赤岳天狗尾根 2020.01.02

正月も日帰り 赤岳天狗尾根

 

日時:2020年1月2日(木) 晴れ
参加者:久世(L)・林
行程:美しの森駐車場(1:30)-赤岳沢出合小屋(3:20)-天狗尾根終了(7:45)-
(8:50)ツルネ(9:50)-赤岳沢出合小屋-美しの森駐車場(11:20)

 

 

諸々ありまして正月なのに、日帰り山行となりましたが、優しい林君がお付き合いしてくれましたので、今年初めの山行は赤岳天狗尾根になりました。
結構前に松林さんと行ったけれど、二日目の天候悪化で敗退していたので、リベンジをしたいとは思っていました。
この数年、元旦初詣は家族と七福神巡りをすることが決まりとなっていて、今年は谷中七福神を巡りました。西日暮里・東覚寺から始まり、最後は不忍池の弁天堂まで結構楽しく周れました。

 

そんなこんなで、夜に自宅前まで林君が車で迎えに来てくれて(贅沢)、東京を出発。
正月の中央道の下りは空いていて、途中初詣疲れで寝てしまいましたが(林君ゴメンナサイ)23時半には美しの森駐車場到着して少し仮眠。 1時前には起きて出発の準備、1時半には駐車場を出発。
天気は良好で星がキレイに見える、全然雪がないかと思っていたけど、そんなでもなく少しはある。赤岳沢出合の小屋に入ってテーピングの張り直しをしたら、寝ている人を起こしてしまった。小屋の中には2張ありました。

そんなことをしていたので小屋を3時半前位に出発して、天狗尾根に向かう。暗くてルンゼが判り辛く、適当に取り付いてしまった。中途半端な雪があって面倒な個所もあったけど、普通に尾根に這い上がる。
そこからが結構な急斜面で日帰り装備でも、思ったよりキツイ。前回を思い出すが、ここまで傾斜があったのはすっかり記憶にありませんでした。とはいえ真っ暗な中、とりあえず進むのみ、なんとなく大きな岩場が出てきて、林君から「カニのハサミですよ」の声。 これがそうかと思っただけで、特に難しくなく拍子抜け。

 

その後、岩稜を越えると、フィックスロープのあるのっぺりとした岩場が出てきた。 ここがまだ真っ暗な中だとシンドかったけれど、2歩進めば大丈夫。さらに進むと夜が明けてきて富士山の黒いシルエットが見えて、テンション上がるねー。大天狗の取付に6時頃に着く、後ろの富士山を振り返ると、5合目のあたりで凄いネオンが点灯している。何事かと思っていたら、あっさり消えてしまい、結局判らないまま。
不思議な感じで、大天狗に取り付く。ようやく明るくなり始め、気持ちよく登れる、正面のちょっとかぶり気味を登ると、右にトラバース。それで大天狗はあっさり終わってしまい、 中々映える小天狗の横をすり抜けるが、念のためちょっとだけロープを出して越えると、八ヶ岳の主稜線はもう目の前、大休止をして踏み跡のある主稜線に出て、天狗尾根完登。

 

しかし朝一の猛烈な風と、中途半端な雪がキレットまでの下降の邪魔をして、数回風のために吹き飛ばされそうになりました。ようやくキレット小屋迄来ると、ツルネはもう少し、 随分前に、降りたツルネ東稜だけれども、トレースがしっかりとあり、キレットの時とは 比べ物にならない程、気持ちよく下れる。
結構、順調に赤岳沢出合の小屋迄戻ることが出来、ここでアイゼンを外したりの大休止。 駐車場までも、行きは真っ暗だったので慎重に歩いたが、帰りはすっかり気を抜いてダラダラと歩く。何か行きより遠い感じがしながら、11時20分に駐車場に戻ることが出来ました。

 

何とか10時間かからず登れたので、まずまず満足出来るものでした。 時間も早いのと正月だったけど、甲斐大泉駅前のパノラマの湯が営業していたので、そこに立ち寄り、サッパリとして正月山行を終えました。 帰りも高速は空いていたのに、またウトウトしてしまい林君ゴメンナサイ。またまた家の側迄送ってもらえて、有難い山行でした。

(記:久世)

谷川岳東尾根 2020.2.15

日程:2020年2月15日
山域:谷川岳
メンバー:国府谷(L)・五十島・雨宮
行程:駐車場(4:50)-一ノ倉沢出合(5:45)-シンセンのコル(8:30)-東尾根-トマノ耳(13:20)-西黒尾根-駐車場(16:10) 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

念願の一ノ倉東尾根


一ノ倉のバリエーションに入るのは初めてで谷川岳オキの耳に登り詰めます。
行く前からワクワク感が半端ないルート。
なぜって?毎回の山行でこのルートなら私でもいけるかな〜?
と眺めていた東尾根に行けるチャンスを得たのです。
ワ〜イワ〜イと一人静かに盛り上がっていました。 

そして、ここは初めて来たとても有名な一の倉沢出会い。
精鋭隊員の二人は何度も来ているのであちこちのコースの雪のつき方を見ていた。彼らが目指す滝沢リッジへの下見山行でもありました。この2週間後、なんと彼らは勝利の栄冠に輝くのです(拍手)

シンセンのコルまでは急登ではあったがペースを一定に登っていば問題ない。

それよりもコルからはどんな景観なんだろ?と楽しみながら一歩づつ登る。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして第2岩峰は五十島さんリード。
私はセカンドで後ろを国府谷さんが固めてくれる。
ここからは浮ついた心を引き締め丁寧に一歩づつ。
国府谷さんが後ろから声をかけてくださるのが心強い。
東尾根から見るゴージャスな谷川の雪稜と岩の造形が圧倒的に美しく、そして厳しい。
これで冬の谷川入門コースなの?
滝沢リッジならどーなっちゃうの?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

天候が安定していて風もなく神さまに守られて。
山岳会の精鋭二人に挟まれ安心感半端ないですが自分の足で登るしかない。

丁寧にアックスをさし一歩一歩集中して確実に。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

白いベールをまとった岩岩の景観が天空に連なってのびている。
神々の領域とはこういったところを言うのだろ。
国府谷さんがその白い階段を快走していく。
と、うっとりしている間もなく西黒尾根下山まで全神経を集中して行動。
天空のそこは下界にいるときより緊張感、神経、集中力が研ぎ澄まされて、この素晴らしい世界に生きている喜びを感じるのだ。

谷川山頂から飛び出している大きな雪庇を下から眺められるなんて滅多に無いことだわ。落ちてこないでね。

第1岩峰は左から撒いてもかなりの壁だな〜と思ったが
五十島くんからのロープが逞しく引かれ、安心して足を離して上に上にと歩を進める事ができた。
終了点は本当に谷川岳の山頂で、一般ルートの方々が嬉しそうに写真撮影をしていた。
もちろん私達3人もにっこりポーズ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ご迷惑もかけずに計画通りに終了して何よりでした。
肩の小屋まで下りてくると緊張感が解けたのか涙腺がーー。。。
涙が出そうなほどの感動の波動で私は包まれていた。

次の日、日曜雨 疲労回復日
荷物の整理をしながら写真の整理
この尾根を登ってきたと思うとハートがキュンキュンシビレル。
これは確かに私達。
記憶の底に焼き付けて来たが
記憶力の低下は避けられない

写真っていいなぁ。
二度とない一瞬だなぁ。
人生を写してるなぁ。

この度も素晴らしい世界に導いて下さりありがとうございました。

(雨宮:記)

茂倉岳北西尾根 2020.2.23-24

日時:2020年2月23日(日)-24(月)
参加者:林(L)・雨宮・塩田
山域:谷川
行程:1日目: 土樽駅(7:00)-茂倉岳北西尾根末端-茂倉岳北西尾根-1700m付近にて幕営(16:00)
   2日目: 幕場(8:00)-茂倉岳山頂(9:15)-茂倉新道-土樽駅(14:30)

また天気の悪い3連休。月曜は回復傾向だったので日月の2日間で茂倉岳北西尾根へ行きました。


1日目

土樽の駅を出発する頃に雪がちらつき出す。予報通り。

尾根末端は草の上にうっすら雪が乗った斜面があり結構滑る。尾根に乗ったら快適かと思っていたらなかなかの薮尾根であちこち引っかかりながら薮漕ぎ。結構大変。でも雪は少ないのでラッセルというほどにはならない。そして天気予報通り雪も風も勢いを増していく。1550mあたりでちょっと悪い岩場を通過。1600m手前くらいで傾斜の強い薮壁。念のためロープを出す。左のルンゼ状から行けるかなと思って取り付くも途中で薮に行く手を阻まれた。ザックが引っかかり、しばらくウンウン言いながら、もがいてみるもにっちもさっちもいかず。仕方ないので戻って右の傾斜の強い方から再トライして抜ける。この先あたりから雪稜っぽくなってきてリッジが出てきた。


風が強く新雪もついているのでここも念のためロープを出して通過。1700m付近の尾根が広くなったところで雪を掘って風除けを作り幕営。夜にかけても風雪は収まらず少しでも外に出るとせっかく乾かした衣服がまた濡れちゃう。だましだまし使ってきたオーバーパンツの限界を感じちゃう。もう綿素材みたいだ。しんどい。今シーズンはもうクライミングでいいかなとか思っちゃう。でもしっかり風除け作ったおかげで夜はわりかし快適でした。

 

2日目

朝方風は少し収まってきている様子だけどまだガスがかかっている。ゆっくりと朝の準備をしているとわずかに晴れ間が出てきて俄然やる気。

ところどころ腿~股くらいのラッセルはあるものの尾根上はクラストしており快調に進む。1時間ちょっとで茂倉岳ピークに到着。もう少しかかるかと思ってた。のっぺりして広いピークでここが頂上でいいのかなって感じだったけど、雪の上に頭だけ出している道標を見つけて頂上だと確信。残念ながら天気は完全回復とはいかず展望はほぼなし。茂倉新道の方向もわかりずらい。ただしばらく下って行くと徐々に晴れ間が出てきて後ろに茂倉岳、周りには谷川の山々を見渡せた。

茂倉岳北西尾根は薮あり雪稜ありラッセルあり、ちょっとロープを出すようなアクセントもありでなかなかに楽しめました。

ちょうどいいルートです。

(記:林)

悟空スラブマルチピッチクライミング

日程: 2019年12月24日(火)
山域: 湯河原幕岩
参加者: 松林(L)・雨宮
行程: 幕山公園(7:30) – 悟空取り付き9:00) – マルチP4終了点(13:14) – 幕山公園(16:30)

マルチピッチへのロープ練習と技術の確認(晴れ)

桃源郷から登って西に入り北を登って初級のマルチピッチルート全4P約100m悟空スラブへ。幕岩の上部にあって樹林に覆われている。アプローチを探すのに一時間以上かかってしまった。。
標高300M付近、樹林の中に川の流れの様に現れる岩肌が悟空スラブらしい。岩は、乾いていればフリクションも良くホールドも豊富で登りやすそう。支点やボルトはしっかりしていていくつもあった。

今回の目的は、リード練習、支点の構築、セカンドの引き上げ、つるべで登る。登る前にシステムの確認をしっかりして1p松林さん、2P私。
マルチピッチでは今回初めてリードと支点構築、セカンド引き上げを行ったわけですが、セカンドを引き上げる時、カラビナを絡んだロープを引き上げることに慣れていなかったので、とても力が必要だったし登るスピードより引き上げスピードがついていけず、またロープの振り分け。
リードのお仕事ってこんなに大変だったのねと今更ですが改めて知った。今までリードしていただいた先輩方に感謝の気持ちで一杯になりました。

3P目は松林さん、4P終了点まで私。4P目は岩も立っていたので緊張したが落ち着いて登ればの5.7で終了。
降りは2P懸垂下降。 登るにつれ景観は真鶴半島へと続く絶景。遠くに大島が山肌から見ることができた。
マルチクライミングは高度感もあり、こうした絶景のご褒美がたまらなく好きです。

L松林さんには色々ご指導してくださり感謝申し上げます。

(記: 雨宮)

八ヶ岳: アイスとバリエーション

日時: 2019年12月27日(金) – 29日(日)
参加者: 林(L)・高安
山域: 八ヶ岳

行程:
第1日目: 美濃戸口(6:45) − 赤岳鉱泉 − 大同心大滝(12:30) − 赤岳鉱泉
第2日目: 赤岳鉱泉(6:00) − F1 − 小同心クラック − 小同心の頭(12:00) − 赤岳鉱泉(14:30)
第3日目: 赤岳鉱泉(6:00) − 中山尾根取付(7:30) − 稜線(11:30) − 赤岳鉱泉(13:00) − 美濃戸口(16:00)

せっかくの年末ですが、他に人もいないということで、二人。
小同心クラックは以前行こうと思ったが、なかなかチャンスがなく、そのままン十年。
無理を言って入れてもらった。

年末の納会はいつも休んでいる。
前夜、小淵沢についてみると雨。とっておきの屋根のあるところで仮眠。

美濃戸口では雨が降っていなかったが、美濃戸山荘あたりから降り出した。程なくして雨から雪へ。
赤岳鉱泉は先々週とは大違い、積雪ありで雪も降っている。
さすがにテントは少ない。中国人グループがキャンディで講習会。気合入ってるー。

12月27日 大同心大滝

雪の中、登山道から沢に入る。うっすらとトレースがあるものの、ラッセル。林さんパワーで乗り切る。
倒木が多く沢筋と左岸をいったりきたり。
八ヶ岳特有のアラレ雪が降り積もり、圧雪がきかずアリジゴク。
ようやく小滝。フリーで越え、ふたたびラッセルのなか、大滝にようやく到着。でかい!2段50m

林さんGOですが、なんとバイパーではなく、ノミック!!
先々週の八ヶ岳で感化されてしまい、思わずポチってしまったノミックがデビューしました。
優しめの下部を登って、右岸の中間点まで。アレ?そのまま抜けるんじゃないのか?
私も追いつき、垂直の滝の裏側みたいなところで、ビレイ。
再度林さんが挑む。
やはり立っているところは厳しい。その上、降っているアラレ雪が上からスノーシャワー。
上部で降ったアラレが吹き寄せられて集中して降ってくる。サングラスの裏側にも雪が積もる。
アックステンションしながら抜けたそうです。
続いてGOしますが、厳しい。垂直ってやっぱり足で上手く立てないのよね。
すぐにうでが疲れる。
スクリューの回収も時間がかかるのでパンプ!
抜いたら抜いたで、詰まった氷を抜くのは片手ではムリ。アックステンションして
両手で氷を抜いていく。フィフィはサイコー。
立ち木ビレイ点まで。
その木で懸垂下降。50mでさっきの取りつきまで。
雪は降り続いているので、素直に下山。小滝は右岸を巻く。下りとはいえアリジゴク下降。

12月28日 裏同心ルンゼ〜小同心クラック

雪も風もおさまった感じ。星も出ていて、今日は快晴無風かな。

暗い中出発。誰も入っていない裏同心ルンゼ。昨日のパーティのトレースをたどる。
F1はかなり埋まっているのでフリーで越えてF2ですが、自信はないので林さんにお願い。
その上はなんていうこともない感じですが、いちおう、私めがリード。1本クルクルして登っていく。
その後は、ほぼ埋まっていて、多少は露出しているF5をフリーで越えて、裏同心ルンゼは終了。
バンドを大同心へ。昨日の降雪でびっしりとエビのしっぽ。降雪直後の山は美麗。

大同心雲稜ルートらしきところにシュリンゲが垂れてるが、雪で真っ白。
大同心稜を登ってきたパーティ4人が先に見える。
我々は取りつきがわからず、まごまごしていると、そのパーティが取り付きはこの先と
教えてくれた上に、「4人なので、お先にどうぞ」と、ありがたい。

それでは、苦節ん十年の私めが行かさせてもらいます。
取付きから直登しようとしていたら、「少し右側から左上がやさしいですよ」とコメントがかかる。
ちょと戻って登っていく。
岩にはエビのしっぽがびっしり。払いのけてホールドを探す。まるっこいガバだらけでクライミング
としてはやさしいが、支点がない。あるのかもしれないが、びっしりついた雪で見つからない。
試しにカムもセット、まあ効いてないけど。
チムニー状でステミングだったり、背中押しだったりで登る。しっかりとした支点が出てきたが、
まだロープ半分なので、先に行く。あの「冬期クライミング」(注:平成元年版だよ)にある写真のようなところも。
大きく足を開いてステミング。トポにあるピナクル状は安定した足場とペツルの支点。
その上は林さんに行ってもらう。最初の出だしはエイヤと越える。
そのまま切ることなく最後まで。
念願かないました。ありがとうございます。

そこからは多少の岩場を登って登山道へ、ちょいと長い稜線歩きから地蔵尾根を下ってテントまで。
中山乗越では、本日入ったパーティのトレースを発見。いいのか?

12月29日 中山尾根

中山乗越まで登る。本日も先行者はいなさそう。樹林帯を昨日のトレースを辿り、樹林が切れたところから
雪稜の先が取り付き。その場でガチャをつける。
正面の壁にはペツルがポンポンあるが、トポによれば取り付きは少し右側とのこと。
林さんがGO。左上していくが、岩がもろくけっこう悪い。

その先は雪稜なので、ロープをしまって歩き。
快晴無風で山々がきれい。北ア方面もよく見える。

上部岸壁も林さんに行ってもらう。こちらは岩がしっかりしていて快適だが、スラブ状になり、ちょっとやらしい。
その先が核心のチムニー状からの乗越し。ステミングしてガバを探して乗り越える。
そのままロープを引いて最後の岩場手前まで。
林さんが左の草付きから行くが、その先が悪い。ピッケルを草付きに突っ込んで抜ける。
登山道までのトラバスが悪そうに見えたので、ロープを引いていくが、なんてことはありませんでした。
無事終了。
再び稜線から地蔵尾根を下って赤岳鉱泉。
日が差してポカポカ陽気のなかを片付けて下山。

本当に念願かなって小同心クラックができました。しかも降雪直後で雪がびっしりと付いたなかで
充実したクライミングとなりました。林さんありがとうございました。

(記:高安)

また来た甲斐駒ヶ岳

日程: 2019年12月20日(金)-22日(日)
山域: 甲斐駒ヶ岳黄連谷右俣
参加者: 国府谷(L)・高安

右俣といえば荷物持って登って2日というのが普通なのでしょうが、年配者には困難なので3日かけて登ります。
初日は七丈小屋まで。2泊するので小屋ではなくテントです。
中日に右俣。5時過ぎに出発するものの下降に手間取ってしまい坊主の滝下に着いたのは8時半。
沢近くになって眩しいくらい白く光って見えていたのは氷ではなく花崗岩の白さだった。
坊主の滝はというと思いっきり水が流れていて、結氷も良くなく帰ろうかと思いましたが、気を取り直してとりあえず坊主の滝だけと思って登りだす。
まあなんとかなったので暗くなってもBCまで帰れればいいかと最後まで行くことにした。ここで引き返したら高安さんに申し訳なさすぎる。
沢には全然積雪が無いので奥千丈の滝は氷が露出しており5ピッチロープを出した。
その後は踝くらいの積雪になるが先行のトレースがありいろんな面で助かった。奥の滝でロープを出して越えてからはきつかったがなんとか暗くなる前の16:35に登山道に出た。山頂往復はせずに下降。
無事BCに戻った。疲れてしまってワタシは夕食も摂らずに寝た。
翌日ゆっくり下山。お昼前に駐車場到着。
尾白の湯で入浴したのはよかったが、ここで食事をしてはいけないという教訓を忘れてしまい残念な結末となってしまったのであった。
ちなみに高安さんはノミック+リンクス(モノ)、ワタシはクオーク+サルケン、ロープはスキマー60m1本、スクリュー6本(過不足無し)でした。

(記: 国府谷)

阿弥陀岳南陵

日程: 2019年12月14日(土)
参加者: 国府谷(L)・雨宮
山域: 阿弥陀岳南陵(八ヶ岳)
行程: 舟山十字路(7:06) – 立場岳(9:26) –阿弥陀岳山頂(12:00) – 御小屋山経由舟山十字路 駐車場(14:47)

冬シーズン突入雪山トレーニング 雪が無い!!

201912amida2
201912amida2

阿弥陀南陵日帰り
駐車場には雪もなく!!少し歩いた所に 綺麗な水場あり。
そこから沢を渡渉し 徐々に急登を登り立場岳。
やがて右手が大きく崩れた青ナギ ここも雪はないです。
ここから1.2.3峰が見えその向こうに 阿弥陀岳が見えますが、雪は見えない!!

踏み跡はあり西面を巻いて進みます。
P3峰は基部をトラバースして取り付きへ 雪は無し!!

ワイヤが貼られたルンゼはロープを出して頂き
1P60M、雪はない!!が凍っていてここだけアイゼンをきかせて登る。

2P目は50M出して草付きを登り、阿弥陀山頂が見えた。
雪はない!!
P4峰は左から巻いて山頂に。

201912amida4
201912amida4
201912amida1
201912amida1
201912amida3
201912amida3

予定より早めに着いた。
晴れていたので ベースレイヤーとナノエアだけで登ることができ 快適。風はまあまあ強く温度計はマイナス5度 。

下りは御小屋尾根から 長い。。。と言っても2時間 半で下る。

今回は雪もなく!!少々物足りない山行ではあったが、冬シーズン最初の良いトレーニングになりました。
リーダーは高い目標を持っているので、「もっと追い込まなくては!」と しきりに口にしていた。
彼の考えには敬服致しました。

私にはちょうど良いトレーニングでした。

(記: 雨宮)

黄蓮谷左俣 2019.12.14

日時:2019年12月14日(土)
参加者:五十島
山域:南アルプス
行程:竹宇駒ケ岳神社(00:20)-六丈沢下降点(5:30)-坊主滝(6:30)

-二俣(7:00)-(8:40)大滝(12:20)-黒戸尾根2675m(15:40)-七丈小屋(16:40)-駒ケ岳神社(20:00)

細々と続いていたワンデイシリーズ第3弾、黄蓮谷に行ってきました。

気になる結氷は期待以上。大滝がまだ氷柱状で我慢比べなクライミングになりました。

氷を抜けてからが体力的に一番辛くラッセルで相当にペースダウン。
あずさ最終が怪しくなったものの、なんとか無事にワンデイで収まり宿題は回避できました。

山の中でのソロクライミングは初めてでした。不安から増えていった装備が行動時間の遅さに繋がっていると思います。 とはいえ帰路で考え直しても省けるものは少なく、改めてパートナーの大切さに気づく山行でした。

(記:五十島)

2019 GW横尾尾根

 

日程:2019年5月3日(金)-5日(日)
山域:北アルプス南部
参加者:久世(L)・土井・高安・関谷

 

入会してからなかなか山行に参加できていなかったのですが
GWに北アに行きたーい!アルパインもやりたーい!

 

という軽い気持ちで参加したいです〜とお願いしてみたら、いいですよ。との返事が来たので、やったー行くぞ〜!喜んでたんですが
調べたら調べるほど、横尾尾根ってキツい…?あれ…?大丈夫なのかしら…
となりながらも参加させていただきました。

 

昼間は仕事してから集合場所へ。車に乗せていただき、夜発で沢渡の足湯のある駐車場へ向かいます。

駐車場で仮眠、いざタクシーで上高地まで…!(一台4200円)

上高地からは明神館〜徳沢〜横尾まではもう雪はない夏道。

40のザックじゃ小さいと言われたけど、大きいのを背負って歩く自信が皆無だったんです…
というか、私は果たしてホントに行けるのか?途中泣いちゃうかもしれない…と思いながらの参加。
皆さんものすごいザックを担いでらっしゃいますが、それは…何キロ…((((;゚Д゚)))))))

 

「ゆっくりでいいですからね、ゆっくり行きましょうね。」
って支部長が言うけど、はやい…
全然ゆっくりじゃない…と若干笑えます。

 

 

上高地(6:30)→明神館(7:10)→徳沢(8:00)→横尾(9:00)
雪無し夏道。時間は高安さんが控えてくだすってました。

横尾でお手洗いを済ませて、横尾尾根へ向かうぞー…
横尾からは雪が残ってました。
別にアイゼンとかはいらなかったです。

 

10:15 本谷橋から500m手前らしい、3のガリーが取り付きです。
幸いトレースが残ってたので、んーここ?ってなりながらも、他の山岳会のペアの方々も、ここですかねーと言うからここが3のガリーだねってことでこっから登ることに。
メット、ハーネス、アイゼンを装着。
横尾尾根に取り付きだー。

 

 

天気がよすぎて汗だく。
着実に登る。支部長に気をつけるよう声をかけていただきながら耐え忍ぶ様に一歩一歩着実に進み、11:30にガリー上部コルに。

そこから先は他の人も書いてる様に木登りゾーン。
ロープを出してもらい進みます。
木を掴んでよじよじ。
最初含め3回ロープを出してもらったような…必死だったので記憶が…

 

後は一回懸垂下降で降りて、ひたすら登る。
ガリー上のコルからP4まで2時間半かかってる。全然距離移動してないのに今更ながらびっくり。
そっから先は踏み抜き地獄。
雪腐りすぎ。踏み抜きすぎ。踏み抜きすぎて体力が削られていく…

 

 

P4 14:00着。そっからは割となだらかな稜線歩きで P5 15:15通過。
15:30 P5とP6の間でテントを張るよと言われテン場探し。
膝が痛いと言ってた土井さん、なのにスコップ振るってくださいましたすごい。

 

冬はテン場作りも大変なんだなー
4人で寝れるようにテントもおっきい〜初体験。
テントから見る常念岳がとてもかっこいい。
夕陽と常念岳とピッケル。すごーくかっこよかったです。
登ってる途中では涸沢が見えたんだけど、アリさんが列をなしてるように見えた。
GWの涸沢は大人気なんだね。

 

食事する時に料理入れた食器を置くと下が雪だから凹むってのもへえーってなった。そりゃそうか。
ホワイトガソリンのバーナーは初めて見たんだけど、結構火力が強い?
ガスバーナーの方がいいんだよねと支部長は言ってました。

 

今回の山行の食事担当は土井さん。
食事担当じゃない山行に行きたい…と言ってらしたが、おいしいから納得の食事担当。
アルファ米のビビンバに、チゲ春雨スープ
お肉は真空パックの鳥肉(炭火焼だなあれは)に、支部長のザックから半玉のキャベツがでてきました。半玉。
キャベツと、舞茸、ネギと春雨をコチュジャンと赤味噌の合わせ味噌で味付け。
ビビンバが辛かったけど美味しかったです!

 

 

テント張ってお湯沸かして、やっと一息ついて飲むお茶の美味しさったらなかったですね。
お茶が沁みるぅ…

朝ご飯は麺。半生麺で、冷麺の平たいやつみたいなやつ。
しこしこしてた。美味しかった!岩手のアンテナショップに売ってるって聞いた気がする…

 

朝ご飯食べて、テント片付けてたら、昨日一緒に上がってたペアが先に通過していきました。
朝は雪締まってるんだけどあっという間に腐りよる。

 

 

6:30出発
今回の核心、横尾の歯に向かいます。
でもその間にもロープ出してもらったり…
パス使ったりプルジックだったりちょいがけだったり、その場その場で指示を受けて私はもう落ちないように進むだけ。
あんまり足引っ張るわけには…
でも途中どうしても怖いところは土井さんにロープ出してもらいました。怖いもんは怖い。ロープがあったって落ちたくはない…

 

一ヶ所肩がらみしてもらって進んでたところで雪踏み抜いて落ちたんですけどね。
ロープ無かったらハイマツで止まったかなあ?止まらないやなあとか思った。
なんとか体勢立て直したら、
「呼吸整えて!落ち着いてからでいいから!」
との声が聞こえて、脈も呼吸も乱れてるのを自覚。私のSAN値が減ったなと思った。
バリエーションはSAN値が微妙に減ってく。体力と共に減ってく。これがアルパインかあ

 

何とか落ちた事を引きずらず、その後もなんとか進む。
8:25 横尾の歯上到達。
10:30 天狗原とのコル
ここら辺が一番長くて辛かったなー。。。
なっかなか天狗原のコルに着かない。長いの。そして踏み抜くの。つらい。

 

なんとか10:47 天狗原のコルに到達。
そしたら土井さんが膝が痛いので降りると仰る。
正直私は、わぁ!下山だ!!って心の中で喜んでしまったのですが
支部長が「なら下山前に南岳への稜線まで空身で行きましょう。それで横尾尾根終了なので。」
とおっしゃいました。最後にきっつい登りへ。

 

空身だからーいいけどー登りも大変…
というか、登りは登れるけど、下りは怖い。とつぶやきながら登る。
稜線に11:47到達。
風がつめたい…写真撮ったらまたすぐおりる。はやくかえりたいモードに。

 

肩がらみとか、スタンディングアックスとスノーバーで二度ロープ出してもらって進む。下りこわいって!
こわいところはもう後ろ向きになっておりる。落ちるよりはいい。落ちる気しかしない。落ちたらいかん。いやだ。

 

だんだん下ってきて、滑ってもデブリあたりで止まるなら大丈夫かなー?
とか思うけど、もう岩が露出してたりするので、それに当たったら簡単に腹裂けて内臓ぶちまけちゃう〜だめだーって思う。だめだー
後は滑落は足ひっかけたりすると簡単に折れるからだめだよって言われた。
滑落こわい。

 

なんとか12:50に天狗原のコルに戻る。
こっから横尾本谷へおりる!

一息付いてると天狗原の方からひょっこりバックカントリーのおじさん登場
ものの10,5分の滑走の為にスキー板ここまで担いで来るのがカッコいいっすわ。
あっという間に下っていかれる。気持ち良さそう。

 

斜度があるうちはもう私がびびってまた後ろ向きで降りる。
雪がまたザックザクなので、練習がてら前向きで降りなさい言われて降りる。この雪質なら確かに埋まるので大丈夫。
ということでザックザク進む。

 

頑張ってザックザク下って、下りはもうあっという間ですよ。どんどん標高を下げる。
前のめりにコケて滑ったりした。疲れがでてる。

 

一生懸命下って涸沢へ向かう登山道に合流。本谷橋でメットとかアイゼンを外し、横尾へ向かいます…!
土井さん膝が痛いって言ってたのに歩くのはやい。みんな歩くのはやい。

 

取り付き場所通過、15:50 横尾に到着。つらい。

土井さんが「もう一歩も歩きたくない」
と言っていたが、私も同じ気持ちですよ!と心の中で同意。
が、横尾は雪解け水が溜まってたり雪が残ってたりで、テン場がよくない。
うちのテントは床に穴が空いてるのでダメです!!

 

ということで、徳沢まで行くことに…
16:50 徳沢到着。
テント張ります。広い芝生のテン場でとっても快適…

 

夕食はカレー。アマノフーズのフリーズドライカレーは野菜たくさん入ってるすごい。それにお肉追加、コチュジャンと白味噌追加。辛かった!

標高が全然違うので寝てる時暑かった…
土井さんがうわ言のように「暑い…暑い…」と言っていたが、土井さんは夏用シュラフだのに…勿論私も暑かったです。

 

朝ごはんはラーメン。キャベツ入り。
5:54出発

 

7:06 上高地到着
すぐにタクシーに乗り駐車場へ。
インター近くの朝早くからやってる銭湯、瑞祥松本館 680円(と言いながら温泉もあった)に立寄り汚れを洗い流しさっさと帰る!
土日は朝6時からやってて、結構混んでました。

 

確か10時くらいに高速に乗り、混む前に帰りたいと祈る。
車は順調に流れ、13時に秋葉原に到着〜

 

天気が良すぎて雪が腐ってる以外は順調過ぎるほど順調だったと思います。
なんせ私が行けるくらいなので。なんとか今回泣かずに、立ち止まらずに行けました。

 

次回までには色々もうちょっと…
また経験積んだら改めて横尾尾根行ってみたいなー
次こそは槍まで〜

 

(記:関谷)

滝谷 クラック尾根

日程:2019427()-29()

山域:北アルプス 北穂高岳 滝谷

参加者:坂田(L)・林

行程:27() 上高地横尾涸沢BC

28() 涸沢BC(6:00)-北穂高岳山頂(8:15)-B沢下降点(10:00)-クラック尾根

    北穂高小屋(16:40)-涸沢BC(18:00)

29() 涸沢BC-横尾上高地

 

 

 

この冬シーズン後半は天候やコンディション、日程の都合により敗退や計画中止が続きどうもすっきりとした山行が出来ていなかった。挙げ句の果てには八ヶ岳にアイスに行ったのに装備忘れでアイスが出来ないという、どうしようもないミスも犯していた。おそらく今シーズン最後の雪山になるであろうこのGWの山行はなんとか形になるものにしたいという思いで山に向かう。

 

 

27日(土)

10連休のGW初日、上高地から入山する。当初は滝谷出合から入り滝谷を下から詰めていく計画だったが、GW初日に季節外れの寒気が入ってきており上高地からの入山に出発前計画を変更した。結果この判断が正解だったように思う。上高地に着く頃には雪がちらほらと舞い始めていた。横尾から涸沢に向けの登っていくと登山者が列をなしている。丹沢あたりより人が多いんじゃないだろうか。あらためてGWなのだと実感する。次第に雪の降りも強くなり涸沢に着く頃には新雪もだいぶ積もっていた。当初の予定ではこのまま北穂高岳まで上がりBCとする予定だったがこの先トレースもなく天候と積雪のため(荷物も重かったし。。)これ以上進むのは難しく涸沢をBCとする。テントを張り終えた頃には吹雪いておりGWにしてあたりは冬山の様相だった。

 

 

28日(日)

朝起きるとテントの外は昨日と打って変わっての快晴の様子。今日は期待できそうだ。4時過ぎなのに既に北穂高に向かって登り始めているパーティーがいる。準備を整え6時に出発。たくさんの先行者のおかげでステップが出来ており楽ちんだと思ったけどやっぱりそれなりに疲れてしまう。もっと体力が欲しい。北穂の頂上でちょうど計ったように先頭パーティーに追いつきラッセルのお礼を告げる。4時過ぎには登ってた方達だ。さぞラッセル大変だっただろう。6時に出ましたとは口が裂けても言えなかった。

 

 

北穂高小屋の脇で登攀の準備をする。ここでカムの中間の番手(0.3~0.75)がないことに気がつく。今回、坂田さんと私でカムの番手を分けて持って来ており2人で1セットとする計画だった。出発前に駐車場でも番手の確認をしていたのに中間の番手が抜けてしまっていた。ナッツは1セットあったのでセットの練習を兼ねてナッツも併用してなんとかすることに。ないものは仕方ない。

 

 

北穂高小屋からB沢の下降点まで雪壁を下る。B沢は傾斜もそれなりにあり雪の状態もわからなかったので懸垂で降りる。トポによると「クラック尾根下部は崩壊しているため側壁を登ったあと懸垂して取り付きに出る」とのことだがどこから側壁に取り付くのかがどうもはっきりしない。トポと見比べ登れそうなところから取り付く。しばらく登ると残置のハーケンやらスリングが出て来たので正解だったかと思ったが、結果トポのラインではなかったようだった。途中から悪いルンゼを登りつつ懸垂点を探すもそれらしいものは見つからない。トポだとⅣ級のピッチのはずなのになかなかいやらしい。GWとはいえ標高3000m。雪もベルグラもしっかりと付いている。アックスを打ち込み、ホールドを掘り出し、アイゼンガリガリしながら登っていく。結局ロープを50m一杯まで伸ばしピッチをきる。上部を見上げるとなんとか直登して尾根上に出られそうなのでこのまま直登することに。ここもあまり良くないルンゼを20m程登り尾根上に出る。結局側壁を70m程直登した。この時点ではトポ上の3ピッチ目あたりに出たと思っていたのだが、あとから確認したらどうも核心のじゃんけんクラックの上かその前後に出ていたように思う。だってこの先じゃんけんクラック出てこなかったもん。。。

 

 

その先も2ピッチ、尾根上をやや巻いたりしつつすっきりとしないラインを登れそうなところから登っていく。ここでランニング欲しいな、というところで先人も同じ気持ちだったらしく所々残置のハーケンが出てくるのだけれど、ほとんど腐っておりあてには出来ない。ただクラック尾根の名前の通りいたるところにクラックがあるのでカムやナッツでランニングは比較的取れる。開けたテラスに出たところで尾根筋がはっきりせず何本か登れそうなラインが見える。ここで残置のハーケンに誘われて取り付いたラインが悪く途中で下降。坂田さんに指摘され左上する登りやすそうなバンドがあることに気が付きそちらに取り付く。ここに来て初めて快適なピッチ。気持ちよく登っていき岩角を回り込むと北穂高小屋直下の雪面に出た。

 

 

北穂高小屋で坂田さんと握手を交わし暗くなる前にと下降する。小屋の脇に残置していたストックを小屋の方が預かってくれており、私達が着いたのに気が付きわざわざ小屋から出て来て渡してくれた。ありがたいです。涸沢まではひたすら下り。バテてるときには重力に身をまかせられる下りがありがたい。18時頃にテン場に着くも、疲労と安心感からしばらく何もやる気が起きないモード。涸沢カールから見上げる空と雲が淡く夕日に染まってとても綺麗だった。

 

 

 

 

29日(月)

この日は北穂高から西穂高まで縦走して翌日上高地に降りる。。。予定だったのだが夕方から明日にかけてまた天候が崩れる予報のため(決して全装備を担いでまた北穂高まで登るのが辛かったからではないよ)、そのまま上高地へ下ることにした。涸沢から横尾、徳沢、明神と上高地に近づくにつれてどんどん人が多くなりかなりの数の人が上高地から入っているようだった。春の山に入ってくる人たちはみんなどこか楽しそうだった。あとどうでもいいことなのだけれども、汚い格好をして大きなザックを持って観光客のいる上高地を歩くのがどこか好きだったりする。

 

 

以下まとめです。

結局、クラック尾根は中途半端なところから登り始めてしまい、嬉しいやら悲しいやら核心部のじゃんけんクラックも巻いてしまったようだった。トポとはだいぶ違うルートになってしまったけれど、登れそうなラインを自分で見つけて登るというアルパインの基本であろう登り方が出来たとポジティブに受け止めることにします。実際クラック尾根はあちこちにハーケン打ってあり、ありとあらゆるラインを探して登られている痕跡があった。ただ残置のハーケンはどれも古くプロテクションとしては信頼できない。私も2本抜いた。ランニングは基本カムやナッツでとったほうが安心できる。支点を作る際も残置ハーケンを利用するなら確認した上でカムやピナクルなどでの補強が必要。また岩も非常にもろく、私はホールドが取れてヒヤリとさせられたし、坂田さんも足元が結構大掛かりに崩れていた。我々の登攀日は気候は安定しておりそれには助けられた。

 

 

敗退続きの中、シーズン最後になんとか形に出来てホッとしました。

信頼できる先輩坂田さんに感謝です。いつも勉強させてもらってます。

(記:林)