阿弥陀岳北稜バリエーション登攀
Witer Variation Route of Mt.AMIDADAKE (North ridge)
(English version below)
山域:南八ヶ岳(阿弥陀岳)
日時:2005年12月23日~2005年12月25日
メンバー:坂田、後藤
計画:
・12/23 阿弥陀岳北稜登攀
・12/24 赤岳主稜登攀
12/23
6:00 美濃戸口
日の出前に歩き始める。途中で阿弥陀岳に向かっていることに気づき引き返す。
7:00 美濃戸口
道を間違え1時間のロス。
8:00 美濃戸山荘
車道歩き、積雪は多くても30cm程度だが気温は低い。崖に発達した氷柱が美しい。
美濃戸小屋から南沢に入り長者小屋に向かう。
途中までは踏み跡もしっかりしていてラッセルは無い。
10:00南沢大滝周辺
南沢大滝の辺りでアイスクライミング(滝が凍っていてアイスクライミングのメッカになっている)に向かうトレースに入り込んでしまう。1時間ほどロス。
ここから先は小屋に向かう人が少なく、開けた場所ではラッセルが必要。積雪60cm程度。
12:00 行者小屋
テント設営。風が大変冷たい。我々が行者小屋に着いた第一陣だった。
到着が遅れたため(当初10:00を予定)阿弥陀岳に登るのをあきらめる。
15:00ルート工作
行者小屋より文三郎に向かい、途中で阿弥陀岳北稜の沢に入る。積雪が深く樹林帯の通過をあきらめて沢沿いに20分ほど登る。
沢の入り口と登山道の位置を確認して引き返す。
16:30 テントへ戻る
夕食:シチュー・ピラフ
12/24
7:00 起床
起床が遅れる。天候は雪。昨日より良くなっているのは風が強くない事くらい。夜間に30cm以上積雪があったことを知る。
9:10 アタック開始
阿弥陀岳北稜へアタックを開始。昨日は通過を諦めた樹林帯に先行パーティのトレースがある。
10分程で先行パーティに追いつき、ラッセルに参加。坂田さんの強力なラッセル。
11:00 第2岩峰基部
20分程休息。アイゼンをつける。
先に岩に取り付いたパーティは講習会で人数が多く、途中に割り込ませてもらう。感謝。
岩登りは2ピッチのみ、特に難しい部分は無し。
14:00 阿弥陀岳山頂
岩稜部を突破した辺りから急速にガスが晴れ、美濃戸口の辺りが見えてくる。強烈な吹き上げ有。
山頂に付く頃には南西方向を残してガスが消え、赤岳から北八ヶ岳方向へ印象的なスカイラインが広がる。
大同心のなんて垂直なことか!
15:00 中岳
阿弥陀岳-中岳間の下りに時間を使う。雪は十分についていたが、下降の難しい部分が数箇所有。
中岳-文三郎新道かんは谷の最上部かつ阿弥陀、赤岳に挟まれた最も低い区間のため、強烈な風が吹く。
周囲温度は-20℃程度、体感温度は-40℃に達すると考えられる。風の吹き付ける体の左側は頬骨の辺りの露出部が痛みを覚える。
此処の風に意思があるとしたらそれは狂気だろう。そんなことを考えた。
16:00 文三郎新道
文三郎新道に入り、少し下ると樹林帯に入る。
狂風の無いのが大変すごしやすい。
左手にさっき登った阿弥陀北稜が、右手には取り付く予定だった赤岳主稜が手に取るように見える。
ミニチュアのように全てがくっきり見えてなんだかうれしくなってくる。そうだ、今日はクリスマスイブなのだ。
最も信頼できる仲間と過ごせる喜びよ!
16:00 行者小屋
テントに戻って確認したところ、手の指先端が計9本白くなっている。感覚はあるが、凍傷直前のようだ。
原因はネオプレン製の手袋に違いない。通気性が無く冷えると温まらないのだ。
男二人だがプレゼントにもらったキャンドルと行動食のケーキで楽しく過ごす。
12/25
7:00 起床
雲ひとつ無い快晴。朝、最初に山頂が輝き、光の部分が広がっていく。
稜線では強烈な雪煙が登山者を襲っている。
10:00 行者小屋発
今日は早く下らなければならない。僕達もプレゼントを渡したいのだ。
坂田さんに借りたフリース手袋が大変暖かい。
日差しに少し緩んだ雪道を駆け下る。
12:00 美濃戸口
1時間で下ろうと云っていたが、2時間掛かった。妥当な線だろう。
美濃戸口で待ちわびていたダットサンに飛び乗る。
途中の温泉で垢を落として手足を解凍することにしよう。
東京に戻らなくちゃいけない。