日程: 2013年4月26日(金) – 29日(月)
山域: 仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳(南アルプス)
参加者: 中村(L)・土井
行程:
第1日目: 調布駅(21:00) – 沢渡駐車場(0:30) 小雨、仮眠
第2日目: 起床(5:10) – ミゾレで二度寝 – 沢渡(7:15) – 上高地BT(8:10) 大雪のため入山規制、南アルプス転進を決める – 上高地BT(9:20) – 沢渡 – 戸台口バス亭(13:55/14:15) – 歌宿(15:00) – 北沢峠(16:50)
第3日目: 北沢峠テン場(6:05) – 仙丈ヶ岳(10:50/11:15) – テン場(14:40)
第4日目: 北沢峠テン場(5:20) – 甲斐駒ケ岳(10:00) -テン場(13:00/14:30) – 歌宿(16:00)
27日(土)
今回の山行は数年来の目標としてきた横尾尾根。核心と思われるルンゼ取り付きも研究して、やる気満々の中村さんと共に沢渡入りした。ところが、仮眠から目覚めたら小雪。天候はどんどん悪くなり、釜トンネルを抜けたら本格的な雪に一変してしまった。最後のとどめは、上高地バスターミナルでのお知らせ。「大雪のため入山規制」だって。うそでしょ…。
入山規制がかかったのは①横尾大橋から先②岳沢③槍沢。規制を説明するガイドと登山者たちの会話に耳を傾け情報を収集する。「明神東稜もダメですか」「雪崩にやられるよ」とか、「霞沢岳も危ないですか」「ダメダメ、沢筋は一番ダメ。涸沢は80センチも積もったんだよ」。要は、山は登れないということだ。
しばらくすると、「食い物も酒もあるから、横尾で宴会しようや」「横尾で様子見だね」といった声が上がりはじめる。みんな、宴会のため3時間も吹雪の林道を歩くんですか…。それに、規制が解除されても、我々の場合はルンゼに入らないといけない。新雪が1メートル以上もあるルンゼなんて登る気にはなれないなあ…。
そこで、中村さんとしばし談合。南アルプスへの転進を決め、4時間後には長谷村の戸台口に到着した。車から降りると、青空をバックにそびえる鋸岳が出迎えてくれる。お土産屋のおばちゃんによると、長谷村も朝まで吹雪いていたが、昼から晴れたのだという。捨てる神あれば拾う神あり。南アルプスの神様に感謝する。
GWは標高1680メートルの歌宿までマイクロバスが出ている。で、えっちらおっちら、南アルプススーパー林道を登り、北沢峠を目指した。駒仙小屋前のテント村の仲間に入れてもらったが、我々のテント番号は27番。この日、テントは31番まで増えたが、涸沢と比べたらささやかなものだ。午後8時には大半のテントの灯も消え、星の瞬く夜が静かにふけていった。
28日(日)
午前4時15分起床。空身で仙丈ケ岳を目指す。4合目から先はプチラッセル。すれ違った青年2人は強風のため敗退したといい、ちょっと緊張する。午前9時、隊列を組むガイド登山グループを追い抜き小仙丈岳に立つ。風は強いが、仙ノ倉北尾根ほどではない。北岳、濃鳥、仙丈には、べったりと雪が張りついている。
午前11時前、仙丈ガ岳。久しぶりの3000メートル峰だ。吸い込まれるような碧空と冠雪した峰々の絶景。思わず中村さんと握手してしまう。快晴無風、このまま昼寝をしたくなるような陽気だ。
29日(月)
この日は慌ただしい。歌宿16:15pm発の最終バスに乗るためには10:30amまでに甲斐駒に登らないといけない。中村さんがゴソゴソしだしたので腕時計を確認すると、何と3:50am。「あ~あ、やっちまったよ、大寝坊!」。
ニュウ麺を無理やり流し込み、「登れるところまで登ろう」と話して出発。谷が雪で埋まっているため、仙水峠までの道はとても歩きやすく、助かる。
駒津峰までの登りの途中、踵が痛くて立ち往生した。中村さんに先に行ってもらい、靴を外してみる。両足とも酷い靴ズレで、水がたまって踵が腫れていた。仕方ないのでナイフで皮膚を切って、膿を出す。再び出発するがピッチは上がらない。駒津峰で何とか中村さんに追いついたが、果たして甲斐駒は登れるのだろうか。
08:40am、駒津峰出発。傾斜のきつい直登ルートに入ると、不思議なことに足の痛みが和らいだ。頭の中には10:30amという目に見えないゴールインがあるので、苦しくても止まれない。2人そろって頂上に着いたのは9:50am。寝坊したにもかかわらず、何とか時間内に登れたことに、ホッとする。
ザイルを出すような場所もなく、アイスアックスを使うようなスリリングなシーンもない。でも、静かな南アルプスで、春山を満喫できたのを良しとしたい。「横尾尾根は今年12月に登ろう」。そんな約束をして解散した。
(記: 土井)
ゴールデンウィークの吹雪には驚いたが、すぐに北沢峠定着の甲斐駒・仙丈に変えたのは良い判断だった。昨年家内と同じルートで登っているので、よくわかっているし。天気も最高で素晴らしい2日でした。仙丈から下山して、小仙丈の雄大な景色を見ながら飲んだビールのうまかったこと。しかし、仙丈の登りは少々バテて、やっぱり年かなあと感じました。
(記: 中村)