を目指す。4合目から先はプチラッセル。すれ違った青年2人は強風のため敗退したといい、ちょっと緊張する。午前9時、隊列を組むガイド登山グループを追い抜き小仙丈岳に立つ。風は強いが、仙ノ倉北尾根ほどではない。北岳、濃鳥、仙丈には、べったりと雪が張りついている。

午前11時前、仙丈ガ岳。久しぶりの3000メートル峰だ。吸い込まれるような碧空と冠雪した峰々の絶景。思わず中村さんと握手してしまう。快晴無風、このまま昼寝をしたくなるような陽気だ。

29日(月)

この日は慌ただしい。歌宿16:15pm発の最終バスに乗るためには10:30amまでに甲斐駒に登らないといけない。中村さんがゴソゴソしだしたので腕時計を確認すると、何と3:50am。「あ~あ、やっちまったよ、大寝坊!」。

ニュウ麺を無理やり流し込み、「登れるところまで登ろう」と話して出発。谷が雪で埋まっているため、仙水峠までの道はとても歩きやすく、助かる。

駒津峰までの登りの途中、踵が痛くて立ち往生した。中村さんに先に行ってもらい、靴を外してみる。両足とも酷い靴ズレで、水がたまって踵が腫れていた。仕方ないのでナイフで皮膚を切って、膿を出す。再び出発するがピッチは上がらない。駒津峰で何とか中村さんに追いついたが、果たして甲斐駒は登れるのだろうか。

08:40am、駒津峰出発。傾斜のきつい直登ルートに入ると、不思議なことに足の痛みが和らいだ。頭の中には10:30amという目に見えないゴールインがあるので、苦しくても止まれない。2人そろって頂上に着いたのは9:50am。寝坊したにもかかわらず、何とか時間内に登れたことに、ホッとする。

ザイルを出すような場所もなく、アイスアックスを使うようなスリリングなシーンもない。でも、静かな南アルプスで、春山を満喫できたのを良しとしたい。「横尾尾根は今年12月に登ろう」。そんな約束をして解散した。

(記: 土井)

ゴールデンウィークの吹雪には驚いたが、すぐに北沢峠定着の甲斐駒・仙丈に変えたのは良い判断だった。昨年家内と同じルートで登っているので、よくわかっているし。天気も最高で素晴らしい2日でした。仙丈から下山して、小仙丈の雄大な景色を見ながら飲んだビールのうまかったこと。しかし、仙丈の登りは少々バテて、やっぱり年かなあと感じました。

(記: 中村)